この記事で分かること
- MIDIキーボードの特徴って何?
- どのMIDIキーボードが良いの?
- 一番好きな機種を教えてほしい!
ふらっと寄った新宿の楽器屋でずらっと並んだ電子ピアノに目が留まって店員さんに促されるまま色々なピアノを試奏してきた。
今回は試奏したキーボードとDTMで使うピアノソロ向けのMIDIキーボードについて思うことあったから軽く書き留めておく。

どうも、Keigoです!
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DTMにMIDIキーボードは必須




DAWにMIDIを打ち込むツールの一つがMIDIキーボード。実際に演奏した音符、音の強弱、ペダルの情報をDAWにまとめて送信することができる。
マウスでぽちぽち打ち込むこともできるけど、ピアノソロのようにコードやメロディーを滑らかな演奏情報として打ち込むにはリアルタイム入力が必要だから、MIDIキーボードはもはや必須と言っても過言ではない。
今現在YAMAHAやKORG、Roland、CASIO、KAWAIなどからたくさんの種類のMIDIキーボードが発売されていて値段も3,000円~とピンキリ。
MIDIキーボードを選ぶ時のポイントはざっくりこんな感じだと思う。
- 鍵盤数
- フルサイズキー or ミニキー
- 鍵盤の作り
- ペダル端子の有無
- コントローラ機能
- 付属ソフト
- メーカー(ブランド)
選ぶポイントが多すぎてどれが自分に合ってるMIDIキーボードなのかの判断が難しい。
ピアノソロなら88鍵一択




MIDIキーボードは、鍵盤数の違う商品がたくさんある。
売られてるのはざっくりこんな感じ。
- 25鍵
- 32鍵
- 49鍵
- 61鍵
- 76鍵
- 88鍵
鍵盤数は自分の好みや作業環境によって変わるから一概にどれが良いとも言えない。
一つ言えるのは鍵盤の数が多くなるほど横幅が広くなるってこと。デスクに置くなら鍵盤数は重要になる。
ただ、本物のグランドピアノは88鍵盤が標準。横幅は約123cmくらいだからけっこう場所を取る。
右手で短いフレーズをさらっと打ち込むなら25鍵でいいけど、両手でピアノソロを弾くには61鍵だと足りないっていう感じで、実際にそのMIDIキーボードを使ってみないと本当に自分に合うかどうか分からない問題ってのがあるから迷いもする。
Keystation 61は3日で手放した
で、以前僕はコスパ最強と名高いM-AUDIO Keystation 61を15,000円くらいで買った。61鍵盤の中ではコスパがえぐい。




Keystationシリーズの良いところはとにかくシンプルなデザイン。これに尽きる。
当時は、スペースの幅を考えると61鍵じゃないと部屋に置けなかったんだけど、実際に使ってみたら音域の広いピアノソロを打ち込むにはどうしても88鍵が必要だとすぐに実感した。
曲によっては61鍵に収まることもあるんだけど、普通に鍵盤の数が足りない。
一応スイッチで音域の移動はできるんだけど演奏中にそんな急に操作できないし、どこ弾いてるのか分からなくなる。
っていう感じで、何も考えずに買った初めてのMIDIキーボードは3日で手放した。
Keystation自体は評判がすごく良いし、値段を考えたら全然悪くないと思う。。
Keystation 88は7日で手放した
そんなこんなで次に買ったのがKeystation 88。61鍵がだめなら88鍵作戦。




88鍵盤、ペダル端子有り、重量7.7kg、そして安い。これもコスパは最強。
ただ問題が発生した。ベロシティが上手く打ち込めねえ。
さっき書いたMIDIキーボードを選ぶポイントの一つに鍵盤の作りの問題がある。ざっくり言うと、鍵盤がおもちゃのようなカチャカチャする作りか、本物のアコースティックピアノに近い鍵盤のかどうか。
Keystationは鍵盤がプラスチックでバネを使った簡単な作りになってる。だから安いんだけどね。
初めのうちは88鍵あることで満足してたんだけど、鍵盤の作りの問題でリアルタイム入力をしたMIDIのベロシティ(鍵盤を押し込む速さ)が上手く入力できないことに気がついた。音量のダイナミクスが全然出ない。61鍵盤を使ったときに気づくべきだった。
無駄にこの世に無情を感じながら人生で2台目のMIDIキーボードは7日で手放した。
ステージピアノという選択肢
で、次に探したのがステージピアノっていうライブ演奏で使われるような電子ピアノ。
ステージピアノは木製の鍵盤を搭載してたり、シンセ機能が盛り込まれてたりするから値段が安いMIDIキーボードよりも何倍も高い。
でも、たいていは鍵盤が本格的な作りをしてるからMIDIも問題なく打ち込めるはず。もはやピアノソロのためにはそれくらい投資しないと満足できないんじゃないかと考え始めた。
ステージピアノは一番良いのはどれだ?




