【ピアノ音源】Ivory II Studio Grandsの具体的な使い方【初心者にもオススメ】後編

前回の記事の続きで、定番ピアノ音源「Ivory II Studio Grands」をレビュー。

僕自身の備忘録も兼ねて、具体的な使い方がまとめておきたい。

Synthogy
¥24,999 (2022/09/13 10:44時点 | Amazon調べ)
Keigo

Keigoです
インスタツイッターYouTubeもやっています
お問い合わせはこちら

スポンサーリンク
目次

ピアノ音を読み込もう

これがIvory IIを立ち上げた最初の画面。上部「Program」が選択されていることに注目してほしい。

これから戦闘機でも飛ばすのかというほどパラメータがあるが、まずこの画面からピアノのプリセットを選択することになる。

このままでは音は出ないので、右上の「Program Preset」からピアノのプリセットを選択する。

すると、ピアノのプリセットがずらっと出てくる。好きなプリセットを選んで右下の「OK」をクリック。ダブルクリックでも可。

各モデルの一番上が標準プリセット。基本的には標準プリセットを基準にして、その他好きなプリセットを選べば良い。が、僕は標準プリセットしか使っていない。

今回は標準プリセット「Model B Grand Piano」を読み込んでみる。

・Bösendorfer 225の標準プリセット…Bosendorfer 225 Grand Piano」
・Steinway Model Bの標準プリセット…Model B Grand Piano

ちなみに音源はSSDにインストールしているのでプリセットの読み込みは3~5秒程度。WesternDigital(SanDiskを買収)の定番SSDはコスパが良いのでオススメ。

SanDisk
¥15,964 (2022/09/29 15:57時点 | Amazon調べ)

パラメータの役割と使い方

以下、各種パラメータの役割と使い方を解説していく。

Programタブ

基本的な音質を決めるパラメータは以下の7つ。

左から順に説明したい。

  1. Shimmer:揺らぎ。右に回すほど、音が揺らぐ
  2. Relese:減衰。右に回すほど、減衰時間が長くなる
  3. Key Noise:鍵盤ノイズ。右に回すほどノイズが増える
  4. Timbre:音色。音の質感が変わる
  5. Dynamic Range:音量幅。右に回すほど小さい音と大きい音の音量幅が狭くなる
  6. Trim:音量調整。SessionタブにもGainパラメータがある
  7. Stereo Width:ステレオ幅。左右への広がりを調整できる。左に振り切るとモノラル

先程のプリセット一覧は、Ivory IIの製作者がこのパラメータを調整してプリセットとして登録していたわけ。

パラメータは基本的にプリセットから選ぶと良い。僕もプリセットはあまり弄らない。下手に回すと不自然になる。

次に、アコースティックピアノ特有の弦の共鳴やペダルノイズなど設定する。

左上から番号順に説明したい。アコースティックピアノだと必ず鳴る音。

  1. Sustain Resonance:弦が共鳴した減衰音。右に回すと増える
  2. Sympathetic Resonance:弦同士の相互共鳴。右に回すと増える
  3. Pedal Noise:ペダルノイズ。右に回すと増える
  4. Release Samples:鍵盤を離した後の僅かな音。倍音
  5. Soft Pedal Samples:ソフトペダル

これもプリセットのままが良いと思う。

とりわけ音の変化が分かりやすいのは「① Sustain Resonance」と「② Pedal Noise」「④ Release Samples」。一気にリアルさが増す。音にもならないくらいの良い意味で微妙な音がリアルさを出してるんだと思う。

ただし、リアルタイム入力ですべてのパラメータをオンにするとレイテンシ(遅延)とプツプツ音が発生する。特に「④ Release Samples」が重い。

なので、リアルタイム入力するときはすべてのパラメータをオフにした方がいい。僕はMIDIを打ち込むときはすべてオフ、音作りの段階ですべてオンにしてる。

最終的な書き出しで必要なパラメータをオン、リアルタイム入力ではすべてオフにするのがおすすめ。

Keigo

僕のPC環境はRyzen 5の6コア、メモリ32GB、SSD2TB、MOTU M4
バッファの設定を変更しても変わらなかったから単純にIvory IIが重い

次に、「Stereo Perspective」は、ピアノの音が演奏者と客席のどちら側から聴こえるかを選択する。

弾くときは「Performer」、書き出すときは「Audience」など音が聴こえてくる方向を変えることができる。ピアノ演奏者とそれを聴いているお客さんは座っている場所が違うので当然音の聴こえ方も異なる、というわけだ。

必ずそう合わせる必要はないが、変更すると音の印象がかなり変わるから覚えておくといい。

とはいえ、僕はいつも「Performer」にしている。「Audience」の位相、変じゃない?

