MIDIで打ち込みしたピアノソロの音作りとミキシング、マスタリングを考える
DTMで使うピアノ音源「Ivory II Studio Grands」を使い始めて4ヶ月ほど経ちました。やはり定番、人気のピアノ音源だけあって、高品質でとても使いやすいです。
MIDI打ち込みピアノソロの音作りに関して、ネットの記事をあまり見かけなかったので、今回は以前のピアノのMIDI打ち込み方法をもう少し深掘りし、音作りとミキシング、マスタリングを考えていきます。講座というよりは、僕個人の備忘録です。
今回の目標曲は以前にYouTubeに投稿した、久石譲「Spring」のピアノソロ。
まずはこのレベルを目指していきます。
打ち込んだMIDIを良い感じのピアノ演奏に仕上げるにはどうすれば良いのか?
- リファレンス曲(お手本曲)を分析する
- アナライザーを正しく使って音作り
- ラウドネスメーターを使って音圧を調整する
基本的にポイントはこの3つです。
以下、順番に解説していきます!
人気記事ゼロから音楽理論を独学する方法【初心者向けのおすすめの勉強方法】
人気記事ゼロからピアノを独学する方法【おすすめの本と練習法】
まずはMIDIをリアルタイムで打ち込む
一にも二にも、MIDIの打ち込みをしないと始まりません。笑
ピアノソロの場合はできるだけ「リアルタイムレコーディグ」をしたほうが上手くいきます。
- ノートオンとオフのタイミング
- サステインペダル
- ベロシティ
気をつけるポイントは基本的にこの3つです。
細かい設定はこちらの記事を参考にしてください!
人気記事MIDIの打ち込みをリアルなピアノ演奏にする方法と具体的な手順
最強のピアノ音源「Ivory II」でピアノの音作り
まずは、ソフト音源側で基本的なピアノの音作りをしていきます。
音源は「Ivory II Studio Grands」です。
人気記事ピアノ音源の最高峰!?「Ivory II Studio Grands」徹底レビュー
が、その前に参考にするリファレンス曲(市販の曲)を用意しましょう。全く同じ音にする必要はありませんが、後の音作りで参考にできます。
今回はそのまま久石譲さんの曲をリファレンス曲にします。
今回の参考曲「Spring」では、Ivory IIのピアノはSteinwayでいきます。久石譲さんがいつもSteinwayで弾いているので。笑
Keigo これ、欲しい!(白目)
※新品で1400万円以上します(手作りのため大量生産できない)。
Steinway & Sons | Model B-211
オレンジがリファレンス曲。緑がMIDIトラックです。
パラメータは以下のような感じです。
「Stereo Width」と「Sympathetic Resonance」以外はプリセットのままにしました。
デフォルトでは「Stereo Width(左右への広がり)」が100%になっていますが、明らかにパンが不自然なので数値を下げてパンを狭くします。
「Session」タブでは「Memory Use」を「Large」に、「A4 Pitch」を「442.0 Hz」にしました。
Ivory IIの細かいパラメータに関しては、こちらの記事を参考にしてもらえばと思います。
関連記事ピアノ音源の最高峰!?「Ivory II Studio Grands」徹底レビュー
Ivory II側での音作りは以上です。
このままイコライザーやリバーブなどを作り込んでも良いのですが、Ivory IIはソフトが重いので再生していると途中でプツプツなっちゃいます。
なので一旦、wavに書き出しします。
Cubaseの場合、MIDIトラック上で右クリックすると「Render in Place」という項目からwavに書き出せます。
今回は「Dry(素の音)」で書き出します。
はい、書き出しました。30秒くらいでできました。当たり前ですが、Dryの音は波形が小さいですね。
このラウドネスに関しては後に説明しますが、注目する値は以下の3つ。
- True Peak…ピークの最高値
- Max. Momentry Loudness…ラウドネスの最高値
- Max. Short-Term Loudness…3秒単位のラウドネスの最高値
※Cubaseでは、左上のオーディオ(Audio)→ 統計(Statistics)でオーディオファイルの各種数値が出せます。
現段階のDryの音はこんな感じです。今はまだ音圧が低いので少しボリュームを大きくして聴いてみてください。
このままイコライザーやリバーブなどを掛けても良いのですが、精神衛生上の理由で別にプロジェクトを作ります。笑