じゃあ、どのステージピアノが一番良いんだって話になる。
調べてみると安いものでも5万円台、高いものは40万円を超える。
メーカー | ステージピアノの価格帯 |
---|---|
CASIO | 5万~8万円 |
Studiologic | 6万~18万円 |
Roland | 6万~24万円 |
KORG | 4万~24万円 |
KAWAI | 13万~28万円 |
YAMAHA | 13万~45万円 |
Nord | 25万~48万円 |
MIDIキーボードとは明らかに価格帯が違う。サンタに頼む額じゃないね。
余談:鍵盤は日本メーカーのほうがいい?
今まで僕は楽器屋に置いてあるありとあらゆる電子ピアノを試奏してるんだけど、この日までStudiologicっていうイタリアメーカーの電子ピアノを唯一弾いたことがなかった。
でも、たまたま楽器屋にあったから試奏させてもらった。展示してあったのはNuma CompactとNuma Concert。
結論を言うと、鍵盤が微妙。こういうのは弾いた瞬間に分かっちゃう。あ、これじゃないって。ただデザインはマジで素晴らしい。
ついでにNord Pianoも弾いたんだけど驚くほどタッチが良いわけでもなかった。
以前どっかの海外の記事で読んだんだけど、電子ピアノの鍵盤を作る技術は世界的に見ても日本のメーカーが一番優れてるらしい。確かに小型化って日本の十八番だもね。
ってことは素直に国産の電子ピアノを選ぶのが無難かな。
ピアノソロがメインだと、いかに電子ピアノの鍵盤がグランドピアノに近いかっていうのが気になって夜しか眠れないんだよね。
ってことで、鍵盤に力を入れてる電子ピアノを中心に絞ることにした。
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結論:YAMAHA P-515がベスト




これは完全に僕個人の結論なんだけど、ピアノソロ向けのMIDIキーボードならYAMAHA P-515が今現在(2021年)ベストだと思った。
一応有名メーカーの現行のMIDIキーボード・電子ピアノを全部調べ尽くした上での結論ではあるんだけど、もともと僕がYAMAHAのピアノで育ってきたYAMAHA好きってこともあるからかなり偏りのある結論であることには注意してほしい。
P-515はPシリーズの最上位モデル。定価は15万円くらいなんだけど、2021年現在は某ウイルスの影響で価格変動が激しいのがデメリット。
YAMAHAのステージピアノの最上位モデルCP88よりも鍵盤が良い。CP88はNW-GH3鍵盤、P-515はNWX鍵盤。
鍵盤が良かったのはもちろんなんだけど総合的に評価が高い。
- 木製鍵盤
- 最高級音源のYAMAHA CFXサンプリングを搭載
- スピーカー付き
- 余計なツマミ類がない(故障率が下がる)
- 15万円
- シンプルなデザイン
- 操作ボタン部分にPCのキーボードが置ける
一言で表すなら、弱点がない。完成度めっちゃ高いと思う。
鍵盤の弾き心地も良い。もちろんグランドピアノには敵わないけど弾いていて違和感が少ないというか、このサイズでこの性能ならかなり満足できる。
操作ボタン部分がフラットだからPCのキーボードが置けるのが個人的にデカイ。ディスプレイ、PCのキーボード、電子ピアノの順に置きたいタイプなんだ。電子ピアノに回すタイプのつまみが付いてるとそれだけでPCのキーボードが置けなくなるんだよね。
P-515の音色は公式のYouTubeで聴ける。
音源のクオリティも高いから練習も捗りそう。やっぱりスピーカーがあったほうが普段使いは楽だよね。
一応、カテゴリー的にはステージピアノじゃなくて家庭用の電子ピアノなんだけどMIDIキーボードとしての機能はあるからDAWとも連携できる。
ちなみに色はブラックとホワイトがある。
公式サイト:YAMAHA P-515




