先にまとめ
- 操作がとても簡単
- 手のひらサイズなので持ち運びOK
- 楽器の音も十分録れるくらい音質が良い
- 新品1万8,000円と安い
- 追記:コスパ最強の商品を見つけた
こんにちは、Keigo (@type00k) です。
お手軽に高音質な録音ができるリニアPCMレコーダー「SONY PCM-A10」を買ったのでレビュー。
ノイズの少ない高音質な録音ができるということで、主にYouTubeの動画撮影をするための外部マイクとして買った。結論としては大満足。
楽器演奏や声を綺麗に録音できるハンディレコーダー「SONY PCM-A10」を買ってみた!
スマホや一眼カメラの内臓マイクよりクリアに音が録れてかなり良さげ💪
操作も簡単だし、三脚にも固定できて便利だね。
もっと早く買っておけばよかった🤣#pcma10 #ボイスレコーダーhttps://t.co/FtJK5KGQ3i pic.twitter.com/QJvFUDhwGr— Keigo (@type00k) October 23, 2020
SONY PCM-A10のスペックと仕様
SONY PCM-A10は初心者でも手軽に本格的な録音ができるリニアPCMレコーダーだ。
スペックは以下のとおり。
ハンディレコーダー | SONY PCM-A10 |
---|---|
録音形式 |
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主な機能 |
|
内蔵メモリー | 16GB(外部メモリーはmicroSDHC、microSDXCに対応) |
内蔵マイク | コンデンサーマイク(単一指向性) |
SN比 | 87dB以上(1kHz IHF-A) 負荷インピーダンス16Ω |
電源 | DC 3.7V 内蔵リチウムイオン充電式電池 |
寸法 | 約39.2×109.5×16.0mm |
重量 | 約82g |
発売日 | 2018年10月6日 |
公式サイト:SONY PCM-A10
内蔵メモリーが16GBもあるのが地味にありがたい。
長時間録音するなら追加でmicroSDを買っておいたほうがいいと思う。
特徴① マイクを動かせる
マイクが可動式になっていて平行・外側・内側に向けることができる。
楽器演奏、講演、授業、会議、風景などそれぞれの用途に合わせてマイク角度を調整することで初心者でも高音質な録音結果が得られる。
特徴② ハイレゾ対応の録音形式
また、録音形式は96kHz / 24bitまで対応。YouTubeやSNSに投稿するなら十分すぎるスペック。
録音形式は数字が増えるほど高音質になるが、その分ファイルも増える。僕はYouTube用の動画撮影や音楽制作に使える48kHz / 24bitだけを使っている。44.1kHz / 16bitはCDの録音形式だけれど、もう今の時代は使わないかな。
特徴③ 説明書がかなり便利
「レコーディングテクニックガイド」という楽器の音や声の録音方法(マイクの距離や向きなど)の説明書が入ってる。
初心者にもかなり参考になる。録音は普通にムズいから、こういうのが欲しかった。
商品の中身一覧
付属品は以下のとおり。
- PCM-A10本体
- キャリングケース
- ウインドスクリーン
- PCソフト「Sound Organizer 2」
- 取扱説明書
- レコーディングテクニックガイド
- 保証書
使ってみた印象と感想
良いところ
実際に使ってた感想は以下のとおり。
- 音質は普通に良い
- 小型軽量
- 操作がとても簡単
当然だけどスマホやカメラの内蔵マイクに比べて音質がめっちゃ良い。ノイズの少なさや臨場感はPCM-A10の圧勝。
アップライトピアノをPCM-A10で録音したもの。EQやリバーブあり。
さすがにコンデンサーマイクのような深みのある音にはならないけれど、日常使いとしては十分な音質だと思う。
一応、マイクポジションはこんな感じ。ピアノの脇に置いてみた。
少しウェット気味(残響が多い)だったので、ピアノから20cmくらいの場所に近づけて設置しても良かったかもしれない。
なお、グランドピアノの録音はプロのレコーディング・エンジニアですら苦労するくらい難しいと言われている。
特にマイクが可動式なので、3種類のマイクの向きによって印象は変わるのが面白い。楽器演奏や声の録音など、用途によってしっかり使い分けたいところ。とはいえ、僕はX-Yか真っ直ぐしか使わない。
ボタンの配置・操作の仕方も分かりやすいので、説明書を見なくても直感的に録音・再生の操作できる。
主な機能は以下のとおり。
- リハーサル機能:録音レベルを自動調整
- プリレコーディング機能:少し前から録音する
- REC Remote:スマホで遠隔操作できる
- VOR録音:音がしたとき自動録音する
- クロスメモリー録音:メモリーを切り替えて録音を続ける
ただ、このあたりの機能は僕は使っていない。というか録音開始と停止しか使わない。
あと、手のひらサイズだから小型軽量で持ち運びにも便利。テレビのリモコンよりも軽いので鞄に入れてもかさばらない。証拠音声を作りたいヤバい状況なんかにも使えそう。
