電子ピアノを弾き続けて10年が経過した。今では目をつぶって弾き比べれば違いがはっきりわかるレベルだ。所詮中身は工業製品の塊なので音の違いはもちろん、鍵盤の素材、機構、タッチ感だって違うんだ。
そんな中から素人が選ぶという点では今のZ世代大学新入生のノートパソコン選びくらい残酷。見た目が同じすぎて何が違うのか分かったもんじゃない。
ということで今回は初心者におすすめの電子ピアノ22種類を5歳からピアノを弾いている僕が独断と偏見で紹介する。
予算3〜5万円台(ポータブル型)
KORG B2:一番安い電子ピアノならこれ
そこそこ良い性能で一番安い電子ピアノなら「Korg B2」一択。3万円台で買える激安価格。逆にこれより低い価格の電子ピアノは性能の面で不安。
しばしば「1~2万円くらいで買える電子ピアノってどうですか?」という質問が来るが僕なら買わないしオススメもしない。性能も耐久性も分からないからだ。そもそも、そのような激安電子ピアノは楽器屋さんに置いておらず試奏もできないからNG。試奏は超大事。
一応、KORG B2の下位モデルに「KORG B2N(商品名が紛らわしい💦)」という電子ピアノがある。B2Nは、B2に比べて鍵盤のグレードが一つ落ちる。おもちゃっぽくて弾きにくいので個人的にNG。B2との価格差は数千円なのでB2NではなくB2にしたほうがいい。
KORG B2のスペックはこちら
基本性能 | KORG B2 |
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鍵盤 | NH(ナチュラル・ウェイテッド・ハンマー・アクション)鍵盤 |
ピアノ音源 | ステレオPCM音源 |
最大同時発音数 | 120 |
音色数 | 12 |
接続 | Phones(3.5mm)・USB(type B)・AUDIO IN(3.5mm)、PEDAL |
スピーカー | 15W x 2 |
消費電力 | 8W |
質量 | 11.4kg |
YAHAMA P-125a:コスパ最強
個人的に最もオススメしている電子ピアノ「YAMAHA P-125a」。理由を一言で言えば、コスパ最強だから。
価格のわりにそこそこタッチが良いGHS鍵盤を搭載。USB端子があるのでMIDIキーボードとしても十分使える。また、LINE(AUX) OUTもあるから電子ピアノの音を綺麗に録音できる。
- とりあえずピアノを初めてみたい
- 安くて良いやつが欲しい
- 続くかどうかは分からない
- バイトで買える価格が良い
このあたりが希望ならP-125aは最適だと思う。もちろん大人もOK。
P-125の後継機「P-125a」が2022年11月に発売された。
結論から言うと、どちらも仕様はほぼ変わらない。
どちらかといえば、P-125aのほうが機能が減っている。ただしアプリなどが使えないくらいだ。一般の人が使う分にはP-125もP-125aも同じなので、安いほうを買えばいいと思う。在庫の問題。
YAMAHA P-125aのスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA P-125a |
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鍵盤 | GHS(グレードハンマースタンダード)鍵盤 |
ピアノ音源 | RGE スタンダードⅢ音源 |
最大同時発音数 | 192 |
音色数 | 24 |
接続 | Phone(標準ステレオ)x 2・USB(type B)・AUX OUT、PEDAL |
スピーカー | 7W x 2 |
消費電力 | 9W |
質量 | 11.8kg |
追記(2024年10月)
新型のP-225が発売された。
スペックが強化されていて特に文句のない仕上がりになっている。素晴らしい。今からかうならこっち。
ついでにペダルも買ったほうがいい
YAMAHA P-125の付属のペダル「FC5」が軽すぎて演奏中に銀河の彼方へ飛んでいくので別途「FC3A」というペダルを揃えるのがオススメ。
YAMAHA純正で作りが良く耐久性も高い。微妙なペダルの踏み具合も検知する「ハーフペダル」に対応しているのが良い。
KORG D1:安くタッチを追求する人向け
5万円クラスなら最も鍵盤のタッチが優秀(とはいえ、驚くほどではないけど)。
ただし内蔵スピーカーがないため、音を聞くためには別途スピーカーを用意するか、パソコンに接続してMIDIキーボードとして使うかのどちらかになる。スペックは良いけど初心者には少し扱いづらいかもしれない。ただ、MIDIキーボードとして使うならコスパはかなり良い。
またLINE OUTとMIDI IN/OUTはあるけど、USB端子がない。気軽にパソコンと接続できないのが渋い。
とはいえ、コンパクトだから狭い場所に設置できて持ち運びがしやすい機動力がある電子ピアノではある。シンプルなデザインが良い。
KORG D1のスペックはこちら
基本性能 | KORG D1 |
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鍵盤 | RH3(リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3)鍵盤 |