ミキシング用の新規プロジェクトを立ち上げ、さらに音を作っていきます。
アナライザ「SPAN」を正しくセッティング
ここからは先ほど用意したリファレンス曲を参考にしながら、音を作り込んでいきます。というのも、リファレンス曲はプロのエンジニアが音を処理しているので素人からすれば、ほぼ100%正しい処理をしているわけです。参考にしない手はない。笑
基本的に僕はリファレンス曲の以下3つに耳を傾けています。
- 音の質感(イコライジング)
- 空間(リバーブ感 = 部屋の広がり)
- 音量ダイナミクス(コンプ感)
原曲「Spring」は生ピアノで収録されているので全く同じようにはいきませんが、参考になりそうなところだけを真似ていきます。
補足:スペクトラムアナライザーは必須です
僕は音作りを始める前には必ず、周波数を分析するプラグイン「スペクトラムアナライザ」をマスターチャンネルに挿します。耳だけでなく、多少は目も使って判断します。
使うアナライザは、Voxengo「SPAN」。高機能で波形が見やすくて使いやすいのに無料というチート級のアナライザです。
スペクトラムアナライザに関するの細かい話は、えき(@eki_)さんのブログ記事が大変参考になります。世界で最も詳しく書かれています。特に宅録民は必読です。
えき さんの参考記事:スペクトラムアナライザの調整が大切な理由
デフォルトの状態でも「SPAN」は使えますが、例によってアナライザの調整が大切です。正しい調節をしていないアナライザは役に立ちません。むしろ大切な楽曲を破壊していきます。
というわけで、ピンクノイズだけを鳴らしてSPANの初期設定をします。えきさんのブログ記事の設定を丸パクリですけど。笑
ピンクノイズは全ての帯域が水平になるノイズです。
(中略)
光学の分野ではホワイトノイズが基準にされることがありますが、音響の分野、とくにミックスの分野ではピンクノイズを基準にした方が便利です。
大変貴重な情報です。つまり、ピンクノイズは全周波数帯域でフラットになるので、フラットに表示されるように先にアナライザを調整する必要がある、ということです。
SPANでは右上の歯車の記号をクリックすると詳細設定画面が出てきます。ピンクノイズがフラットに表示されるように各種数値を調整していきます。
▼こちらはSPAN全体の画面。
▼歯車をクリックすると出てくる設定画面。この設定が重要です。
右下の「Slope」を2.2や2.3前後でピンクノイズがほぼ水平になりました。(「Block Size」の値にを先に決めてから「Slope」を変更します)
この設定を基準に、実際の音作りで見やすいように設定します。といっても、左下のハイとローの表示を狭めるだけですが。笑
右上の「Avg Time」は数字を小さくすると反応が早くなります。
ここからは筆者Keigoの個人的な設定。
次に左上の「Routing」の矢印をクリックして「Mid-Side Stereo」にします。この表示方法では、Mid(中央)で聴こえる音とSide(左右)から聴こえる音を確認できます。
この状態でリファレンス曲を流してみると以下のようになりました。この場合は、500~600Hz周辺の中音域が山になっているのが確認できます。ミキシングの際は、最大ピークが6dBになるようにボリュームを下げます。
16kHz以降がぶつ切りになっているのは間違えてmp3を取り込んだからです。笑
エンコードしたファイルは多少なりとも波形が変わるので、本来は原曲オリジナルファイルを取り込むと良いと思います。
現段階でのDryの音をアナライザで確認してみます。
Ivory IIは80~100Hz周辺の低音域がよく出るので注意する必要があります。
という感じでアナライザを使うと、耳で捉えられなかった部分が目で気づけます。もちろん、波形にこだわりすぎても良くないので、あくまで参考にするツールとして使います。
音作りの手順どうするべきか?
音作りやミキシング、マスタリングは手順や方法が山のようにあります。
今回はざっくり以下の順に紹介します。音の変化が分かりやすいからです。
- イコライザー
- リバーブ&ディレイ
- コンプレッサー&リミッタ
ただ、僕の実際の作業では逆の手順が多いです。先にリミッタを挿して完成形の音圧感を作ってからリバーブやディレイ、イコライザーやコンプを掛けていきます。そちらの方が仕上がりが良いと気がついたので。
色々なやり方があるのでまた半年後には多少変わっていたりするんですが。笑
イコライザーでピアノの音をクリアに!
