わざわざ音楽理論なんて勉強しなくても音楽自体は楽しめるんだけど、もっとプロ並みのクオリティで演奏や作曲、アレンジがしたいとか思い始めると音楽理論の必要性をひしひしと感じ始める。
指を使ってお金の計算なんてやっていられない。ならばさっさと四則計算と九九を身に付けてしまえばいい。「確実な結果」と「時間効率」を同時に得られるのだから。そんなイメージ。
ということで今回は5歳からピアノを弾き続けてきた僕が音楽経験ゼロから音楽理論を独学までの流れとおすすめの方法を独断と偏見で紹介する。
音楽理論は、人類の英知
そもそもなんだけど、音楽理論をあえて一言でいうと、音楽の構造・パターン・ルール・技法などをまとめたもの。もっと雑に言えば「リズム・メロディ・ハーモニーをこう配置すると、人類は気持ち良く聴こえるのでは?」説を集めたものである。花束と一緒。美しいを集める。誰かを喜ばせたい。
特にクラシック音楽は500年以上の年月を掛けて構築された理論の塊。現代の音楽の基礎となっているだけでなく、ジャズ、ロックンロール、シティポップ、映画音楽、EDM、アニソンまで多様な新しいジャンルを生み出す源泉になった。たとえ人類が消滅した場合でもバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンをもう一度召喚することさえできれば人類の音楽史は再構築できるかもしれない。その場合は学校の音楽室の額縁あたりから登場するに違いない。
音楽理論は時代と文化を超えて愛され続けてきた技術の集大成でもあるから、もはや人類の英知と言っても過言ではない。
人類の歴史とともにある音楽の本質に迫る手段が音楽理論。賢者は歴史に学ぶ。だから使わない理由がないってわけ。
料理レシピと一緒、選択肢を広げる
つまりは料理のレシピと一緒。古今東西の人類が途方もない時間と労力を掛けて洗練させてきた知恵の結晶。味のクオリティ、時間と労力の最小化が約束されている貴重な情報をあえて利用しない理由があるのだろうか、いや、ない。
と同時に、カレーの味の好みが地域や人によって異なるように「唯一無二の正解」は存在しない。自衛隊の名物カレーには雪印のコーヒー牛乳が入ってるのだとか。カレー作りの常識としてはありえない……でも美味しければ何の問題もない。誰も損しない。
実際に、「音楽理論的にはありえない」と思われる曲が素晴らしい作品として世に認められるケースは星の数ほどある。理論なんて単なる道具にすぎない。
つまり音楽理論を学ぶ意義はあくまで表現の選択肢を広げることにある。自分が作りたい音楽を作るための手段として取捨選択できる状態になれればOK。全部覚える……とか必要ない。というか無理。
だからまずは独学できる範囲である音楽理論の基本、料理でいう定番のレシピを理解していくのがおすすめ。
義務教育で、コード進行までは習う
音楽理論の主要な分野は以下のとおり。ざっくりなのでMECE警察お断り。
- 音律 → 楽器のチューニングの設定・成り立ち
- 楽典 → 楽譜の読み書き
- 音階(スケール) → 音を順次に並べたもの
- 和音(コード) → 2つ以上の音を同時に鳴らしたもの
- 和声法 → 各声部が和音を形成しながら進行する法則
- 対位法 → 2つ以上の旋律の調和を保ちながら同時進行させる技法
- 管弦楽法 → 最も合理的かつ効果的にオーケストラで表現する方法
- 民族音楽理論 → 日本を含める世界の諸民族の音楽について
とはいえ全部を覚える必要はなくて(というか無理)、基本的な楽譜の読み方とコード理論を知っていれな演奏や作曲・編曲にも十分活かせるので、初心者はまずそこを優先的に勉強するといい。
実は日本人は中学校で音楽理論を習っている説。
音楽理論は、言語
ついでに、音楽理論を勉強するメリットも紹介。こんな感じ。
- 音楽仲間とスムーズに会話ができる
- 美しい響きの仕組みを理解できる
- 楽曲分析スキルの獲得
