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【徹底解説】OBS Studioで高クオリティにライブ配信・録画する具体的な方法【意外と音質が大事】

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こんにちは、Keigo (@type00k) です。

YouTubeで配信するためにOBS Studioを使い始めたのだけれど最初は使い方がよく分からず地獄の画質と音質でライブ配信をしていた。それから1年くらい毎日使い続けて最近ようやく満足いくクオリティで配信できるようになった。

機材やソフトの変更などがない限り一度設定するだけで死ぬまで使えるので順番にやっていくことのがオススメ。たぶん30分もあればできると思う。

ということで今回は無料の配信・録画ソフト「OBS Studio」で高クオリティに配信・録画をする方法を僕の独断と偏見で紹介したい。ついでに質問があった必要な機材やオススメ機材も紹介しておく。

Keigo

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目標はこれくらいの画質と音質

今回の目標はこのレベル。以前実験的に行った僕のYouTube生配信の一つ。

動画の内容は置いておいて、YouTube配信(後から編集できない生配信スタイル)にも関わらず、

  1. 画面がカクつかず、滑らか
  2. 画面の発色が綺麗
  3. 常に声が聞き取りやすい
  4. 声とゲーム音とのバランスが良く聞き取りやすい

という点に注目してほしい。自画自賛みたいなってしまうけど決してそういうわけじゃない。

「別に普通じゃん?」と思うかもしれないが、やってみればすぐに分かる。特に生配信において、

この普通を保つのが、やたらムズい。

動画と音声のそれぞれの設定や考え方をしっかり理解しておかないと、まず普通のクオリティすらままならない。それもそのはず、一人テレビ局をやっているわけだから当然多数の機材とアプリの知識が必要になる。そしていざやってみると地獄。見るのとやるのは違う。テキトーにやってもだいたい上手くいかない。

逆に挑戦することで死ぬほど勉強になる。失敗を積み重ねて成功を掴み取るエジソンゲーだと考えてほしい。

今回の紹介するのは、最低でも上記のレベルを保って配信・録画する具体的な方法だ。順番にやれば誰でもできると思う。

高クオリティ化の流れをざっくり。

  1. OBS Studioをダウンロード&インストールする
  2. マイク、オーディオインターフェース、キャプチャーボードなどを揃える
  3. 配信・録画のための環境構築をする(ここが大事)
  4. 配信中・録画中は特に音量バランスに気を配る

先に言っておくと、クオリティを決めるのはマイクなどの機材が50%、OBS Studioの設定が50%というイメージ。どちらも大事。

補足① 「配信」と「録画」は違う

OBS Studioでできることは大きく2つある。

一つは、画面やカメラ、ゲームなど録画して後から編集するタイプの「録画」。別途動画編集ソフトで編集をしてからYouTubeにアップロードするスタイルのことだ。

もう一つは、先程のゲーム実況のような「配信」。通称「生配信」「ライブ配信」のことだ。基本的に後から編集ができないタイプだ。

実は「配信」と「録画」はOBS Stuidoの設定方法がそれぞれ異なるので注意が必要。どちらかというと配信の方が難しい。後から編集できないから。

今回は「配信(後から編集できない)」の方法をメインで紹介する。けれど「録画」にも応用できるように書いたから自分に合うスタイルで設定してほしい。

補足② 参考になってるらしい

この記事は僕個人の備忘録としてテキトーに書いたのだけれど、記事を公開してからいろんな人に読まれていて参考になってるっぽい。

https://twitter.com/Shinomiya_Ruvia/status/1454412566885638148
https://twitter.com/iro_no_co/status/1622514100050997248

僕も満足いく設定になるまで時間掛かった。OBS Studioは難しい。

OBS Studioは超便利な無料の配信・録画ソフト

OBS Studioの配信・録画する画面

OBSは「Open Broadcaster Software」の略。無料で使える配信・録画ソフトとしてめっちゃ有名で今現在多くの配信者が使ってる。日本語にも完全対応。Windows、Mac、Linuxで使えるけれど、動作が最も安定性しているWindows推奨

パソコンの画面やカメラの映像を一括で録画・配信できるので、たとえば、以下のことに使える。

  1. ゲーム配信・録画
  2. 雑談配信
  3. 歌、楽器演奏の配信・録画
  4. お絵かき配信・録画
  5. パソコンの画面を使った配信・録画

ソフトの設定も直感的で見た目のわりに簡単。最初の設定さえすればすぐに配信・録画できる。

公式サイト:OBS Studio

OBSの高クオリティ化の設定

これから説明する画面のとおりに設定すれば高クオリティに録画・配信できるはず。

とりあえず、下記3つを意識にして設定していけば、配信も録画も問題ない。

  1. フルHD(1920 x 1080)、60fps
  2. 音声が常に綺麗(ノイズ除去 + 音割れ回避 + 適正音量)
  3. カクつくことなくスムーズに配信