気になったところ
- マイク感度の調整がシビア
- 録音後の編集が必須(手間)
スマホでの撮影や録音とは違って、PCM-A10のマイク感度は基本的に手動で設定する必要がある。
「おまかせボイス」という自動モードもあるが、歌や音楽の録音は「マニュアル録音」または「リハーサル機能」での録音がオススメだ。
というのも、マイク感度が高すぎると音割れ(クリップ)するし、低すぎると編集でマキシマイズしたときにノイズが大きなってしまう。だから録音はできるだけ大きく録音、かつ絶対に音割れしない範囲で録音するのがベストだ。ここは少し手間だけれど、時間を掛けて感度調整するしかない。
上手く録音するコツは「最大音量で-12 dB」
PCM-A10では録音時の最大音量を「-12 dB」にセッティングすることで、音割れや音の歪みをほぼ回避することができる。
ただ、先程も書いたようにスマホでの撮影・録音に比べると、ひと手間かかるから少し面倒だ。仕方ないけど。
「マニュアル録音」でマイク感度を調整する場合は、録音しながら最大録音音量が「-12dB」になるようにメーターを見ながら確認していく。たとえば、自分の声を録音する場合は「大げさに笑ってみる」「軽く手を叩いてみる」など、録音時に考えられる最大の音量を出しながら調整する。
楽器の場合は2人体制が理想だ。片方が演奏して、片方が録音する。でもどうだろう、僕は友達がいない。
補足:リハーサル機能も便利
もっと楽にマイク感度を調整するなら「リハーサル機能」が便利。側面の「リハーサル」というボタンを押すと1分ほどの間、録音レベルを自動で調整してくれる。ただ僕は面倒なので使っていない。
音声ファイルは編集したほうがいい
録音できる音量のダイナミックレンジが広いがゆえに、YouTubeやSNSなどに投稿するときは録音したファイルの編集・加工が必要になる。
具体的にはDAWや動画編集ソフトを使ってEQやCompresser、Limiterなどを使って音量感を揃えて適正な音圧まで持ち上げると良い。
音の編集・加工は、聞き取りやすくなる反面、録音した素材の良さを殺してしまう要素もあるので、ある程度は知識や経験が必要だ。実際にやっていくと奥深い世界だけれど編集ソフトによっては初心者でも簡単にできるようにプリセットや自動で音を整えてくれる機能もある。
ひと手間加えてあげると、より聞きやすくなってクオリティが一段アップするのでオススメ。
良い録音をするコツ
実際に使ってみて分かった良い録音のコツは以下のとおり。
- 三脚などでしっかり固定する
- マイクの向き・距離に気をつける
- マイク感度を念入りにチェック
録音時にボディを触るとノイズが入ったり、音の定位が狂うので三脚などでしっかり固定したほうがいい。
裏側に三脚穴があって、通常の三脚に固定できるようになってる。
三脚は、個人的にはマンフロットのテーブルトップ三脚キットが使いやすくてお気に入り。大手YouTuberも使っているので、けっこう有名なアイテムだと思う。
向きや高さをすぐに調整できるのでPCM-A10とも相性が良くて使いやすい。少し値は張るが、作りが良いので長く使えてオススメだ。
自分の声や楽器の音など、同じ音源を録音する場合でもマイクの向き・距離でかなり印象が変わるから色々試してみるのも面白い。
基本的には「レコーディングテクニックガイド」に沿って向きや距離をセッティングし、音声を聞いた後に微調整をする、といった感じが良いと思う。特にマイク感度には最大の注意を払いたい。特に音割れはNG。
もし不安なら、本体のリミッター(音割れを防ぐ機能)をONにするといいのだけれど、録音時にリミッターに引っかかると音に歪みが出るため、特に楽器演奏の場合はリミッターはOFFにしたほうがいい。
つまり、録音はぶっつけ本番ではなく、一度録音テストしながら録音時の最大音量が「-12dB」になる感度を設定することが大事だ。
あと、本番の録音前はバッテリー残量とメモリー残量の確認を忘れずに。録音はそこまでバッテリーは消費しないが、うっかりミスがないよう気をつけたいところだ。
開封の儀
PCM-A10の開封からテスト撮影までしてみた。
カメラの内蔵マイクに比べるとかなりクリアに録音できてる。ノイズが少ないので声がくっきり聞こえて良い感じ。
ピアノは、録音自体が難しいのでもう少し研究が必要だ。
以下追記。コスパ最強のハンディーレコーダを見つけたので共有したい。
追記①:音質優先ならZOOM H6
PCM-A10より大幅に予算オーバーしてしまうけれど、音質面でもっと良いハンディレコーダーがあったので紹介しておきたい。
ZOOMのH6という有名なハンディレコーダーがある。
H6は2013年に発売した商品(Blackは2020年発売だけれどマイナーチェンジ)だ。正直、音質面なら今現在(2022年)H6はコスパ最強のハンディレコーダーだと思う。
とても良い参考動画があったので紹介しておきたい。
ハンディレコーダーのくせに非常にクリアで上品な響きがする。下手にコンデンサーマイクを使って録音するよりH6で録音したほうが手軽。PCM-A10との直接比較はできないけれど、明らかにH6のほうがノイズが少なく、音の分離も良い。