ピアノ音源 | ステレオPCM音源 |
最大同時発音数 | 120 |
音色数 | 30 |
接続 | LINE OUT・MIDI IN / OUT・ヘッドホン |
スピーカー | なし |
消費電力 | 1.5W |
質量 | 16kg |
選外①:CASIO PX-S1100について
世界最小らしいのでコンパクトさを求めるなら一番良い選択かもしれない。奥行きがとても短く、何より赤色はかなり映える(黒と白もある)。
宣伝が上手いためか、けっこう売れてる印象。某ウイルスの影響でP-125の在庫がなかった時もわりと売れたんじゃないかと思う。
ただ、鍵盤のタッチを求める僕からすると、触った瞬間に直感で軽いと思ったので選外に。上位モデルのCASIO PX-S3100も同じ鍵盤なので同様の理由でNG。
一応断っておくと、鍵盤に関しては個人の好みの差が大きく出るので、良し悪しの問題ではないことを覚えておいてほしい。悪しからず。
CASIO PX-S1100のスペックはこちら
基本性能 | CASIO PX-S1100 |
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鍵盤 | スマートスケーリングハンマーアクション鍵盤 |
ピアノ音源 | マルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR |
最大同時発音数 | 192 |
音色数 | 18 |
接続 | Phones(ステレオ標準) x 2・LINE OUT・USB type A、B・ヘッドホン |
スピーカー | 8W x 2 |
消費電力 | 10W |
質量 | 11.2kg |
追記(2023年2月):CASIO PX-S7000について
CASIO PX-S7000の特徴は下記のとおり。
- スタンド・ペダル一体型
- 木製鍵盤
- 新品25万円~
- 発売:2022年9月29日
予算10万円以内(ポータブル型)
Roland FP-30X:定番かつ名機
前機種のFP-30は完成度の高く、名機と言われだ機種。FP-30Xはマイナーチェンジなので、まず間違いない性能を持ってる。とてもスリムかつシンプルなデザイン。価格も性能に対してそこそこ安い。
鍵盤は「PHA-4スタンダード鍵盤」で「エスケープメント」が付いているため優秀。ただP-125よりスペックは上回るはずだけれど、タッチの差は五十歩百歩という印象。とはいえ、普通に弾きやすく音も良い。ここは好みの問題。
ボリューム調整はボタン式。個人的にはP-125のようなスライダー式の方が素早く・直感的に操作できて好き。
Roland FP-30Xのスペックはこちら
基本性能 | Roland FP-30X |
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鍵盤 | PHA-4スタンダード鍵盤(エスケープメント付き・象牙調) |
ピアノ音源 | ステレオPCM音源 |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 56 |
接続 | Phones x 2・LINE OUT・MIDI(type A / B) |
スピーカー | 11W x 2 |
消費電力 | 16W |
質量 | 14.8kg |
KAWAI ES110:鍵盤の作りはけっこう良い
鍵盤のタッチがけっこう優秀。デザインもシンプル。
もともと2017年から海外市場で先行して販売していて、海外での好評と国内からの多くの要望を受けて日本でも発売した、という経緯があるらしい。
USB端子は非搭載だけど、MIDI(IN/OUT)とLINE OUTは搭載している。
すごく良いと思うんだけど、あまり楽器屋さんに置いてない何かとレアな電子ピアノ。
KAWAI ES110のスペックはこちら
基本性能 | KAWAI ES110 |
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鍵盤 | レスポンシブ・ハンマー・アクション・スタンダード |
ピアノ音源 | HI 88鍵サンプリングピアノ音源 |
最大同時発音数 | 192 |
音色数 | 19 |
接続 | Phones x 2・LINE OUT・MIDI(type A / B) |
スピーカー | 7W x 2 |
消費電力 | 9W |
質量 | 18kg |
選外②:StudioLogic Numa Compact 2
FATAR(ファタール)というイタリアのメーカーのブランドが「Studio Logic」。デジタルピアノ、オルガン、シンセサイザー、MIDIキーボードなどの鍵盤製品を作っている。
また質量7.1kgと激軽のためタッチはかなり軽い。持ち運ぶ人には向いているのかも。逆に、タッチを求めるタイプの電子ピアノではない。
たださすがイタリアというか……デザインはかっこいい。こういうのは日本にはない良さだね。
StudioLogic Numa Compact 2Xのスペックはこちら
基本性能 | StudioLogic Numa Compact 2X |