細かいところは後から微調整すればOK。たとえば「24fpsがいい」「4Kにしたい」「いや時代は8Kだ」みたいな人は各自後からご自由に。

余談:AIが考えるYouTubeの高クオリティ化

最近流行りの対話特化AIの「ChatGPT」は下記のように言ってる。

一言で言えば「当たり前のことを完璧・徹底的にやりましょう」。キーエンスみたいだ。

余談終わり。

OBSの録画・配信設定

OBS Studioを起動したら、まずは「設定」から録画・配信に必要な設定する。

今回はWindows 10版のOBSで説明

1. 「出力」タブ

最初に、配信用の動画の詳細設定をする。これは、YouTubeで配信する画面のクオリティを変更できる。

左側の「出力」を選択。

  1. 出力モードを「詳細」に変更する
  2. 「配信タブ」の「レート制御」以下の数値を下記のとおりに変更する
    ※細かい数値の意味は割愛(僕がいろいろ試した結果、必要十分だと思った値)

配信しないなら下の画像の「配信タブ」は無視でOK

次に、「録画タブ」を選択。ここでは配信ではなく、単にパソコンの画面などを録画したときの映像のクオリティを変更できる。

  1. 「録画ファイルのパス」で録画したファイルを生成する場所を指定する
    ※できれば読み書きの早いSSDを選択するのがオススメ
  2. 「録画フォーマット」で「mp4」を選択する
  3. 「エンコーダ」で「NVIDIA NVENC H.264 (new)」を選択する
  4. 「レート制御」以下の数値を下記のとおりに変更する
    ※細かい数値の意味は割愛

追記(2021/11/8):変更点があったので画像を差し替えました

次に、「音声タブ」を選択。ここでは配信・録画での音声のクオリティを変更できる。

「音声ビットレート」を「128」に変更する。

補足:配信なら「128kbps」で十分

音声ビットレートは「64~320kbps」まで設定できるけれど、配信なら「128kbps」で音質的には十分。

理論上は数値を上げるほど音質は上がるけれど、その分だけデータ容量が増えるのでライブ配信だと回線を圧迫する要因になる。実際には致命的な問題にならないケースがほとんどだけれど、ライブ配信はできるだけデータ容量を小さくして、スムーズに視聴者に映像を届けるのが第一。

あと、今の時代みんなスマホで見るので128kbpsと320kbpsの音質の違いは99%の人は聞き分けられない。気になる人は下記サイトで聴き分けテストをしてみるといい。15秒でできる。

参考サイト:Do 320kbps mp3 files really sound better? Take the test!

2択なので正解する人はいるだろうけれど、論点は「視聴者が320kbpsの音質を必要とするほど差が顕著かどうか?」だ。ちなみに僕は5歳からピアノを弾いていて絶対音感持ちだけれど普通に間違えた。

少し専門的なことを言えば、YouTubeに動画をアップロードするとAAC125kbps程度に再エンコードされて16,000Hz以上の音(人間の耳にはほとんど聞こえていない)はカットされる。

つまり「この高周波モスキート音、君の耳に聴こえるか!?」みたいな動画の16,000Hz以降は、そもそも鳴っていないか、エンコード時のノイズか、幻聴のどれかだ。僕は幻聴推し。

配信ではなく、後から編集する「録画」スタイルなら「192kbps」にしても良いかもしれない、くらいの感覚だ。

まあ、ぶっちゃけ320kbpsで何も問題ないけどね。

2. 「音声」タブ

次に、左側の「音声」を選択する。

「一般」の中の「サンプリングレート」を「48kHz」に変更する。

「44.1kHz」はCDの規格。映像では「48kHz」が基本。

Windowsなら【コントロールパネル】→【サウンド】の「再生」「録音」タブの「規定のデバイス」「既定の通信デバイス」を右クリック「プロパティ」→「詳細」で「24ビット、48000Hz(スタジオの音質)」を必ず選択。また、オーディオインターフェースのサンプリングレートも48kHzに設定するのを忘れずに。

3. 「映像」タブ

次に、左側の「映像」を選択。

  1. 「基本(キャンパス)解像度」を「1920×1080」に変更する
  2. 「出力(スケーリング)解像度」を「1920×1080」に変更する
  3. 「縮小フィルタ」を「ランチョス(先鋭化スケーリング、36 のサンプル)」に変更する
  4. 「FPS共通値」を「60」に変更(※必要に応じて)