まとめ:自分の使い方に合わせて選ぼう
ざっくりまとめるとこんな感じ。
- DTMはMIDIキーボードがほぼ必須
- 使う人によって必要な鍵盤数が異なる
- ピアノソロには88鍵が必須
- 鍵盤の弾き心地を求めるならステージピアノもあり
- 個人的な結論はYAMAHA P-515
ピアノソロ向けならクオリティが高い88鍵盤を搭載した電子ピアノが必須なのは分かってもらえると思うんだけど、本体のサイズ感とか使い勝手、細かい仕様の部分でそれぞれ意見の違いは出てくると思う。
最後に言っておきたいのは、MIDIキーボードや電子ピアノを買う時は絶対に試奏した方がいいということ。店舗だと実機を見比べたりすることもできるから事前に目星を付けてたものより、もっと良いものが見つかるかもしれない。
安い買い物ではないし、長く使うものだと思うからじっくり考えてから買うのをおすすめする。
この記事が誰かの参考になれば嬉しいな。
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コメント
コメント一覧 (7件)
通りすがりの者です。
もしこの記事以降にP-515を触った時には、感想をぜひアップしていただきたいです。
加えてCP4と比較したものもあれば嬉しいです。
私は電子ピアノを買い換えようと思っていて、P-515で検索したらこちらのサイトにたどり着きました。第一用途は子供のレッスン用で、第二は自分も少しだけ弾けるのでたまに弾きたい感じです。
鍵盤のタッチを重視してて、木製鍵盤であるクラビノーバのCLP645を調べたらP-515と比較することに(金額もそれくらいを考えています)。しかし、メーカーに尋ねたら私のいる地域は実機が置いていないと言われた為、タッチ等が全くわかりません。
そうこうしている内に、CP4が古い機種ながらも音とタッチが良い(CP4は木製鍵盤)とあり、CP4は楽器店で探ってみようと思います。
自宅ではクラビノーバの実機で大きなサウンドを必要ではありません。ヘッドホンは子供には使用せず小さめの音で練習しています。
CP4は古い機種ですがまだまだ利用できる感じか、P515も含めて2機種に求めるのは、最終的には生ピアノに近い弾き心地が大切で、多機能を使いません。CPに気がかりな点はフッドペダルですね。
現在昔のヤマハ Pシリーズを使っていて、スピーカーがなくてタッチのみピアノに迫った時代のもの。モニタースピーカーを使ってますのでそのスピーカーを再利用可能です。
もしかしたら、少し時間が取れるようになったら、昔挫折したDTMに私が手を出すかもしれないという下心もあるので(今のピアノはその残骸です)、クラビノーバに食指が動かなかったのもあります。
子供には受験などがあっても細々とでもピアノは続けさせたいですし、自分も再び触って行きたいですが、住宅事情と経済的に今の時点ではこの金額かと思っています。
お時間があるときで構いませんので、使い心地のレビューやプロとしてのアドバイスをよろしくお願いします。
通りすがりママ さん
コメントありがとうございます、Keigoです。
リアルな鍵盤へのこだわり、とても理解できます。笑
たまたま近所の楽器店に行く機会があったので、備忘録も兼ねて個人的な意見を述べておきます。
お調べになってご存知かもしれませんが、P-515とCLP645はの鍵盤グレードは同じ「NWX鍵盤」です。
これはCP4 STAGEの「NW鍵盤」に新たに「エスケープメント機構」が搭載されたものです。
公式HPで「エスケープメント機構」について以下のように記載されています。
「グランドピアノでは、ごく弱い力で鍵盤を押しこんだ時に、鍵盤が下がる途中でわずかな手ごたえを感じます。
これは、打鍵後にハンマーが弦の振動を止めずに速やかに離れる仕組み(エスケープメント機構)が搭載されているためです。よりリアルなグランドピアノのタッチ感を再現するために、エスケープメントのわずかな手ごたえを、鍵盤機構に搭載しております。」
残念ながら楽器店にP-515がなかったため、CP4 STAGEとCLP645、ついでにCLP685試奏してきました。
P-515とCLP645は同じ鍵盤グレードのため、タッチは変わらないと思います(念の為、今度試しに行きます)。
CLP645を弾いた感じでは、確かに「エスケープメント機構」は良かったです。
やはり少々機械的な感覚はあるものの、「アコースティックピアノ特有の『手ごたえ』を」、というヤマハがやりたいことは理解できます。正直、「こんな細かいことまでやる?」と思いました。笑
ママさんのようにピアノ経験者であれば「ああ、確かにこの感覚は生ピアノにもあるよね」となると思います。とりわけ、ごく弱いタッチでこの機構の恩恵を受けます。その点では「NW鍵盤」から20%ほど(体感で)鍵盤性能が上がった感覚です。