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鍵盤 | TP/9 Piano semi weighted Dual Switch Detection System(アフタータッチ) |
ピアノ音源 | TrS「トゥルー・サウンド・テクノロジー」 |
最大同時発音数 | 128 |
音色数 | 100 |
接続 | Phones・LINE OUT x 2・MIDI IN / OUT・USB type B |
スピーカー | 10W x 2 |
質量 | 7.1kg |
予算20万円以内(ポータブル型)
YAMAHA P-515:めっちゃバランスが良い
個人的に今現在(2021年)、最強だと思っている電子ピアノ。YAMAHA Pシリーズのフラッグシップ。
- 性能の良い木製鍵盤(黒鍵は樹脂)
- CFXとImperial(どちらも2000万円以上するグランドピアノ)のサンプリング音源
- 10万円台前半
- ツマミ類がコンパクト
特に何も言うことがないくらい完成されている。この価格帯ならP-515一択。
電子ピアノをMIDIキーボードとしても使う人の一部は、鍵盤の奥側にパソコンのキーボードを乗せる。そのため、ツマミ類のでっぱりがないほうがいい。P-515のボタンとスライダーは高さもなくシンプルなのでGood。
個人的には、もし今使っている電子ピアノ(P-105)が壊れたらこのP-515を買う。でも、某ウイルスと半導体不足の影響で今は少し品薄っぽい。残念。
YAMAHA P-515のスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA P-515 |
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鍵盤 | NWX(ナチュラルウッドエックス)鍵盤 |
ピアノ音源 | ヤマハ CFXサンプリング / ベーゼンドルファー インペリアルサンプリング |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 40+18ドラム/SFXキット+480XGボイス |
接続 | Phones(標準ステレオ) x 2・AUX IN / OUT・MIDI |
スピーカー | 7W x 2 |
消費電力 | 9W |
質量 | 22kg |
Roland FP-90X:最新の全部入りフラッグシップ
2021年2月に新型になったRolandのFP-Xシリーズの最上位機種。FP-90Xは唯一の木製鍵盤。ちなみに、FP-10 / 30X / 60X は樹脂鍵盤。
- 木製鍵盤(PHA-50鍵盤)
- 新型のピアノ音源(ピュアアコースティック・ピアノ音源)
- 20万円
かなり音源にこだわった電子ピアノで内蔵音色も多く、音色のカスタマイズやBluetoothの連携もできる。ようは何でも入りモデル。
普通の電子ピアノとして使うには少しオーバースペック。鍵盤と音源は個人によるかな。個人的な使い方ではP-515でいいかな、という感じ。
Roland FP-90Xのスペックはこちら
基本性能 | Roland FP-90X |
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鍵盤 | PHA-50鍵盤(ハイブリッド構造・エスケープメント付・象牙調 / 黒檀調) |
ピアノ音源 | ピュアアコースティック・ピアノ音源 |
最大同時発音数 | ピアノは無制限・その他は256 |
音色数 | Pianoは20音色・E.Pianoは362 |
接続 | Phones(標準ステレオ)x 2・Output(ステレオ標準)・MIDI IN / OUT |
スピーカー | 25W × 2・5W × 2 |
消費電力 | 40W |
質量 | 23.6kg |
補足:KAWAI VPC1はすごく良いけど
KAWAI VPC1は正確には「MIDIコントローラー」だから電子ピアノの分類ではないけど、鍵盤のタッチの追求ということで紹介。
とにかく鍵盤の性能が良い。RM3グランドIIを搭載。今となっては少し古い機構だけど、それでも本格的な性能で10万円以下の電子ピアノとは段違い。
ということは、MIDIのリアルタイム入力に力を注いでいる人にはうってつけ。
ただし、スピーカーやヘッドフォン、LINE OUTなどはなく、USB端子とMIDI端子のみ。
楽器屋さんでは、まあ見ないなので……直接KAWAIに行かなきゃね。
KAWAI VPC1のスペックはこちら
基本性能 | KAWAI VPC1 |
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鍵盤 | シーソー式木製鍵盤 RM3グランドll |
接続 | MIDI IN / OUT・USB |
消費電力 | 3W |
質量 | 29.5kg |
予算10万円台(一体型)
以下、一体型の電子ピアノの紹介。
Roland RP501R:入門にオススメ
「一体型でとにかく安いのが良い!」という人向け。個人的に弾くに耐えうる最低限の性能がある。
搭載されている鍵盤・音源の性能がそこそこ良く、入門にもオススメ。
Roland RP501Rのスペックはこちら
基本性能 | Roland RP501R |