上の画像では「縮小フィルタ」→「バイキュービック」になっているが「ランチョス」の方が綺麗なのでオススメ。その代わりCPU負荷がほんの少し高い。

以上がOBSの「設定」から変更できるもの。

本当はパソコンのスペックや取り込む素材によって設定を少し変更する必要がある。が、細かい語句の意味を説明すると長くなりすぎるので割愛。

マイクの設定

次に、OBSにマイク音声を入力し、録画・配信で聞こえやすいように設定する。ここがとても重要。

配信だと編集ができないのでノイズ・音割れ・適正音量を常に気にしないといけない。実は画面のクオリティより音のクオリティを保つ方が難しい。

配信や録画は、声が聞き取り易いかどうかで視聴者が感じるストレスが大幅に変わる。大事なことだからもう一度言っておきたい。

動画で声が聞き取りづらいのは、
めちゃくちゃストレス。

画面が汚くても音声が聞き易ければまだ見ていられるけれど、画面が綺麗なのに音声が聞こえなかったりノイズが多かったらすぐにブラウザバックされてしまう。常に視聴者ファーストで考えたいところ。

ファッションでよくある「清潔感があればとりあえず合格」みたいな感じ。無駄にダメージすぎるジーンズやヨレヨレの服はNGなのは当然だけれど、身に付けるものすべてを高級ブランドにする必要はない。ようはマイナス要素がなければ良い。とにかくノイズ・音割れ・適正音量に注意。

マイクの調整は一度ではうまくいかないので微調整して追い込む必要がある。

1. マイクの音声をOBSに読み込む

まず、「シーン」を作成する。

「シーン」の左下の「+」を選択し、シーンを追加する。「雑談配信用」とか「お絵かき用」とか、配信・録画するプロジェクトごとに保存できる。

次に、マイクの音声を入力する設定する。

「ソース」の左下の「+」を選択し、「音声入力キャプチャ」を追加する

次に、マイクが入力が正しくできているかを確認する。オーディオインターフェースのツマミを上げて、マイクに向かってテキトーに話して確認していく。

とりあえず「音声ミキサー」のメーターが動いていればOK。音量は後で調整する。

なお、人の声を入力するときは必ず「モノラル(=1ch。真ん中から音が出る)」にしよう。アニメも映画もドラマも人の声はモノラルだから。

メーターが動いていない場合はマイク入力が正しくできていないから、下記の項目を確認しよう。

補足:マイク入力が正しく出来ないときはここをチェック!
  • オーディオインターフェースがPCに正しく認識されているか?
  • オーディオインターフェースのドライバーをインストールしたか?
  • オーディオインターフェースのドライバーをアップデートしたか ?
  • オーディオインターフェースとOBSのサンプリングレートが一致しているか ?
  • オーディオインターフェースのマイク入力のツマミ、フェーダーを上げているか ?
  • コンデンサーマイクを使用している場合、ファンタム電源をONにしているか ?
  • ケーブル類が正しく接続されているか ?
  • Win / Mac側でマイクが認識・有効化されているか ?
  • Win / Mac側・OBS側でミュートにしていないか ?
  • 機材の物理的な故障がないか ?

多分、ここのマイク入力が一番難しい。逆にここを乗り越えればもうすぐゴール。

2. 「フィルター」でマイク音声を整える

次に、マイク入力のレベルや音質を整えていく。音割れさせずに良い感じの音量を作る。これが大事。

まず、マイクに向かって話したときの最大音量が「-20dB」前後になるようにマイク入力を上げる。音量メーターが黄色になる手前くらい。なお、マイク入力はオーディオインターフェース側で調整すること。

音の世界では「0dB」が最大音量。それ未満はマイナス表記、0を超えると音割れ。

次に、先ほど追加した「音声入力キャプチャ」をクリックし、上部の「フィルタ」を選択する。

ポップアップされた画面の左下の「+」から各種プラグインが選べるようになる。

とりあえず、下記3つのプラグインを順番に追加。後で別のプラグインを必要に応じて追加していく。

  1. 「ゲイン」……ソフト的に音量を上げる
  2. 「ノイズゲート」……話していないときの余計なノイズを除去
  3. 「リミッター」……音割れをさせない

次に、左側の「ゲイン」を選択する。左側の目のアイコンがON・OFFを表す。

大きな声で話したときの最大音量が「-5dB」になるようにゲインを上げる。ここでは「+15.00dB」に指定。

正直これができたら後の設定は必要ないレベル。

僕としてはラウドネスのShort termで「-17LUFS」前後にするのがベストだと思っているけれど、「-5db」に合わせる方法で基本的に問題ない。なお、ラウドネスメーターは無料で使える「Youlean Loudness Meter」がオススメ。