- 作曲・編曲能力の向上
- 説得力のある音の響きを作れる(素人っぽさが出ない)
音楽理論は日本語や英語のような言語と同じ。単語や熟語を知らないと文章や言葉の意味が理解できないのと同じように、音楽にも独特の用語や記号が使われる。それだけ。
理論を学ぶと音楽の世界がより鮮明に見えてくる。新しい眼鏡を買ったときみたい。よく見える。
何事も最初は難しい。けれど慣れるまで続ければ音楽の世界がより深く豊かに感じられるようになるのでちょっと頑張るのがおすすめ。
オススメの勉強分野
上記にもあるとおり「音楽理論」といっても膨大。だからここでは最低限の勉強で、すぐに役に立つ分野を紹介したい。
具体的には以下の5つ。音楽を続ける限り死ぬまで使えるのでオススメ。
- 楽典(楽譜の読み書き)
- 調と音階(キーとスケール)
- 和音(コード)
- 終止と機能
- コード進行
ざっくり説明すると、
キー(調)は、どの音を基準にするか、ということ。「ハ長調」とか「C minor」とか。カラオケで「キーを上げる・下げる」と言ったりもする。これを勉強すると黒鍵(#や♭)の意味が分かる。
スケール(音階)は、基準となる音から順番に音を並べたもの。「ドレミファソラシド」とか。とりあえず最初は「メジャースケール」と「マイナースケール」を覚えることになる。
コード(和音)は、複数の音を同時に鳴らすこと。「Cmaj7」とか「F#m7b5」という表し方をする。便利だからポピュラー音楽ではほぼ100%使われる。
ケーデンス(終止)とファンクション(機能)は、曲に起承転結つけるためのコードの並べ方について学べる。学校の「起立」「礼」「着席」のあの音の順番には意味があることが分かる。
という感じで、音楽理論は音の組み合わせをパズルのように捉えていく。
最終的には暗記ゲーなので、結局のところ経験が物を言う世界ではある。
オススメの参考書5つ
【入門者向け】楽譜アレルギーの人はこれ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
オススメ度 | ★★★★☆ |
個人的見解 | 最初の一歩は漫画でOK |
楽譜アレルギーの人にオススメ。
もし音楽知識がゼロならマジな話、一番オススメの本はドラえもんの学習シリーズだったりする。漫画の分かりやすさをナメてはいけない。
最初はとにかくハードルを下げるのが大事。
ちなみにピアノ版もある。
【入門者向け】音楽知識ゼロの人はこれ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
オススメ度 | ★★★★★ |
個人的見解 | 一家に一冊置いておく辞書 |
マジでゼロからスタートする人向け。楽譜の読み方を解説してるフルカラーの本。難しい言葉がないから取っつきやすさがある。
楽譜の読み方を勉強してるとしょっちゅう記号の意味とか読み方を忘れたりするから知識が定着するまでずっと使えると思う。
ほぼ辞書的な役割。とりあえず持っておくといい。
できる ゼロからはじめる楽譜&リズムの読み方 超入門の<目次>
- 第1章 音の【長さ】を読んでみよう
- 第2章 もっと拍子を読んでみよう
- 第3章 リズムを読んでみよう
- 第4章 音の【高さ】を読んでみよう
- 第5章 楽譜の記号を読んでみよう
- 第6章 楽器別の楽譜を読んでみよう
【初心者向け】音楽理論をざっくり学びたい人はこれ
難易度 | ★★☆☆☆ |
オススメ度 | ★★★★☆ |
個人的見解 | 中学生くらいでも読める本 |
音楽理論をざっくり学びたい人向け。一応、楽譜の読み方を完全に忘れた人でも対応できる本。
「音楽理論ってこういう感じなんだ~」って思えるくらいにポップで見やすく内容も良い感じにまとまっている。
1日30分で1章読めば1週間くらいで全部読めると思う。ただし一度読んで内容を正確に理解できるかは音楽の経験による。