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鍵盤 | PHA-4(スタンダード鍵盤:エスケープメント付き、象牙調) |
ピアノ音源 | スーパーナチュラル・ピアノ音源 |
最大同時発音数 | 128 |
音色数 | ピアノは11・その他は305 |
接続 | Phones(ステレオミニとステレオ標準)・Input / output(ステレオミニ) |
スピーカー | 12W × 2 |
消費電力 | 22W |
質量 | 40.8kg |
予算15〜20万円台(一体型)
KAWAI CN39:大人気モデル
KAWAIでオススメできる最も安い電子ピアノCN39。
メーカーごと・機種ごとに、鍵盤や音源は好みの差が大きいのでぜひ試奏してみてください。
KAWAI CN39のスペックはこちら
基本性能 | KAWAI CN39 |
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鍵盤 | レスポンシブ・ハンマー・アクションⅢ |
ピアノ音源 | PHI 88鍵ステレオサンプリングピアノ音源 |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 355 |
接続 | Phones(ステレオ標準・ステレオミニ)・LINE IN / OUT・MIDI IN / OUT |
スピーカー | 20W × 2 |
消費電力 | 20W |
質量 | 54kg |
YAMAHA YDP-164:最強音源CFXサンプリング搭載
YAMAHAでオススメできる最も安い電子ピアノ。ARIUSUシリーズの最上位モデル。
新品2000万円するYAMAHAの最上位グランドピアノCFXを収録した音源「CFXサンプリング」を搭載。音色が素晴らしい。
YAMAHA YDP-164のスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA YDP-164 |
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鍵盤 | GH3(グレードハンマー3)鍵盤(象牙調・黒檀調仕上げ) |
ピアノ音源 | ヤマハ CFXサンプリング |
最大同時発音数 | 192 |
音色数 | 10 |
接続 | Phones(標準ステレオ)x 2・USB(type B) |
スピーカー | 20W × 2 |
消費電力 | 13W |
質量 | 42kg |
予算20万円台(一体型)
KAWAI CA49
KAWAIでオススメできる「木製鍵盤」を搭載した最も安い電子ピアノCA49。KAWAIは鍵盤の作りが良いと思う。
LINE OUT(AUX)が欲しければ上位モデルのCA59へ。
KAWAI CA49のスペックはこちら
基本性能 | KAWAI CA49 |
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鍵盤 | シーソー式木製鍵盤 グランド・フィール・スタンダード・アクション |
ピアノ音源 | PHI 88鍵ステレオサンプリングピアノ音源 |
最大同時発音数 | 192 |
音色数 | 10 |
接続 | Phones(ステレオ標準とステレオミニ)・MIDI IN / OUT |
スピーカー | 20W × 2 |
消費電力 | 12W |
質量 | 58kg |
YAMAHA CLP-745
有名なClavinovaの中間グレード。木製鍵盤。
非常に性能のバランスが良く、この価格なら欠点も特に見当たらない。YAMAHA好きならオススメ。
YAMAHA CLP-745のスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA CLP-745 |
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鍵盤 | 木製鍵盤(グランドタッチS) |
ピアノ音源 | ヤマハ CFXサンプリング・ベーゼンドルファー インペリアルサンプリング |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 38 |
接続 | Phones(標準ステレオ)x 2・AUX OUT・MIDI IN / OUT・USB(type B) |
スピーカー | 50W × 2 |
消費電力 | 40W |
質量 | 60kg |
Roland HP704
Rolandが好きで木製鍵盤を求める人にオススメの電子ピアノ。
もうこの価格帯になってくると欠点はほぼない。最終的には個人の好みの差になる。
Rolandの鍵盤と音源は全体的にRoland特有の癖があると思う。これは良い悪いではなく、弾く人の好みの問題。
僕は小さい頃からYAMAHAのピアノを弾いてるからRolandの電子ピアノは少しだけ違和感がある。もちろん慣れの問題もあるけどね。
世間的にはRolandは大人気。
Roland HP704のスペックはこちら
基本性能 | Roland HP704 |
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鍵盤 | PHA-50鍵盤(ハイブリッド構造・エスケープメント付・象牙調 / 黒檀調) |
