先日3年ほど使っていた電源タップが焼け焦げた。その一週間くらい前から「何かバチバチ音がするな」と思って出どころを探していたらキッチンの電源タップから火花が散っていた。というか溶けていた。
これはヤバいと思って慌てて電源タップを引っこ抜き、すぐに専門業者を呼んで電源周りを交換してもらった。原因は一つには絞れないが電源タップの劣化かもしれないし、コンセント側の劣化かもしれない。少なくとも、そのまま寝てたら死んでたかもしれない。
ということで家中の電源タップをすべて買い換えることになったので、その過程で得た電源タップの知識とおすすめ商品を僕の独断と偏見で紹介する。
電源タップには寿命がある
そもそも「電源タップに寿命がある」という概念がなかったんだけれど冷静に考えて永久に使えるモノなどない。そんな当たり前のことを僕は忘れてしまっていた。
なぜ寿命というフレーズにたどり着いたのかというと、電源タップ関連のページを調べまくったからだ。
① サンワサプライ「消耗品やぞ」
OA製品で有名なサンワサプライのHPには「電源タップの寿命があるから定期的に買い替えよう」という文言があった。
電源タップには寿命があります。
使い続けると劣化し、使用状況によってはコードやプラグなどの劣化、破損により火災の原因になる恐れがあります。
② ヤザワコーポレーション「寿命あるで」
インテリア家電やPCサプライ品のメーカー「ヤザワコーポレーション(本社、東京都台東区)」のTwitterでも同じようなツイート(2021年)があった。6300件以上のいいねがついてる。
電源タップにも寿命があります。
電源タップにも寿命があります。
電源タップにも寿命があります。
電源タップにも寿命があります。
電源タップにも寿命があります。※ 電源タップは消耗品で、交換目安は3〜5年。(日本配線システム工業会より) pic.twitter.com/keUByD6mmw
— ヤザワコーポレーション (@yazawaCorp) March 31, 2021
③ 日本配線システム工業「3~5年が交換の目安な」
最初は「3~5年で買い替えは短くない?自分たちの商品を売るためのセールストーク?」とも思ったんだけど、でもここのソースを調べてみると「日本配線システム工業」というちゃんとした組織が定めた規格だった。
テーブルタップ(延長コード)の交換の目安は3~5年(※)です。
そのまま使い続けると危険(怪我、火災など)を生じるおそれがあります。
(※)周囲環境や使い方によって生じる傷みに差があります。
④ オヤイデ電気「一概に寿命が何年とは言えんぞ」
オーディオ用ケーブルなど国内外の著名アーティストが愛用するオヤイデ電気(東京都文京区)のショップブログでは「一概に寿命は何年とは言い切れません」と書いてある。
使用環境によるところが大きいため、「何年で交換しましょう」とか「何年間はほったらかしで大丈夫」とは言えないんです。
人間の寿命と同じですね。・抜き差しの頻度
・気温が高い、低い
・湿度が高い、低い
・ホコリの多い、少ない
・容量を目いっぱいでの使用
など使用される方の使用方法や使用環境により、劣化・破損しますので安全に使用しましょう。
電源タップの寿命について問い合わせをいただきますので・・・ | オヤイデ電気ショップブログ
一概に3~5年というわけでもないみたい。あくまで一般的な目安だよねって話で。まあそりゃそうだ。
ただし、「定期点検は必須」と書いてあるからやっぱり目視による確認が大事だそう。
面倒くせえ。命の危険があったのにそう思ってしまった僕を誰が責められよう。
電源タップの危険度チェック
目視の点検では以下6つをチェックするといいらしい。
- コンセントプラグにほこりがたまっている
- コードを束ねて使っている
- コードが家具の下敷きになっている
- 電気製品の消費電力の合計が電源タップの最大容量を超えている
- コードやプラグが熱くなっている