次に、「Synth Layer」はシンセパッドを付加できる。

パッドはメイン楽器の後ろ側で小さく鳴っている空気感のある音色。独特の世界観・雰囲気を作り出せる。適当に弾いてもなんか上手く聴こえる。

次に「Lid Position」は、グランドピアノの蓋のポジションを変えられる。

これは蓋の角度を変える項目でデフォルトでは「Full Stick」。グランドピアノの蓋が一番開いた状態。

基本的にデフォルトでOK。これイコライザーで処理しているだけじゃない?

補足:グランドピアノの蓋の役割

グランドピアノには突上棒(つきあげぼう)という蓋を支える棒がある。

短い突上棒が長い突上棒に仕舞えるギミックになってることが多い。箱型のアップライトピアノには突上棒はない。

グランドピアノの蓋はその角度によって音質と音量が調整できる構造になっている。

蓋を開けるほど弦や響板の音が反射して客席の方へより大きく聴こえるため基本的には長い突上棒を使う。長さは75cmくらい。

短い突上棒はピアノ伴奏で使われたりする。伴奏の場合は他にメインの楽器やボーカルがいるピアノは邪魔しないように音を少し小さく(柔らかく)する効果がある。

普段の練習では長い突上棒を使うことが多い。短い突上棒はギミックから取り出す必要があり、ひと手間かかってしまう。

蓋なしは主にライブや撮影などで使われる。蓋があると後ろの人が見えないからだ。

あと、グランドピアノの蓋はけっこう重い。

補足終わり。

Effectsタブ

Effectsタブは、イコライザとコーラス、リバーブの3つを設定できる。

イコライザは、3バンド仕様で左側から「低音域」「中音域」「高音域」の周波数をブーストまたはカットができる。

コーラスは、音に厚みを持たすことができる

リバーブは、部屋の残響を付加することができる。

どの項目も別のプラグインで再現できるが、イコライザとリバーブはけっこう使える印象。コーラスは使ったことがない。

これも最初は難しいので一番上の「Effects Preset」から選ぶといい。

Sessionタブ

Sessionタブは、Ivory IIの基本ステータスをカスタムチューニングしていく感じ。

「Memory Use」ではRAMメモリの使用量を決められる。「Small」「Midium」「Large」と3つあるが、RAMメモリに余裕があればLargeにしておきたい。僕はメモリ32GBなので「Large」。

メモリはCrucialのMicron製メモリがコスパ良くてオススメ。

最後に「A4 Pitch」で楽器のピッチ(周波数)を決められる。デフォルトではA4=440Hz(ラの音)。基本的にはこのままでOK。

補足:国際標準ピッチについて

国際標準ピッチ(調律の基準となるラの音)はA4=440Hz。しかし、最近のクラシック音楽やポップスだと441Hzや442~448Hzなど、華やかさを求めてわりとインフレ傾向にある。442Hzが今のトレンドらしい。

最近聞いて驚いたのは、アニメ「ソードアート・オンラインII」のサントラ曲『A New World Of Fairies』。これのA4ピッチは448Hzあたりだと思う。この曲はF Majorキー「ファーソーラ~」で始まるがA4=440Hzだとすると「ファ#ーソ#ーラ#~」と判断するには音が低すぎる。