ピアノ音源 | スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源 |
最大同時発音数 | ピアノは無制限・その他は384 |
音色数 | 324 |
接続 | Phones(ステレオ標準・ステレオミニ)・Output(ステレオ標準)・USB type B |
スピーカー | 25W × 2・5W × 2 |
消費電力 | 13W (12W~30W) |
質量 | 59.5kg |
予算30万~40万円台(一体型)
KAWAI CA79
このあたりの価格帯はメーカーの本気クラス、時代の最先端モデル。
木製鍵盤でタッチはなかなか良い。鍵盤の質を求める人は一度弾いてみるといいかも。
KAWAI CA79のスペックはこちら
基本性能 | KAWAI CA79 |
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鍵盤 | シーソー式木製鍵盤(グランド・フィール・アクションⅢ) |
ピアノ音源 | SK-EXレンダリング音源 / HI-XL音源 |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 67 |
接続 | Phones(ステレオ標準・ステレオミニ)x 2・LINE IN / OUT・MIDI IN / OUT・USB type B |
スピーカー | 100W |
消費電力 | 55W |
質量 | 76kg |
Roland LX706
Rolandの最高峰の「ハイブリッド・グランド鍵盤」。音源も最高峰の「PureAcoustic ピアノ音源」を搭載。
Roland好きの行き着く先がLXシリーズ。
Roland LX706のスペックはこちら
基本性能 | Roland LX706 |
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鍵盤 | ハイブリッド・グランド鍵盤(木材×樹脂・エスケープメント付・象牙調 / 黒檀調) |
ピアノ音源 | PureAcoustic ピアノ音源 |
最大同時発音数 | ピアノは無制限・その他は362 |
音色数 | 324 |
接続 | Phones(ステレオ標準・ステレオミニ)・Output(ステレオ標準)・USB type B |
スピーカー | 25W×2・7W×2・5W×2 |
消費電力 | 17W(16W~55W) |
質量 | 98kg |
YAMAHA CLP-785
Clavinovaシリーズの最上位モデル。もう完成されているから何も言うことがない。
ただ最高だけど、もう中古のアップライトピアノが視野に入ってしまう値段。
YAMAHA CLP-785のスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA CLP-785 |
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鍵盤 | 木製鍵盤(グランドタッチ) |
ピアノ音源 | ヤマハ CFXサンプリング、 ベーゼンドルファー インペリアルサンプリング |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 53ボイス + 480XGボイス + 14ドラム/SFXキット |
接続 | Phones(ステレオ標準)x 2・Output(ステレオ標準)・MIDI IN / OUT・USB type B |
スピーカー | (50 W + 50 W +50 W) x 2 |
消費電力 | 60W |
質量 | 84kg |
番外編:予算60万~176万円(一体型)
ほぼグランドピアノの鍵盤と同じタッチの電子ピアノの紹介。ただし、値段は跳ね上がる。
一般的にハイブリッドピアノと呼ばれていて、グランドピアノと同じ鍵盤構造が入ってる。もし友達の家に置いてあったら金持ち確定。
YAMAHA N1X:究極の電子ピアノ
グランドピアノと同等の鍵盤性能を搭載しているのにアップライトピアノよりもコンパクトな電子ピアノ。新品70万円。
僕も今すぐ欲しい。
上位モデルに比べるとN1Xはスピーカーが少なく、ペダルがリアル機構ではない。
だけど個人的には、N1Xは鍵盤のタッチが最高峰なのでスピーカーの数や性能はどうでもよく(どうせイヤフォンを使うし)、ペダルも機能としては十分なのでこれで良い。というか、コンパクトなのでこれが良い。
YAMAHA N1Xのスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA N1X |
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鍵盤 | アバングランド専用グランドピアノアクション |
ピアノ音源 | スペーシャル・アコースティック・サンプリング (ヤマハCFXサンプリング、ベーゼンドルファー インペリアルサンプリング) |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 15 |
接続 | Phones(ステレオ標準)x 2・AUX OUT(ステレオ標準)・MIDI IN / OUT・USB type B |
