【ピアノ音源】Ivory II Studio Grands 使い方と音作り【初心者にもオススメ】後編

2018年11月28日

どうも、Keigoです!

今回は「Ivory II Studio Grands」の使い方と音作りについて解説していきます。

前回の記事「【ピアノ音源】Ivory II Studio Grands 徹底レビュー 前編【初心者にもオススメ】」の続きです。

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「Ivory II Studio Grands」読み込み方法

▼ 「Ivory II」を立ち上げた最初の状態です。

デフォルトの状態では「Program」画面が選択されています。

この画面から使用するピアノを選択し、細かな音質を調整していきます。

「Program」画面の設定

▼ 右上の「Program Preset」からピアノを選択します。

▼ピアノプリセットがずらっと出てきます。

好きなプリセットを選んで右下の「OK」をクリックします(ダブルクリックでも可)。

各モデルの一番上が標準のプリセットなので、まずはそちらを選ぶと良いと思います。

「Bösendorfer 225」であれば「Bosendorfer 225 Grand Piano」、「Steinway Model B」であれば「Model B Grand Piano」が標準プリセットです。

ここでは「Model B Grand Piano」を読み込んでみます。

WesternDigitalのSSDを使っているのですが、読み込みに3~5秒くらいかかります。少しラグがある感じです。

「Ivory II Studio Grands」の音作り

基本的な音質を決める、7つのパラメータは下記のとおり。

つまみを右や左に回すことで様々な音質を変えられます。先程のプリセット一覧はこれらのパラメータがそれぞれ異なるものです。

左のパラメータから順に説明します。

  • Shimmer:揺らぎ。右に回すほど、音が揺らぐ
  • Relese:減衰。右に回すほど、減衰時間が長くなる
  • Key Noise:鍵盤ノイズ。右に回すほど、鍵盤を弾いたときのノイズが増える
  • Timbre:音色。音の質感が変わる
  • Dynamic Range:音量幅。右に回すほど小さい音と大きい音の音量幅が狭くなる
  • Trim:音量調整。「Session」タブにGainパラメータがあるが、こちらでも音量を変えられる
  • Stereo Width:ステレオ幅。左右への広がりを調整できる。左に振り切るとモノラルになります

パラメータの設定は基本的にプリセットから選ぶと良いです。あまり派手に回すと不自然になるので。

▼ アコースティックピアノ特有の「微妙な音」を付加できます。

  • Sustain Resonance:弦が共鳴した減衰音
  • Sympathetic Resonance:弦同士の相互共鳴
  • Pedal Noise:ペダルノイズ
  • Release Samples:鍵盤を離した後の僅かな音。倍音
  • Soft Pedal Samples:ソフトペダル

これらはいわゆる残響や共鳴のパラメータですが、リアルなアコースティックピアノでは必ず鳴っている小さな音です。

特に、左側の2つ「Sustain Resonance」「Sympathetic Resonance」をオンにすると一気にリアルさが増します。音にもならないようなこれらの「微妙な音」が「Ivory II」の音の個性を作っている要因の一つだと思います。

ただし、リアルタイム入力ですべてのパラメータをオンにするとレイテンシ(遅延)とプツプツ音が発生します。もちろん、すべてのパラメータをオフにすれば快適にリアルタイム入力できるます。

僕のPC環境はRyzen 5 6コア、メモリ32GB、M.2 SSDですが、バッファの設定を変更しても変わらなかったので、単純に「Ivory II」が重いのだと思います。

最終的な書き出しでは必要なパラメータをオン、リアルタイム入力ではすべてオフにするのがおすすめです。

▼ 「Stereo Perspective」は、ピアノがどちら側から聴こえるかを選択します。

弾くときは「Performer」、書き出すときは「Audience」などと、音が聴こえてくる方向を変えることができます。ピアノ演奏者とそれを聴いているお客さんでは座っている場所が違うので当然、音の聴こえ方も異なります。