ちなみに僕が音楽理論を勉強し始めた頃、この手のありとあらゆる音楽理論書を死ぬほど読み直していた。たいていは土日で読めてしまうけれど、実際の音と合わせて内容を理解するのに時間が掛かった。
というか本を一度読んだだけで完全に理解しようとするのは至難の業だと思う。本は音が出ないのが弱点だからだ。
よくわかる楽典の教科書の<目次>
- 第1章 楽譜の基本
- 第2章 音譜
- 第3章 リズムと拍
- 第4章 音程
- 第5章 音階と調
- 第6章 和音<基本編>
- 第7章 和音<応用編>
- 第8章 演奏に関する指定
- 第9章 曲想・奏法に関する指定
【中~上級者向け】音楽理論の沼に片足突っ込みたい人はこれ
上記の本のレベルが分かった上で、より理解を深めたいなら読んでみてもいいかもしれない本。
ただし、初心者の人にはオススメしない。
難易度 | ★★★☆☆ |
オススメ度 | ★★☆☆☆ |
個人的見解 | 網羅性が良い。ただし文が堅いから独学には向かない |
主に楽典の本。音大の入試対策とかで使われるくらいの定番本。楽典の聖書。ガチで知りたい人向け。
楽典の本としては、過去に読んだ人が一番多い本だと思われるのが最大のメリット。網羅性が極めて高く練習問題が付いてる珍しい本だから知識を身に着けたい人には唯一無二な本だと思う。楽典に関してはほぼ全部載ってる。
ただし全く面白さがない硬派な本だし、殴ったら人が絶命するレベルで表紙も堅い。文体も昭和の古臭い感じで、開く前から本棚の飾りになる臭いもプンプンしやがる。さすが聖書といったところ。
僕は楽譜制作の「これ、どうやって表記するんだっけ?」みたいなときに辞書的な役割として何十回も読み直してる。独学本としては些か微妙だけれど辞書としては使える雰囲気がある。
正直、オススメはできない。足に落ちると死ぬほど痛い。
楽典―理論と実習 の<目次>
- 序章 音,純正律と十二平均律
- 第1章 譜表と音名
- 第2章 音符と休符
- 第3章 リズムと拍子
- 第4章 音程
- 第5章 音階
- 第6章 和音
- 第7章 速さ・強さに関する表示法
- 第8章 曲想・奏法に関する表示法
【中~上級者向け】より実践向きな本
難易度 | ★★★★☆ |
オススメ度 | ★★★★☆ |
個人的見解 | 最初にこれ買えばよかった |
上記の「楽典―理論と実習」と内容は少し被る部分もあるけれど、ポピュラー音楽に使うコード進行やコードスケールについても詳しい解説があってより実践的。
ポピュラー音楽やるなら理論はこの本一冊で十分すぎると思う。
文体も柔らくて読みやすいから初心者が勉強を始めるなら「楽典―理論と実習」よりも、こちらのほうがオススメ。
ピアノを用意しよう
音楽理論は「音の世界」の話なので、実際に音を聴いて確かめていく必要がある。特に楽譜と相性の良い楽器であるピアノを使って学習するのが普通。
そもそもピアノは、赤ちゃんでも弾けるくらい簡単に音が出せるし視覚的にも分かりやすい最強の楽器だ。もし自分のメイン楽器がドラムやギター、ボーカルだとしてもピアノは用意したほうがいい。
最安狙いならこれ
激安で用意するならこのキーボードがコスパが良い。乾電池で動くタイプ。別売りでACケーブルもある。
実はプロのレコーディングスタジオにも置いてあったりする。
ピアノも上達したいなら、YAMAHA P-225がコスパ最強
初心者におすすめの電子ピアノは個人的にはYAMAHAのP-225(2024年9月現在)
新品6万で買える。音も良いし鍵盤性能もそこそこ良い。楽器屋さんのランキングでもだいたい1位。長く使えるからコスパ最強だと思っている。
ピアノをゼロから始めたい人にオススメの本
ある程度ピアノが弾けないと音楽理論の勉強も途中で詰まってしまうから、この際ピアノの弾き方も学んでしまおう。
【入門向け】すべては教科書を理解するところから