せっかくなので弾いてみた。音色は加工しているので素の音ではないけれど。
非常にクリアに録音できている。もちろん、質の良いコンデンサーマイクに比べてしまうと低音域のなさが気になってしまうけれど、それは仕方がない。3万円台でこのクオリティなら十分すぎる。
なお、PCM-A10の上位機種のD10もあるけれど、D10よりもH6のほうが良い。少し正確に言うと、マイクプリはD10のほうが良いけれど、マイクの性能はH6のほうが良いのだ。だからもしコンデンサーマイクなどを繋ぐならD10のほうが良く、付属マイク単体で使うならH6のほうが良い、ということになる。
500mlのペットボトル並みに大きいというデメリットはあるものの、やはり音質の良さが際立っている。なので、もし大きさの問題や予算が問題なければ、H6のほうをオススメしたい。
手軽に高音質に録音したいなら、もはや脳死で「Zoom H6を買え!」と言いたい。あらゆるハンディレコーダーを試したけどH6(3万円)の音質とコスパのバランスが一番良い。
追記(2023年9月18日):以下、Zoom H6で録音したテスト動画4つ
ハンマーやペダルの音、服の擦れる音、タッチの音など、小さな音まで拾ってくれる。凄くリアルで良い。ちょっとしたミスもめちゃくちゃ目立ってしまうけれど(ノイズ……というかS/N比が少し悪いのが気になる。下で紹介するZOOM F1との組み合わせのが良いかも)。
もちろん市販の音源並みに綺麗に録音しようと思ったら専用にマイクを立てたり部屋自体の吸音具合を調整する必要がある。さすがにそこまでは難しい。でも、iPhoneなどの簡易的なマイクで録音するよりも、音量のダイナミックスが遥かにあたり透明感があって、全然マシ。
追記②:コスパ最強は、ZOOM F1 + XYH-6
H6の音質の良さの秘密は、マイクにある。XYH-6というマイクだ。
いわゆるXY型のマイクだ。このマイクがその辺の4、5万円レベルのコンデンサーマイク並に良い仕事をしている。
ついでに、ZOOMのF1-LPというラベリアマイクがある。
F1-LPはマイクが交換式になっていて、XYH-6を取り付けることができる。このF1LPにXYH-6を取り付けると、H6を凌ぐS/N比を確保することができる。つまりノイズがH6より少ないのだ。F1-LP + XYH-6は合わせて24,000円なので、H6よりも13,000円も安い。コスパ最強だ。
ピアノでの検証動画を作れていないので紹介はできないけれど、F1-LP + XYH-6の参考になる動画がったので紹介しておきたい。
H6よりもかなりコンパクトになるので持ち運びも楽になる。
ただし、デメリットもある。F1-LP三脚穴がないのだ。
一応、SMF-1というカメラ用のショックマウントもあるけれど3,000円を超えて高いので、スマホ用の三脚ホルダーがオススメ。ダイソーなどにも売っていると思う。
他のデメリットとして、XLR端子などの外部マイクが挿せないことだ。H6は最大4本までマイク挿せる。なので将来的に「マイクを複数本繋いで録音したい」となるならF1-LP + XYH-6はオススメできない。拡張性がないのが欠点になる。
というわけで、基本的にはH6が万人向け、もう1ランク上の音質を狙いたいならF1-LP + XYH-6がオススメ。
さらに上のランクを目指すなら、外部マイク必須
H6以上の音質を望むなら外部マイクが必須だ。つまりレコーダーとマイク、ケーブルを用意しなくてはいけない。
TASCAM DR-100mkIIIは、僕が知る限り今現在販売されている全ハンディレコーダーの中で(H6も含めて)最も外部マイク接続時の音質が良い。
ただし付属のマイクは全然ダメ。これはH6のほうが圧倒的に上。だからDR-100mkIIIはレコーダーとして使うのが良い。
外部マイクは、もちろんコンデンサーマイクが良い。プロもコンデンサーマイクで録音する。ただしピアノの録音では同じマイクが2本必要なことに注意。
AKG C451以上のマイクがおすすめ。それ以下ならH6で十分。
以下値段順。
AKG C451
DPA 4099
AKG C414 XL II
Neumann U87Ai
まとめ:手軽に録音したいなら、買い
簡単に良い録音できるハンディレコーダーを探しているならPCM-A10は、買いだ。
直感的に操作できるので、ある程度数をこなしていけばすぐに最適なセッティングを見つけられるはず。
ただし、楽器演奏ではマイクの距離と向きの微調整が必要なので慣れるまで少し時間がかかると思う。
これで1万円台はコスパ良いと思う。もっと早く買っておけば良かった。
追記(2022年):先日、机から落としてしまったときにPCM-A10のマイクをガード(?)してる細い部分が折れた。なるほど、マイクガードは金属製にするべきだ。皆さんはご注意を。
というわけで、以上です。読んでいただき、ありがとうございます。
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