部屋の整理整頓と同じで、誰にでも分かりやすく整理できる簡単な方法がデジタルデータにもある。
とはいえ無数にあるデータ整理術の中から自分に合ったものを探すのは骨が折れる。
ということで今回はPCを使い始めた小学生から今現在まで色々なデータ整理をしてきた僕がシンプルで簡単で実用的なデータ整理法と考え方を独断と偏見で紹介する。
整理整頓は最初のルールが9割
そもそもPCやスマホで扱うデータ(ファイル)はたくさんある。中でも「画像」「動画」「音楽」「エクセルやPDFなどのドキュメント系」データは毎年山のようにできると思う。
部屋の掃除と同じで最初から自分の中で整理整頓のルールを決めておかないと、後日どこに何があったのか分からなくなって探すのに何日も掛かることになる。その時間は人生の無駄でしかない。
データの整理も最初からルールを決めておくのが大事
データはバックアップが命
データはHDDやSSD、クラウドなどのストレージに保存することになるんだけど、いずれにせよバックアップが必須になってくる。同じデータは必ず2つ以上存在しないといけない。
家にある大事な写真や宝物のアクセサリーは1つあれば十分かもしれない。でもデータを保存するHDDやSSDはある日突然壊れる可能性が高いし、クラウドだって障害やサービスが突然停止することもある。
その証拠に、ある日突然Googleフォトの容量無制限バックアップサービスが終了したことや京都大学のスパコンデータ約77TBが消失したニュースも記憶に新しい。
また今後クラウドサービスは検閲機能も強化されるから誤作動などで自分のデータを消されたらたまったもんじゃない。
基本的には自前でバックアップを取ろう
① WizTree:ディスク利用状況の可視化
部屋の整理整頓、掃除の鉄則は「いらないモノを捨てること」。データの整理でもそれと同じで、まず使ってないデータ・使わないデータを消去するところから始まる。断捨離だね。
「WizTree」はディスク利用状況を分かりやすく可視化してくれるフリーソフト。特に「占有率」の青いバーと下側の図を見ると、どのデータがどれだけ使われているかを一発で理解できて便利。
消去するデータの基準は、基本的に「1年以上使っていないデータ」かつ「2度と使わないデータ」。
「動画」「ソフトウェア」「ゲーム」「画像」は比較的データサイズが大きいと思う。占有率の大きいデータから消去していくのがオススメ。
例外はいくつもあるから慎重に作業しよう
ダウンロードサイト:WizTree
② Flexbible Renamer:一括リネーム
次に、データそれぞれに名前を付けることが大事になってくる。とはいえ複数の画像ファイルや動画ファイルの名前を一つずつ変えていくのは面倒くさい。
そんなときにフォルダ内のデータを日付順やファイルサイズ順などで一括で名前を変更(リネーム)できるソフト「Flexbile Renamer」が役に立つ。
個人的には「文字列(日時)+連番」をかなり使う
ダウンロードサイト:Flexbile Renamer
とはいえ、先にリネームのルールを作っておかないと意味がないから以下オススメのリネーム方法を解説したい。
リネームは「日付 + キーワード(小文字) + 連番」が最強
データ(ファイル)の名前を変えることを「リネーム(Rename)」という。
先に結論を書くと、リネームは基本的「日付 + キーワード(小文字) + 連番」にするのがオススメ。
20250101_iphone_16_001.jpg
※「.JPG」の部分はデータによって変わるので気にしなくていい
このリネーム方法のポイントは以下の5つ。
- 先頭に西暦と日付を表す「yyyymmdd」(重複を避ける)
- 文を繋ぐ「アンダーバー」
- 基本的に「すべて小文字」
- 0から始まる連番(重複を避ける)
こうすることで「ソート(並び替え)のしやすさ」や「データの重複を避ける」「文字化け対策」「できるだけ短く」を達成できる。
これ以外の文字は文字化けの観点から基本的に使わないほうがいい。スペースもNG。区切りは必ずアンダーバー「_」かハイフン「-」を使おう。