ゼロから独学でピアノをやりたい人にオススメの本。演奏フォームや弾く時の手のフォーム、指番号など基本的なところから勉強できる。ピアノの基本中の基本を知りたい人、気軽に始める人に最適。
勉強方法と注意点
音楽理論はただの「理論(≒情報)」だ。用語や使い方を説明しているだけであって、実際の曲で上手く使えるようになるかは別の問題。
実践と理論は同時にやる
オススメの勉強法は、実践(曲を弾くこと)と理論を同時並行すること。自分が好きな曲とか演奏したい曲などを用意して、メロディを書き出したりコードを考えたりするとめちゃくちゃ勉強になる。
理論だけ勉強しても、それはカレーのレシピを知っただけの状態。実際にカレーを作ることで「体験」ができる。そこに学びの価値がある。
音楽理論を頑張って勉強しても実践しないと知識だけ増えてしまって、実際の演奏や作曲に生かされないから、必ず自分のやりたいことを優先で行ってその補強で理論を学ぶ意識を持つのが大事。
目安は2ヶ月くらい
楽器経験の有無にもよるので一概には言えないけれど、下記を毎日30分勉強するなら2~3ヶ月もあれば基本は十分理解できる範囲だと思う。
- 楽典(楽譜の読み書き)
- キーとスケール
- コード
- ケーデンスとファンクション
本格的に学びだすと何年も掛かるけど、さきほど紹介した初心者向けの参考書なら比較的早く学習は終わると思う。
ジブリがオススメ
やりたい曲が特に見つからないという人はジブリの曲がオススメ。ジブリの曲は日本人なら知っている人は多いし、ピアノの本も初心者向けから上級者向けまでたくさん販売されている。そういう意味ではディズニーでも良いけれど。
簡単な本から初めて徐々にレベルを上げていくと、ピアノも上手くなるし音楽理論にも詳しくなれるしで一石二鳥。
以下オススメのジブリの楽譜。レベル順なので順番に挑戦するといいかも。
【入門向け】片手で弾ける!シリーズ
「右手でしか弾けないぜ!」という人向け。両手奏(両手で弾くこと)がまだ難しい人、久しぶりにピアノを弾く人にオススメ。
ドレミふりがな・指番号・歌詞・弾き始めの音と位置がわかる鍵盤図も付いてる。
【初心者向け】 とってもやさしい スタジオジブリ名曲集シリーズ
「両手で弾いてみたいぜ!」という人向け。片手で弾けたら次はこれが良い。
基本的に2声なので気軽に始められる。
【中~上級者向け】モテるかもしれない
「音楽の授業が始まる前にさらっと弾いてモテたいぜ!」という人向け。易しめの曲から難しい曲まで幅広い。
これが弾けるといわゆる「ピアノ弾ける人」認定される気がする。
【変化球】JAZZアレンジなジブリ
普通の演奏に飽きた人向け。ジャズ入門的な感じで面白いかも。本格的なジャズではないけど。YouTubeで模範演奏が聞ける。
知っておくと良いこと①:必ず楽譜は読めるようになろう
音楽理論を勉強するにはどうしても楽譜を読む能力が必要。だから現時点で楽譜が読めない人は楽譜の読み方を先に知る必要がある。もちろん世の中には楽譜が読めなくても音楽理論を感覚的に理解できる人もいるけど、それは一部の人だけだからほとんどの人には当てはまらない。
とりわけ楽器経験が浅い人が感覚だけで音楽理論を習得するのは不可能に近い。だからまずは素直に楽譜の読み方を覚えたほうがいい。効率が良いし一度身に付ければ一生使える。
正直、楽譜の読み方は難しくない。小学生にだって理解できる内容だしそもそも義務教育で習うことになっている。というかもしそんなに難しかったら人類は1000年も使っていない。フリーレンは読めるのか気になる。
慣れないうちはどうしても読むのに時間が掛かるというだけ。
知っておくと良いこと②:曲の分析が大事
理論の本を読んだだけでは意味がないよ、という話。
学習はインプットは30%、アウトプットは70%が科学的には効率が良い、みたいな話を聞いたことがあるんだけど真相は一旦どうでもいい。とりあえず、授業を聞いたり本を読んで理解するのがインプットで、実際に演習問題を解くのがアウトプットだと思う。