イコライザーは、特定の周波数を強調(ブースト)または減衰(カット)させるエフェクトです。
正しい使い方があってないようなものなので、正直、突き詰めるとかなり難しいです。笑
完全に我流の解説なのでご参考までにお願いします。
ここでは、先程のIvory IIのDryの音が少し奥まっている(ピアノが部屋の奥のほうに配置されすぎている)と感じたので「ピアノを前に出す質感」を目指します。
Waves「Scheps 73」でブースト
今回は、Wavesの「Scheps 73」を使います。主にブーストして使うと良い感じに艶がでてくれます。3つのツマミを設定するだけなので操作もしやすいです。※「やりすぎ注意報」発令。

僕が大好きなプラグイン!笑
「Shceps 73」の左側のツマミに関して色々と研究した結果、以下の3つが分かりました。
- 「HIGH」……ブーストすると部屋の空気感が出る。3dBを超えてくると生ピアノとしてはわざとらしい感じ。
- 「MID」……「4.8kHz」に設定してブーストするとピアノが前面に出る。こちらも1~3dBで十分といった感じ。初めはブーストし過ぎる傾向。
- 「LOW」……リファレンス曲を参考にしながらお好みで調整。ブーストしておいて、後で別のイコライザでカットすると良い感じ。
「Scheps 73」を上の画像のように設定するとこんな感じ。
先程のDryに比べて、ピアノが少し前面に出て、華やかな音になりました。
ちなみに、「やりすぎ注意報」を無視して全ブーストするとこんな感じ。
ね? やりすぎでしょう?笑
イコライザーはつまみを回すとすぐに音が変わるので、始めのうちは夢中になってやりすぎちゃうことが多いと思います。え、僕だけ?笑

イコライザーは、ほどほどに!笑
「Scheps 73」は設定項目が3つしかないが故に楽だし、直感的で好きです。
以下のプラグインみたいに10個も20個も弄るところがあると、正直困っちゃうんだよね。笑
▼Waves Q10
▼Cubase GEQ-30
iZotope「Neutron 2」で気になる周波数をカット
先程ほんの少しブーストした後に気になった音域をカットします。左手のアルペジオ部分と弦の鳴りが私、気になります。
正直、ここでのイコライザーは何でもいいのですが「Neutron 2」が操作しやすいので使っています。
特に「Alt + 左クリック」で特定の周波数だけを聴けるというのが楽で良いですね。一応、アナライザーの白い波形も表示されるのですが、あまり囚われてはいけません。笑
350Hzと1000Hz周辺の2点を2~4dBくらいカットしています。耳で聴いた感じなので数字自体に特に意味はありません。この後さらに100Hz付近の低音域をカットします。
イコライザー適応前と後を聴いてみます。00:11までがDryの音、後半がイコライザー適応後です。
イコライザーを適応することで音が前面にでて華やかになりました。
というわけで、Dryの音作りはここで終了です。
リバーブとディレイで空間作り!
リバーブとディレイは主に空間の広がりや奥行きを表現するのに使います。
イコライザーと同様、正解はあってないようなものです。故に難しいです。笑
以前の記事でも紹介しましたが、今回も書いておきます。
関連記事MIDIの打ち込みをリアルなピアノ演奏にする方法と具体的な手順
使うプラグインは前回と同様です。
リバーブは「IR1」と「H-Reverb」、ディレイは「H-Delay」です。

DAW付属のプラグインでもよく使います!
Waves「IR1」で部屋の大きさを決める
色々な方法があると思いますが僕の場合は、まず最初にコンボリューションリバーブでピアノを鳴らす部屋を作ります。
コンボリューションリバーブは、実際に存在する空間(有名ホールや教会など)の残響音をサンプリングしているので、リアルな残響を生み出せます。短所はCPUの負荷が高くなる(プラグインが重い)ことです。
Waves「IR1」は、そのコンボリューションリバーブとして有名なプラグインの一つ。Cubaseなら付属の「REVerence」がコンボリューションリバーブです。
今回はプリセットを基準に「Reverb Time」とEarly Reflectionの「Predelay」だけを調整します。
以下、いつも設定するだいたいの目安です。
- Reverb Time……1.2s~2.0s(実際のホールもこれくらいの残響時間)
- Predelay……15s~30s
コンボリューションリバーブ「IR1」の音だけを聴いてみましょう。
良い感じに響いてますね。ただ、200Hz以下の低音(ボーン! という音)が私、気になります。そのため、このプラグインの直後にイコライザを差してカットします。
Dryの音と合わせて聴くとこんな感じ。 00:11までがDry、それ以降がリバーブありです。
ね? 空間が生まれたでしょう?