スピーカー | 30W x 6 |
質量 | 117kg |
KAWAI NV10S:ペダルまでリアル
KAWAIのハイブリッドピアノ。ペダルまでリアル機構。新品99万。
YAMAHAの物とは好みの問題になると思う。
KAWAI NV10のスペックはこちら
基本性能 | KAWAI NV10 |
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鍵盤 | グランドピアノアクション |
ピアノ音源 | SK-EXレンダリング音源・HI-XL 88鍵ステレオサンプリングピアノ音源 |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 91 |
接続 | Phones(ステレオ標準・ステレオミニ)・LINE OUT・MIDI IN / OUT・USB |
スピーカー | 130W |
消費電力 | 60W |
質量 | 132kg |
YAMAHA N3X:もはや車が買える
現時点(2021年)でハイブリッドピアノの最高峰がYAMAHA N3X。新品176万円。
「もはや中古のグランドピアノを買ったほうがいい値段」とか言ってはいけない。
YAMAHA N3Xのスペックはこちら
基本性能 | YAMAHA N3X |
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鍵盤 | アバングランド専用グランドピアノアクション |
ピアノ音源 | スペーシャル・アコースティック・サンプリング (ヤマハCFXサンプリング、ベーゼンドルファー インペリアルサンプリング) |
最大同時発音数 | 256 |
音色数 | 10 |
接続 | Phones(ステレオ標準)x 2・AUX OUT(ステレオ標準)・MIDI IN / OUT・USB type B |
スピーカー | 25W×4、35W×5、45W×4、80W×2 |
質量 | 199kg |
初心者が電子ピアノを買う前に知っておきたい4つの注意点
注意点①:あくまでピアノソロ向け
今回紹介した電子ピアノはあくまで一人でピアノを演奏するスタイル、つまりピアノソロ向け。
アコースティック(本物の)ピアノと同じ88鍵盤で、弾き心地が良い電子ピアノ(かつ、できるだけ低価格)に限る。デザインとか音源の良さは二の次。
数千円のおもちゃピアノや卓上サイズのピアノの紹介ではないのでご注意を。
注意点②:グランドピアノには絶対に敵わない
よく「グランドピアノの鍵盤と同じタッチ(弾き心地)の安い電子ピアノはありませんか?」と質問が来る。
結論、ない。
あるとしたらハイブリッドピアノ。価格は70万円~するから……安くはない。
ハイブリッド、とは言え電子ピアノは弦を張ってないから、鍵盤のタッチが本物に近づいても本物になることは未来永劫ない。数学の漸近線みたいな感じ。
電子ピアノの行き着く先は最終的に「グランドピアノ」+「防音室」になっちゃう。僕も欲しい。でもそれはこの記事の主旨から外れるので割愛。
注意点③:ポータブル型と一体型がある
電子ピアノには、別売りスタンドを用意して設置するポータブル型と、もともとスタンドが備わっている一体型の商品がある。
別売りのスタンドは、専用と汎用で値段の差があるけど、どちらも概ね1万円前後が多い。
僕は電子ピアノを頻繁に移動させるので、汎用のX型スタンドとポータブル型の電子ピアノを使ってる。
電子ピアノと合わせるとこんな感じ。
電子ピアノを部屋に固定して動かさない人は脚付きの電子ピアノの方が安定感があって良いかもしれない。
注意点④:必ず事前に試奏しよう
もし購入する際は事前に楽器屋さんで試奏してからのほうがいい。ネットの情報を鵜呑みにしてそのままネットで買うのはNG。後悔する可能性がある。
もし、まだピアノが弾けない場合は店員さんに「音を確認したいので弾いてもらっていいですか?」と尋ねてみてほしい。何か弾いてくれるはず。その後で自分で触って音を出してみよう。キラキラ星とかでもOK。ドドソソララソ、ファファミミレレド。自分で弾くの大事。
電子ピアノは商品ごとに音も弾き心地も違う。また、デザインや本体の大きさは実際に見てみないと分からない。
購入先は、商品の長期保証やサポートなどが気にならなければ、Amazonや楽天などのネットで購入したほうが安いことがほとんど。初期不良であればネット購入でも返品・交換できるケースがほとんどだと思う。僕もネットで買った。
Amazonや楽天で買うのが怖い人は近所の楽器屋さんかイシバシ楽器のような有名な楽器店で買うと長期保証などが付くから安心できると思う。
おわりに
電子ピアノ選びは、デザインや音の良さ、本体の重さで選ぶという人もいるので、今回紹介した電子ピアノがすべての人にオススメできるわけではないけど、僕のように鍵盤のタッチの品質を求める人の参考になれば幸い。
特に最近は外出規制で楽器屋さんに行けない人やそもそも近所に楽器屋・家電屋さんがない人もいるので少しでも力になれればと思ってこの記事を書いた。高い買い物なので買った後に後悔することだけは可能な限り避けて欲しい。
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