とにかく注意したいのは人類はインプットで満足しがちなこと。十分なアウトプットがないまま、やった気になっていることが多い。塾講師の知り合いによると受験に失敗する原因の9割は圧倒的なアウトプット不足らしい。
ということで、音楽理論の場合は勉強した内容を実際の曲(自分が練習している曲や作っている曲)で分析することが大切になる。というか分析をしないと音楽理論を勉強する意味がない。道具は使わないと覚えられない。
分析は自分が知ってる知識の範囲で問題ない。
- 「この曲のキーはA Majorだ」
- 「この小節のコード進行は II – V だ」
- 「3拍子目で転調する」
- 「このコードはサブドミナントマイナーだ」
- 「ピアノの左手が濁る(ローインターバルリミット)っぽい」
- 「ここは rit. だ」
特に正解があるわけでもないから、自分が気がついたことを楽譜にどんどん書けばいい。分からなかったら本をもう一度読んで見ればいい。10曲くらい分析していくと過去に見たことがあるコード進行や表現がたくさん出てくることに気がつく。
ゼロから曲が生まれているというよりは、その時代の人々が心地良いと思うフォーマットの上で、まるで音のパズルを繋ぎ合わせているように見えてくるはず。
とはいえ、教えてもらうのが一番早い
上記の方法はお金を掛けられない苦学生にはおすすめ。僕がそうだったから。
ただなんだかんだで99%は挫折すると思う。楽譜の読み書きは独学で何とかなったとしても、コード進行あたりからはピアノを弾くのがほぼ必須なので一気にハードルがあがってしまうからだ。現実は残酷。
ということでお金に余裕があればプロに直接教えてもらうのがベストではある。無駄な挫折を回避できるから近道できる。無難な結論。
ちなみに音楽完全未経験の場合はオンラインレッスンはおすすめしない。コロナ禍で需要があったから完全未経験に教える機会があったけどさすがに無理ゲーだった。音の感覚は生で体感しないと血肉にならない。一応、最低半年くらい弾いているならオンラインでもいけそうって感じてはいる。
レッスン先のおすすめは全国展開していて無料体験レッスンもあるシアーミュージック。どこにでもあるから通いやすい。ゆえに挫折率が減る。だけどやることはどこも同じだから正直どこでもOK。ただし、初心者は直接対面で教えてもらうことはマストだからそれだけ注意してほしい。
余談:音楽理論 = コード、ではない
少し難しい話なのでスルーでOK。歴史的にヨーロッパ音楽の影響が大きすぎて「音楽理論 = 西洋音楽理論」だと多くの人は勘違いしがち、という話。
一般的に「音楽理論」という言葉は「西洋音楽の文脈で発展した概念や規則」を指すことが多い。この記事を読んでいる人も西洋音楽の理論を学びたい方が大半だと思う。というのも現代の楽譜システムやコード理論は西洋音楽の伝統から発展したものだからだ。
しかし音楽理論の範囲はそれだけに留まらない。世界には多様な音楽文化があり、それぞれが独自の理論体系を持っていたり、全く別の角度から考えるジャンルもあるからだ。
たとえば、日本の宮廷音楽である雅楽(ががく)は日本独自の音階や演奏技法を持つ音楽理論の一形態だ。
他にも君が代も壱越調という日本音階のメロディで作られていたり、そもそも日本の古典音楽はスケールの概念がドレミから外れているのが普通だったりする。
というか音楽理論は世界が広くて、雑に言うと、
- 西洋音楽理論
- 非西洋音楽の理論(世界各地の伝統音楽や民族音楽の理論)
- 科学的アプローチによる音楽理論(歴史的研究・理論的研究、自然科学的研究、音響学、音楽心理学など)
という感じに分類できる。一言に「音楽理論」と言ってもいろいろあるわけ。
もっと詳しく知りたい人はWikipediaの音楽学へどうぞ。沼。
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