また、WindowsやMacのファイルシステムは大文字と小文字を区別しないからデータのリネームは基本的に小文字だけでOK。
具体例:ディズニーランドで撮った大量の写真のリネーム方法
たとえば、彼女とディズニーランドに行ったとする。
後日、PC上でディズニーランドに行った時の写真をチェックするのに「撮った日付・時間順」に並んでくれたほうが何かと都合がいい。
だけど、何も考えずに写真の名前を「1.jpg」などにしてしまうと、後日行くかもしれないディズニーシーのフォルダにも「1.jpg」が存在することになる。これだとひと目見ただけでは「ランドとシー、どっちで撮った写真の1番目?」なのかが分かりにくくなっちゃう。これではモテない。
ということで、「その写真がPC上に一つしかない固有の名前」にしたい。家の住所みたいな感じで誰が見ても分かる状態にするのが理想。
だから、「2025年1月1日」に撮った「ディズニーランド」の「12番目の写真」を表す、
20250101_disney_land_012.jpg
とリネームすればいいわけ。これならすごく分かりやすい。
解説①:西暦が先頭
西暦を先頭に持ってくることで、フォルダ内でソートしたときに自動で日付順になる。フォルダ内に日付をまたぐデータがあっても綺麗に並んでくれる。
ちなみに、西暦を下2桁「25(西暦2025)」で表すのは分かりにくいのでNG。「yyyymmdd」の8桁なら世界79億人が確実に理解できるくらい分かりやすい。
(yyyymmdd)
(yymmdd)
また、音楽データなどの「日付を必要としないもの」は西暦を入れなくてもOK。
とはいえ、リネームに絶対的なルールはないから基本方針を固めつつ臨機応変するのが大事
解説②:連番は0から始める
たとえば、フォルダ内の写真が99個までなら、PC上で正しくソートをするために名前を「1.jpg」ではなく「01.jpg」にした方がいい。フォルダ内の写真が999個までなら「001.jpg」といった感じ。普段使いなら3桁を超える場合は滅多に無いと思う。
これはWindows上や使うソフトによってソートが崩れることを防ぐためなんだ。
たとえば、彼女とディズニーシーに行って写真を10枚撮ったとする。
1から始まる連番はソートが崩れる可能性があるから必ず先頭は0から連番にしたほうがいいんだ。上で書いた 「日付 + キーワード(小文字) + 連番」 方式で書くとこんな感じ。
(ソートでずれない)
(ソートでずれる)
できるだけ短い名前にするために先頭の0の個数はできるだけ最小が良い。
ようは「20250107_disney_sea_0000096.jpg」は名前が長くなりすぎるから駄目。この場合は連番が7桁だけれど1日に10万枚も撮らないでしょう?
だからたとえば、旅行なら「その日に1000枚は撮らないけど100枚くらいは撮りそう」だから3桁にしておくのがいい、みたいな感じ。この曖昧さがこの方法のデメリットではあるんだけど僕個人としては困ったことが一度もないから使ってる。
「桁数で迷ったら先頭に0を増やしておく」
これもルールにしておくと楽
先頭の0は後から簡単に減らせるからね
③ BunBackup:バックアップ
最後にデータのバックアップ。これが一番大事。
バックアップ自体は人生に何のプラスにもないんだけど、いざという時に助けになるから怠ってはいけない。地震対策と一緒。僕は過去に2回もバックアップしておけば良かったと後悔する場面があったから、それ以来はこのBunBackpupで日々のバックアップを欠かさない。
ダウンロードサイト:BunBackup(64bit版)
その他データ用をHDD2台分ミラーリング
僕は普段「OS用のSSD」と「その他データ用のHDD」という使い方をしてる。
で、「その他データ用のHDD」のバックアップとして別のHDDを2台分を完全にミラーリング(元のHDDとまったく同じ状態)してる。
OS用 | その他データ用 | バックアップ用 |
---|---|---|
SSD (OS・アプリのみ) | HDD① (動画・画像など) | HDD②(HDD①をミラーリング) |
HDD③(HDD①をミラーリング) |