意外と重要な設定項目です。設定の文字に色がついていなくて目立たないのでわりと見落としがち。

必ずそれに合わせなければならないわけでもありませんが、ふとしたときに変更すると音の印象がかなり変わるので覚えておくといいです。

▼ 「Lid Position」は、グランドピアノの蓋のポジションを変えられます。

こちらは蓋の角度を変える項目です。デフォルトでは「Full Stick(一番開いた状態)」。

基本的にデフォルトで問題ありませんが、5つとも試してみるといいと思います。5つしかないので。

▼ グランドピアノには突上棒(つきあげぼう)という蓋を支える棒があります。

短い突上棒が長い突上棒に仕舞えるギミックになっています。

ちなみに、箱型のアップライトピアノには突上棒がありません。

▼ 蓋の角度で、音質と音量の調整ができます。

蓋を開けるほど弦や響板の音が反射して客席の方へより大きく聴こえるので、基本的には長い方の突上棒を使います。長さは75cmくらいです。

短い方の突上棒は、伴奏で使われたりします。長い方に比べるとひと手間かかるので、普段の練習などではあまり使いません。

蓋なしは主にライブや撮影などで使われます。蓋が邪魔で後ろの人が見えない、というのを解消します。

あと、グランドピアノの蓋はけっこう重いです。

▼ シンセパッドを付加できます。

「パッド」は、メイン楽器の後ろ側で小さく鳴っている、空気感のある音です。

これをオンにすることで、独特の世界観・雰囲気を作り出せます。

あら不思議。適当に弾いても上手く聴こえる。

「Effects」画面の設定

次は「Effects」画面です。主に空気感を作っていきます。

▼ 大きく3つの項目があります。

イコライザは、3バンド仕様で左側から「低音域」「中音域」「高音域」の周波数をブーストまたはカットができます。

コーラスは、音に厚みを持たすことができ、リバーブは部屋の反響音を付加することができます。

どの項目も別のプラグインで再現できますが、「イコライザ」と「リバーブ」はけっこう使える印象です。

もし、スタンドアローン(DAWを通さずに)で使う場合は必要な項目だけオンにすると良いと思います。プリセットがすごい優秀。

「Session」画面の設定

この画面では、ご自身のPCのスペックに合わせて設定していきます。

「Memory Use」ではRAMメモリの使用量を決められます。「Small」「Midium」「Large」と3つあります。RAMメモリに余裕があれば「Large」にしておきたいところ。

「A4 Pitch」では楽器のピッチ(周波数)を決められます。デフォルトではA4=440Hz(ラの音)。基本的にはこのままでOK。

少し余談:国際標準ピッチについて

国際標準ピッチ(調律の基準となるラの音)はA4=440Hzですが、昨今のクラシック音楽やポップスでは441Hzや442~448Hzなど華やかさを求め、わりとインフレ傾向にあります。

例えば、アニメ「ソードアート・オンラインII」のサントラ『A New World Of Fairies』。A4ピッチは448Hzあたりかと思います。

この曲はF Majorキー「ファーソーラ~」で始まります。A4=440Hzだとすると「ファ#ーソ#ーラ#~」と判断するには音(周波数)が低すぎます。ピッチを変えることで独特な雰囲気になります。

実際の楽器でピッチを高くしすぎると楽器に負荷がかかるのでほどほどに。

余談:デモ音源の音作りを分析

ここはちょっと個人的なメモ。

ところで、Synthogyによる「Studio Grands」のデモ音源が上手すぎる。

これは本当に『Ivory II』だけで作られているのだろうか? んーまあ、デモ音源と言われるくらいだから多分そうだろう……。

聴いた感じではとりわけ「ベロシティ」「イコライザ」「リバーブ」の使い方がかなり重要そう。波形を整える程度の「コンプレッサ」も必要かもだけど、これは後回しでも良さそう。

プリセットを読み込んだデフォルトの状態だと中低音域が少し出ているのでイコライザで削る必要がありそう。

ここでは、デモ音源4曲の波形とRMSやピーク、ラウドネスを計測してみます。メーターはCubaseデフォルトのもの、ラウドネスはトラック全体の平均値です。

Cubaseの場合、左上のオーディオ(Audio) → 統計(Statistics)でオーディオファイルの各種数値が出せます。

▼デモ音源1曲目『Octet from Light in the Piazza』。Steinway Model B。

ピークは-0.8。RMSは-35から-15、平均で-20前後。LUFSは小さいところで-28前後、最大で-12。

▼デモ音源2曲目『Excursion』。Steinway Model B。

ピークは-0.7。RMSは-35から-15、平均で-17前後。LUFSは小さいところで-30前後、最大で-11。

▼デモ音源3曲目『Piano d’amore』。Boesendorfer 225。

ピークは-0.6。RMSは-30から-16、平均で-20前後。LUFSは小さいところで-30前後、最大で-13。

▼デモ音源4曲目『Tempest』。Boesendorfer 225。

ピークは-1.0、RMSは-30から-16、平均で-20前後。LUFSは小さいところで-26前後、最大で-12。

デモ4曲の数値を分析してみると以下のようになりました。

  • RMS:-30 ~ -15
  • LUFS:小さいところで-30前後、最大でも-12

ピークに関しては、シーリングが「-0.5」程度。ただ個人的には、mp3で書き出す場合などでトゥルーピークが高まることがあるので音割れしないようにリミッターで-1.0にしておきたい。

YouTubeなどでは平均ラウドネスが-13LUFSを推奨しているので、実際ではもう少し音圧を上げたほうが良さそう。

音作りを動画で紹介しました

おわりに

今回は「Studio Grands」についての音作り・セッティングについて紹介しました。

ピアノが弾ける人はもちろん、ピアノ初心者の方にもおすすめできる音源です。

これ以上ないほどリアルなピアノ音源なので、ぜひ検討してみてください。

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Keigo

Keigoです。オンラインでピアノの個人レッスンもやっています!