しかし逆に、クラシック曲のような繊細さを必要としなければ(たまに弾くくらいであれば)「NW鍵盤」でも十分な気もします。「エスケープメント機構が”絶対に”必要か?」と言われると、個人的には「んーまあ、なくても困らないかなあ」というのが正直なところです。と言っても、これからは「NWX鍵盤」が標準装備になりそうなので、あったほうが良いですかね(どっちだい)。笑
ですので、よりリアルな鍵盤を求めるのであれば「P-515」もしくは「CLP645」が良いと思います。
個人的には、ママさんの用途ですと、デザイン等にこだわりがなければ、あえて「CP4 STAGE」を選ぶ必要はないと思います。
CP4 STAGEの良さは、(そこそこ)優れた木製鍵盤でありながら、アンプとスピーカーがないことによる「省スペース設計」かつ「軽量(17.5kg)」、という点です。あとデザインもシンプルで良いです(重要)。笑
ただしデメリットとしては、譜面立てがないので別途用意する必要があることと、さらにおっしゃる通り「フットペダル」ですね。お子さんのレッスン用に、とのことですので今後ソフトやソステヌートが必要な楽曲を弾くのであれば、この点でCPは向かないです。
また、「P-515」と「CLP645」の鍵盤のタッチ以外の違いですが、気になるのは以下4点でしょうか。
1.本体の大きさ(CLP-645はP-515より幅が12.5mm長く、奥行きは8.3cm長い)
2.重さ(CLP-645は60kg、P-515は22kg + 専用スタンド「L-515」9kg)
3.アンプ&スピーカーの性能差
4.内蔵MIDI収録曲の差
部屋に置ける広さがあり、置きっぱなしにするのであれば「CLP-645」で、スタジオに持って行ったり、部屋の行き来で持ち運びたい、将来的にDTMなどで移動を伴うのであれば「P-515」といった感じでしょうか?
「P-515」のデザインもスタイリッシュで良いです(重要)。笑
余談ですが、今回ついでに試奏したCLP685は「グランドタッチ鍵盤」という新開発の鍵盤を搭載しています。
公式では「鍵盤先端から支点までの距離が、他社製品も含めた現行の電子ピアノの中で最も長く、弱音のニュアンスをより細かく再現できるようになっています。」とあります。確かに、CLP645の「NWX鍵盤」との違いはあります。が、わりと繊細な違いです。個人的には「エスケープメント機構」の恩恵のほうが大きく感じられました。
タッチの感覚を語弊なく伝えるのは難しいですが、素直に思ったことを書いてみました。
P-515を試奏する機会があれば、もう一度書こうと思います。
繰り返しになりますが、あくまで個人の意見ですのでご参考までにしてください!
詳しい解説をありがとうございます。私自身は大人になって数年やっただけの初級者なので、そうピアノに造詣が深くないのと、やはりP-515実機がこちらには(近隣県すら)ないし、そのほかのことも大変参考になります。
ぜひP-515の感想をお知らせ下さい。楽しみにしてます。
書き方が悪くてすみません。
自宅ではクラビノーバのように本体から、大きめのサウンドを出すのは求めていないと書くつもりでした。
もっているのはPシリーズです。
DTMに関心あるけど、腰が引けている親父バンドキーボードです。88鍵のステージピアノを買おうか迷っていることろです。CP-4とCP88の違いを3点あげていらっしゃいました。その後さらに比較等されましたなら、参考までにお聞かせください。よろしくお願いします。
ROY さん
コメントありがとうございます。Keigoです。
結論から申し上げますと、予算が許すのであれば「CP88」が良いと思います。
CP88はシンセ周りが強化されていて、音はもちろん、操作性がかなり向上しています。つまみやスイッチ類も洗練されていて、どこに何があるのか一目で分かります。バンドなどで積極的に音作りをするなら直感的に操作可能なCP88のほうが有利かと思います。
また、CP4よりは1kgほど重いですが、素材がアルミボディになったので高級感があります。
参考になりそうなYouTubeのURLを貼っておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=b12KAntrir0
もし、単にMIDIキーボードとして使うのであればCP4でも十分だと思います。ソフトシンセを使う頻度が高ければ、ですが……。
以上、参考になれば幸いです。
Keigoさん。You Tube 拝見しました。おっしゃる通り大変参考になりました。特にスプリットした後で、簡単に音域を変えられるのは実践向きだと思います。あとは店頭で引いてみたいと思います。どうもありがとうございました。 Roy