そんな感じでピッチを変えると独特な雰囲気になってエモい。僕もアップライトは長らくA4=442Hzに調律してる。

とはいえ、実際の楽器でピッチを高くしすぎると楽器に負荷が掛かるため、ほどほどに。

番外編:デモ音源を分析する

ここはちょっと個人的なメモ。

ところで、Synthogyのデモ音源が上手すぎる。

これは本当にIvory IIだけで作ったの?って思えるくらいプログラムが上手い。聴いた感じ、ベロシティとイコライザ、リバーブの使い方が重要そう。

ここではデモ音源4曲の波形とPeak、RMSやらLUFSを計測してみる。今の僕にできるのはそれくらい。

公式デモ音源①

ピアノはSteinway Model B

Peakは-0.8。RMSは-35から-15、平均で-20前後。LUFS(どの値のLUFSか忘れた)は小さいところで-28前後、最大で-12。

Cubaseの場合、左上のオーディオ(Audio) → 統計(Statistics)でオーディオファイルの各種数値が出せる。

公式デモ音源②

ピアノはSteinway Model B

Peakは-0.7。RMSは-35から-15、平均で-17前後。LUFSは小さいところで-30前後、最大で-11。

公式デモ音源③

ピアノはBoesendorfer 225

Peakは-0.6。RMSは-30から-16、平均で-20前後。LUFSは小さいところで-30前後、最大で-13。

公式デモ音源④

ピアノはBoesendorfer 225

Peakは-1.0、RMSは-30から-16、平均で-20前後。LUFSは小さいところで-26前後、最大で-12。

公式デモ音源まとめ

デモ4曲の数値をまとめてみる。

スクロールできます
デモ音源の使用ピアノPeakRMS最小値RMS最大値RMS平均値LUFS最小値LUFS最大
① Steinway Model B-0.8 dB-35 dB-15 dB-20 dB-28 LUFS-12 LUFS
② Steinway Model B-0.7 dB-35 dB-15 dB-17 dB-30 LUFS-11 LUFS
③ Boesendorfer 225-0.6 dB-30 dB-16 dB-20 dB-30 LUFS-13 LUFS
④ Boesendorfer 225-1.0 dB-30 dB-16 dB-20 dB-26 LUFS-12 LUFS

デモ4曲は全体的に音が小さめだ。

ピアノソロをYouTubeにアップロードするなら、最近のYouTubeのラウドネス事情も考えるとTrue Peakは-1.0dB、Short Termで-9.0 LUFSあたりの音圧で作ると良さそうだ。

YouTubeは動画ファイル全体の平均で-14.0 LUFS(仕様は順次変わる)だが、ピアノは音量のダイナミクスが激しいので平均ラウドネスは意味をなさない。そのため、Short TermやMomentaryのLUFSで判断すると良いと思った。

Ivory IIだけで高クオリティの音色にする方法

このブログやYouTubeでIvory IIを紹介して以来、「音作りが難しいのでIvory II Studio Grandsだけを使ってクオリティの高い音色にする画面設定を教えて欲しい」というメッセージを多数もらった。複数のプラグインを使った音作りに苦戦する人が多いらしい。

Ivory II Studio Grandsだけで音作りするとこんな感じ。曲はDebussy『Arabesque No.1』。使ったピアノはSteinway Model B。他のプラグインはゼロ。

上記で紹介したパラメータを上手く組み合わせると良い音になるが設定内容は有料になる。

ファイルの中身は上と同じwavファイルとそのMIDI、Ivory IIの設定画面の画像が入っている。説明どおりに設定すれば特に難しいこともなく3分で同じ音が作れる。

ファイル名Ivory II Studio Grandsだけで高クオリティの音色にするための設定方法
販売価格¥980(税込)
決済方法クレジットカード ( VISA / Master / AMEX / JCB )
※ 銀行振り込みでの購入は対応できません。
形式rarファイル
※ ご購入直後にダウンロードできます。

クレジットカードでのご購入はこちら

※ 購入ボタンをクリックすると、Stripeの決済ページへ移動します。

【YouTube】Ivory IIの効果的な使い方

ピアノの音作りについて紹介

メンバー限定動画

これはメンバーシップ向けの限定動画なだが、リクエストがあったのでアップした。

Ivory IIを3年くらい使ってわりと使いこなせるようになったので実践を中心に具体的に解説してみた。

ピアノの音作りの手順

ピアノソロの音をカッコよくする方法

メンバーシップ登録:YouTube@Keigo

まとめ:自分でいろいろ試してみよう

操作画面やパラメータは実際に使っていかないと身に付かないので適当に弄って遊んでみるといい。

Ivory IIは音の完成度が高くソフトも安定してるのでピアノが弾ける人はもちろん、ピアノ初心者の人にもオススメだ。

Synthogy
¥24,999 (2022/09/13 10:44時点 | Amazon調べ)
Keigo

Keigoです
インスタツイッターYouTubeもやっています
お問い合わせはこちら

この続きはcodocで購読

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次