あとは、プリセットを変えてみたり、フェーダーバランスの調整、イコライザなどで音を追い込んでいきます。ここではやはり低音域を少し削りたいですかね。
Waves「H-Reverb」でリバーブをより豊かに
「IR1」だけでもリバーブとしては成立していますが、僕はもう一つリバーブを使います。理由はリバーブをより豊かにするためです。

リバーブ一つだと響きが少しシンプルすぎるんだよね!
2つ目のリバーブは「H-Reverb」。
こちらも「REVERB TIME」を調整します。先ほどの「IR1」とブレンドして良い感じな数値を探ります。
今回は使用していませんが、左下の「INPUT ECHOES」「OUTPUT ECHOES」を使うとさらに空間が作れます。
「H-Delay」の音だけを聴いてみましょう。
先程の「IR1」と同様に、後にイコライザーで低音をカットします。
ここで「IR」と「H-Reverb」の組み合わせのみを聴いてみましょう。微妙な変化ですが、00:12以降の変化が分かりやすいと思います。例によって後で低音はカットします。(ここではリバーブの音を紹介するためドライのまま、つまり無編集です)
次に、Dry + IR1 + H-Reberbの組み合わせです。全半はDry、00:12以降がリバーブありです。
良い感じのリバーブになってきました!
ちなみに、ここまでのミキサー画面はこんな感じです。※追記:画質が低くてすみません。
H-ReverbはセンドでIR1に送っています。
Waves「H-Delay」でさらに空間作りを追い込む
ディレイは音を遅らせるプラグインです。今回は「H-Delay」を使いますが、DAW付属のプラグインでもOKです。
1/8音符や1/16音符など、間隔もしくは時間を指定して調整します。これもセンドで「IR1」に適宜調整しながら送ります。
「H-Delay」の音だけを聴いてみましょう。
山びこのように少しだけ遅れて聴こえますね。これが良い感じに空間を作ってくれます。
が、フェーダーバランスに注意しないと空間が破綻するので、やりすぎ注意報が発令です。
こちらは、Dry + H-Delayでフェーダーバランスが悪いとこうなります。
ね? 破綻するでしょう? まあかなり大げさにやりましたが。笑
ここまで作った「IR1」と「H-Reverb」「H-Delay」を良い感じにバランスさせます。すべてのトラックが混ざったので気になっていた低音域をカットします。
イコライザー、リバーブ、ディレイを組み合わせると?
Dryの音とイコライザー、リバーブ、ディレイの組み合わせを比較して聴いてみましょう。00:12までがイコライザーなしのDryの音、それ以降がここまで紹介したプラグインとの組み合わせです。
ね? 雰囲気がかなり変わるでしょう?
ルーティングは以下のように設定しています。色を付けた枠で囲ってある部分がこの記事で説明したところです。
この後は、さらにイコライザーで音を整えていきます。今回は低音域と高音域をもう少し抑えたいです。少しやりすぎました。
Dryのイコライザーやバスのイコライザーの設定に戻り、音を煮詰めていきます。
コンプレッサーやサチュレーターで微調整
このあたりからは完全に好み、自己満足でやってます。笑
FX Busや最後のBusトラックにコンプレッサーやサチュレーター、イコライザーで調整します。リミッターは念の為のクリップ防止です。
最終的には以下のような感じです。
Waves「Kramer Tape」でアナログライクに
Ivory IIなど、デジタルのサンプリング音源の最大のメリットは「音が綺麗なこと」ですが、逆に「音が綺麗すぎてリアリティに欠ける」という贅沢なデメリットが存在します。
やはり、音源を製作するからには、生のピアノを録音したような「良い意味で適度に汚れた音」を目指したいところです。
そこで役に立つのが、アナログのスタジオ機材が持つ「温かみ」あるサウンドを再現した「サチュレータ」と呼ばれるプラグインです。
今回は、Waves「Kramer Tape」を使います。倍音が少し付加されてマイルドになります。変化はとても絶妙。
少し値段が張りますが「PSP Vintage Warmer 2」も良い感じです。個人的にはこちらのほうが強力です。
「Kramer Tape」の僕の定番設定は以下のとおり。
- プリセット……「Mastering Big and Open」
- 「FEEDBACK」……5%前後。ほんの少しだけ加えます
- 「DELAY TIME」……350~500msの間
この組み合わせがとても良い感じに響いてくれます。

ノイズが乗るので、右下の「NOISE」をオフにするのを忘れないように!