- 同じ電源タップを5年以上使っている
特に下2つに該当するなら買い替えたほうがいい。最悪、命に関わる。
結論:パナソニックのザ・タップXがオススメ
結論を先に言うと、電源タップはパナソニックのザ・タップシリーズが安全性や価格の面でオススメだ。
公式サイト:ザ・タップシリーズ
電源タップの安全性でザ・タップXの右に出るものはない
いろんなシリーズがあるが、特に安全性においてはザ・タップXが一番良いらしい。
特徴はざっくり下記のとおり。
- 水やホコリの侵入を防ぐ構造
- 熱に強い素材
- 丈夫な根元部と断線しても安全を確保するコード
- トラッキング&感電防止プラグ
- 発熱を抑える高電導材
色々な電源タップを分解してガチ検証しているサイトがあって、その中でもザ・タップX評価は高い。
ザ・タップはハンダを使っていない、工作精度は高い、ガワの強度も問題ない、ということで素晴らしいらしい。正直僕にはよく分からん。
一応調べてみると、市販の電源タップにはハンダがよく使われてるらしい。ただし、ハンダは銅よりも電気抵抗が高く、240℃以上で溶け始めるため電力配線にはなるべく使わないほうがいいらしい。膨張と収縮を繰り返すことでハンダに亀裂が走り、そこから火花が散るケースもあるみたい。
他にもヲタクがザ・タップXを激推ししてる。
あと、安い。これに尽きる。安くて安全でならそれが一番いい。
補足:僕がザ・タップXを買った他の理由など
ここはちょっと個人的な余談。けっこう細かいのでスルーでOK。
僕がザ・タップXを買った他の理由などは以下のとおり。
- ON・OFFスイッチの存在理由
- 雷ガードは雷を防げない
- デザインの重要性
- 音が良くなるかどうか
① ON・OFFスイッチは要らない
そもそもだけれど電源タップにON・OFFスイッチは要らない。便利そうだと思って買っても結局ずっとONのまま使うし何よりONで常時光るLEDが眩しくて気が散るし寝られない。ポケモンスリープ攻略の妨げにしかならない。
さらに考えるとスイッチ自体が余分な機構だから壊れる確率も上がるしそもそも言うほど節電にならない。ON・OFFを判断する思考と労力とストレスを割くくらいならもっと勉強して働いて投資してお金を稼いだほうがいい。僕はマッチョ思考なのだ。
ザ・タップXにもON・OFFのスイッチ付きは存在するが今回はスイッチなしを買った。スイッチなしだと電源タップのサイズもより小さいのもいい。
今後も僕は一生スイッチなしを買うと思う。マッチョ思考だから。
② 雷ガードは要らない
電源タップによくある「雷ガード」は実は嘘、というか正確ではないという話。
まず、雷による被害の原因はざっくり3種類あるらしい。
- 直撃雷サージ…電柱・鉄塔・避雷針・TVアンテナに雷が直撃で発生
- 誘導雷サージ…電線などへの静電誘導や電磁誘導で発生
- 逆流雷サージ…大地を伝ってアース線から逆流して発生
これらで発生する異常高電圧の総称を「雷(かみなり)サージ」と言うらしい。
市販の電源タップで雷をガードできる可能性があるのは”小規模な誘導雷サージ”のみ。つまり、直撃雷サージや逆流雷サージなどの“本物の雷”はガードできない。誘導雷サージだとしても大規模なら防げない。これが本当。
実際の商品の裏のラベルあたりに「本製品は100%雷サージ保護を保証するものではありません」という主旨の記述があるはず。なんてことを一般人が日常生活の中で気づくはずがない。人類は忙しいのだ。雷ガードって書いてあったら「雷をガードできるんだ」としか思わない。
とはいえ雷被害のほとんどは誘導雷サージだそう。だから個人レベルなら誘導雷サージ対策は有効。大規模なら意味がないけど。
正直、大企業がお金をかけても雷サージを防げないのに一般人の数千円程度の買い物で防げるわけないのは火を見るよりも明らかである。