バックアップは1台でも良いんだけど、念のため2台にしてる。
④ Everything:高速ファイル検索ソフト
PC繋いでいるSSDやHDDのデータを一瞬で見つけられる検索ソフトが「Everything」。
データ整理しているときに「あのファイルどこだっけ?」というときに上部の検索バーに打ち込めばすぐに出てくる。
ここで、上で書いた、データを「日付 + キーワード(小文字) + 連番」にリネームしてると検索がめちゃくちゃ楽。というか、この検索のためにリネームのルールを作ったと言っても過言ではない。
OSを動かすシステム系のデータは消さないように注意。
ダウンロードサイト:Everygthing(64bit版)
PCを起動しているときは常駐してる
余談:バックアップ用のHDDは2台がオススメ
Windows起動用のSSD(最近はみんなSSDだと思うけど)とは別に、バックアップ用のHDDを2台用意するのがオススメ。1台だとHDDの突然死に対応できないからね。
コスパ最強はWD RedかUltrastar
個人的に調べまくった結論としては、クラウドストレージサービスを提供してるBackblazeのHDDとSSDの故障率レポートや現在(2022年)の日本での入手性、1TBあたりの価格などを総合的に考えるとWestern DigitalのRedかUltrastarのHDDがオススメ。
オススメ① 7200rpmで一番安いモデルWD Red
HDDのスペックの一つに「1秒間のディスクの回転数」がある。基本的に5,400rpmと7,200rpmの2種類があるんだけど、7,200rpmのほうがデータ転送速度が速いからオススメ。
確かに5,400rpmの方が価格が少し安かったり消費電力が小さかったり音が小さいというメリットはあるんだけど、微々たるメリットだしそもそもデータ転送速度が遅いから個人的にはNG。
ということで、一番のオススメはWestern DigitalのRedシリーズ。信頼性の高いメーカーかつ7,200rpmで一番安いコスパ最強のHDD。
容量は8TB、10TB、12TB、14TBがあるんだけど個人的には1TBあたり2,733円と一番安い8TBがオススメ。
できれば同じ容量で2台揃えるといい。
オススメ② データセンターで使われる高耐久モデル Ultrastar
より高耐久モデルのHDDがUltrastar。動画編集などで読み書きをゴリゴリとやるぜという人向け。
WD Redに比べると1TBあたり1,000円くらい高くなるけど、上で書いたクラウドサービスを提供してるBackblazeのデータセンターでも使われているモデルだから性能はピカイチ。
入手性と価格を考えると12TB、14TB、16TBあたりがオススメ。大容量狙いならUltrastarの方がいいと思う。
補足:SSDは故障率が高いからNG
SSDはまだまだ高価だし、何よりデータセンターの故障率レポートを見るに、実はHDDより耐久性が低いと判明してるから。
一見するとHDDよりSSDの方が圧倒的に故障しにくいように見えますが、BackblazeはHDDとSSDではライフサイクルに違いがあると指摘。
HDD故障率のメーカー・モデル別統計データ2020年版、故障率が最も高かったのは?
HDDは平均稼働月数が「49.63カ月」であった一方、SSDの平均稼働月数は「12.66カ月」だったそうです。
データ保存用なら今現在(2022年)はHDDの方がいいみたい
将来的にはSSDかもだけど
結局シンプルなデータ整理が一番良い
データ整理の方法を検索すると星の数ほど出てくるんだけど、今回紹介した方法はわりとシンプルだし過去の経験も踏まえると自分に一番合っているように思う。
データ整理とリネーム方法自体は人生にプラスになることはほとんどないと思うんだけど、部屋の掃除と一緒で綺麗でシンプルな方が気持ちも楽になるからやるに越したことはない。
例外はいくらでもあるから少しずつカスタマイズしていく必要はあると思うけど、基本方針の参考になればと思う。
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