Waves「SSLComp」で一体感を生み出す
今回は、バストラックにWaves「SSLComp」を使います。普段はWaves「CLA-2A」もよく使います。
設定は激甘です。針が動くかどうか、というリダクションしかしてません。圧縮は1~2dBくらい?笑
ほんの少しだけ、トラックのまとまり感というか、一体感が出ます。え、気のせいだって? うん、多分そうかもしれない。
この後に再度イコライザーで少し周波数を整えます。
00:11までがDry + リバーブ、それ以降が調整済みのトラックです。
あとは書き出しすれば、ミキシングは終了です。最終的なトラックは以下のようになりました。
ピークは最大で-9.8dB、ラウドネスは全体で-26LUFSです。今後のマスタリングのために、ミキシングではピークは最大でも-6dBまでにしておきたい。
詳細はこちらの本にて。
音圧を調整をして完成
本来のマスタリングは、複数の曲の音圧や質感など、アルバムとしての世界観を統一する役割がありますが、今回はYouTube用にマスタリングします。といっても、リミッタで音圧を上げるくらいだけど。笑
例によって精神衛生的の理由で新規プロジェクトを立ち上げて、先ほど書き出したミキシングファイルを読み込みます。
iZotope「Ozone 8」で最終調整
最後はマキシマイザで音圧を上げていきます。
使うプラグインはiZotope「Ozone 8」。自動でマスタリングをしてくれる優れものですが、いつも手動でやります。
先ほどの2Mixでは、ピークが最大で-9.8dB、ラウドネスは全体で-26LUFSでした。
2019年現在のYouTubeの仕様では-13LUFSが基準なので、2Mixのラウドネスを-13に近づけていきます。ただ、マキシマイザやリミッタで音圧を上げると音が劣化していきます。ダイナミクスが失われていくので妥協できるところで止めます。
最終的には以下のようにしました。
▼イコライザ
▼ダイナミック EQ
▼マキシマイザ
Ozone 8の適応前と後を聴いてみましょう。00:12~が適応前でそれ以降が適応後です。
最終的には以下のようなラウドネスになりました。True Peakが-0.11dB、平均ラウドネスは-14.4LUFS、最大で-8.3LUFSです。
僕が持っている市販のCDのピアノソロだと、平均ラウドネス(あまり気にしなくて良い)が-20~-15LUFS前後、最大で-10LUFS前後が多かったので今回は少し音圧が大きいくらいですが、ここではYouTube仕様なのでこれで良しとします。

クラシックピアノだと、平均ラウドネスはもっと低いです。-25~-23LUFSとか。
追記:YouTubeなどに投稿する場合、現在は「Max. Short-Term Loudness」が-13LUFS前後、「True Peak」が-1.0dBに収まるようにしています。
あとは適当に動画編集して完成です。編集ソフトはAdobe Premiere Proを使っています。
注意すべきは2点あります。
- True Peakを超えないこと(音割れさせない)
- エンコードの際にノーマライズなどの音圧を上げる処理をさせない
実は僕が今まで作ったほとんどYouTube動画、エンコードで音圧上げの処理がされています(白目)。なので実際にCubaseで作った音声ファイルよりもさらに高い音圧になっています。
Premiere Proの書き出しの一部の項目を見落としていました。南無三。

何か変だなあと思っていたんだけど、原因はそれか(涙)。
動画で解説しました
動画でも解説してほしいということでYouTubeにアップロードしました。
関連記事電子ピアノでMIDIの打ち込みしたピアノの音作りを紹介!

Keigoです。オンラインでピアノの個人レッスンもやっています!
MIDIで打ち込んだピアノソロの音作りを備忘録としてまとめました!
1.リファレンス曲を用意
2.アナライザーを使う
3.ラウドネスメーターを使って音圧上げ基本的にポイントはこの3つ。
あとは数を熟すのみ。笑#ピアノ #DTM #MIDI #打ち込みhttps://t.co/olaEKuxqCE
— Keigo (@type00k) April 4, 2019
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