ザ・タップXが雷ガードを謳ってないのはそういうことだからかな。ガチでやるなら建物の立地・設計から対策しないといけないレベルみたいだし。
一番良い対策は、
- 雷が来たらブレーカー(分電盤)を落とす
- アース線を抜く
- ケーブルを抜く
これが最善の対策になる。理想ではあるけど、まあやらないよね。
知れば知るほど電源タップの雷ガードは「お守り程度」に思えてきたので、なければないでOK。ガチの雷が来たら諦めよう。
③ デザインって大事
普段目に付くものだからどうしてもデザインが気になっちゃう。安全第一でデザインは二の次かどうか知らないけどザ・タップXのデザインがダサい。
特に水色の防水パッキンが最高にダサい。何か昭和を感じる。そのまま白でいいじゃん。パッキンを水色にした根拠の一次資料をぜひ拝見したいところ。
まあ、やろうと思えばできるはずなんだけど需給的に拘りがないのでしょうね。ダサくても安全だし売れるから。
あとザ・タップXの6個口(6個が最大)色展開がホワイトしかない。なぜブラックがない!?3・4個口だとグリーン・オレンジ・ピンク・ホワイト・ブラックの5色展開だけれど6個口はホワイトのみ。なぜ!
あと公式HPの画像の解像度が低すぎる。令和やぞ。
一方で、エレコムの電源タップ、カッコよくない?
これくらいスタイリッシュがいいよね。
④ 愛三電気の電源タップも良いらしい
愛三電気は東京都秋葉原にある電気店。ここの電源タップの評判がザ・タップシリーズと同じくらい良いみたい。
愛三電気
秋葉原に来たことのある人間なら一度は目にしている会社。
その品揃えと立地から大手町のデータセンター関係者御用達となっている。
僕は電源タップはPC周りに使うから愛三電気の8個口が欲しかったんだけど、今回は緊急ですぐに欲しかったからパナソニックにした。Amazonやヨドバシのお急ぎ便は翌日に届くからつい使っちゃう。
愛三電気は個人商店的な感じだからかな、Amazonや楽天市場には売ってない。オンラインストア自体はあるっぽい。
ちなみに、愛三電気のTwitterの担当者さんがめちゃくちゃ気さくで良い感じ。
わ~!是非店舗に遊びにいらして下さい~!
因みに、弊社のオンラインストアもあるので、是非覗いてみてください!https://t.co/VstOeREJnw— 愛三電機【公式】 (@AisanNews) June 24, 2021
わ~!とか可愛すぎだろ。秋葉原に行く機会があれば絶対行く。
販売サイト:AISAN OAタップ 8個口 黒
新しくなった黒色がすごく良さそう。買う。
④ 音が良くなる?
結論、ならない。
ミクロ単位の数字では音は変わるんだろうけど体感できるほどじゃない。めちゃ古い電源タップからの交換なら体感できるかも。いや、それなら他の電源タップでも変わるか。
DTM関連でよく耳にする「電源タップで音が変わる」というのは事実だろうし高級電源機材シリーズはいつか試してみたい気持ちもある。けどそこまで投資する価値があるかと言われると個人的にはない。沼だし。腐るほどお金があって暇だったら高級機材を買ってみてもいいかもしれないというレベル。
人間の耳は、実は人類が思ってるほど正確でなく曖昧でいい加減である。ライブハウスに入るとクソほどうるさいのに10分も居ると慣れてしまう。その日の体調で音の感じ方も変わってしまう。だから高級機材よりも耳垢掃除のほうが100倍マシかもしれない。医学的には耳垢掃除はあまりしないほうがいいらしいが。
本当に音を良くするなら、単相200Vのコンセントを増設したり、アース線の取り付け(電気を建物の外の地面へ流す)が比較的費用対効果が高い。ただし、やるなら近所の電気工事やではなく音の専門業者にやってもらったほうがいい。
とにかく、ザ・タップXは1,000円あればお釣りが来るレベルで安い。今すぐ買い替えても損はしない。ダサいけど。
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