次に、左側の「ノイズゲート」を選択する。これで話していないときの余計なノイズを除去できる。不自然になりやすいのでなくてもいい。コンデンサーマイクを使っていてノイズを拾いやすい人は使うといいかもしれない。

  1. 閉鎖閾値を「-55dB」に指定する
  2. 開放閾値を「-50dB」に指定する
  3. 動作開始時間を「10ms」に指定する
  4. 保持時間を「150ms」に指定する
  5. 解除時間を「100ms」に指定する
    ※細かい意味は割愛

コンデンサーマイクを使う場合は、部屋の小さなノイズも拾いがちなので特に「閉鎖閾値」と「開放閾値」の値を適当に変更する。

次に、左側の「リミッター」を選択する。これで突発的な音割れを防ぐ。メチャクチャ大事。

「閾値」を「-1.00dB」に指定する。これで声の音量が-1.00dBを超えない。理論上は。

「0.00dB」でも問題ないけど突発的な音割れをする可能性を考慮して「-1.00dB」に設定してる。ようは保険。

次に、別途プラグインを追加する。一度OBS Studioを終了する。

正直、ここまでやれば十分。

ここまでのマイク入力とゲインがあれば(あとマイクが粗悪品でなければ)十分聞くに耐えうる音声を届けられているはず。

これ以降は、無駄に音に拘ってる僕が研究した内容だから興味がある人だけ試してくれればいい。異論は認める。

下記のプラグインの組み合わせだと配信でもほぼ遅延なく使える。一部は有料だけれど(ごめん)いろいろ使ってみた上で音質・遅延ともにベストだった。オススメ。

  1. TDR Nova……イコライザー。声の音質を補正する。無料
  2. DeeTrim……オートレベラー。自動で音量レベルを一定に保つ。2500円。デモ版あり。不自然になりやすいので最悪なくてもいい
  3. MJUCjur……コンプレッサー。全体的な音量を整える。無料

インストールができたら、先ほどと同じようにフィルターに追加する。

次に、「TDR Nova」の「プラグインインターフェイスを開く」をクリックし、設定する。いわゆるイコライザー。

下記のような画面が出てくる。これは個人的にベストだと思った設定(SHURE BETA58Aを使用)。

  1. ハイパスフィルターで「90Hz」以下をカット……ほとんど人類が出せない音域
  2. 「341Hz」を「-1.79dB」カット……声のこもりを解消(200~400Hzあたり)
  3. 「3.4kHz」を「0.5dB」ブースト……声を少し前に出す

補正の目安は3.0dB前後がオススメ。やりすぎると不自然な声になってしまう。ただし声や機材・環境は十人十色なので適当に調整してほしい

次に、「DeeTrim」の「プラグインインターフェイスを開く」をクリック。これで小さい音も大きい音もできるだけ一定の音量になるように保ってくれる。いわゆるオートレベラー。

  1. 右下の「VOCAL」をONにする(オレンジに点灯)
  2. 「OUTPUT」を「-1.5」に指定する

次に、「MJUCjur」の「プラグインインターフェイスを開く」をクリックし、設定する。マイクで入力した一定以上の大きな音を自然に小さくしてまとまり感を得られる。 いわゆるコンプレッサー。

  1. 左側の「COMPRESS」をマイクに向かって話しながら時計回りに少しずつ回す
  2. 真ん中の針が「-3」になったらOK
  3. 右側の「MAKE-UP」を「3.0」に設定する

これでマイクの設定は終了。

一度OBSの「録画開始」ボタンを押して10秒くらい話す動画を作成してファイルを確認してみるといい。音声がだいぶ聞き取りやすくなっているはず。

超細かい話:YouTubeの声の音量はどのくらいが最適?

音の大きさを表す単位の一つに「LUFS」がある。最大値を0LUFSするこの値は「ラウドネス値」または単に「ラウドネス」と言われ、ざっくり言えば、人間が聴こえる音の大きさを数値化したものになる。

僕としては、YouTubeなどの動画サイトでは、人が話す声は「Short term(3秒単位のラウドネスを1秒ごとに更新)で-16から-18LUFS前後」が今のところ(2022年)理想的な値だと思っている。

YouTubeの動画の平均ラウドネスは-14 LUFSが基準だけれど、人が話す声の平均ラウドネスを-14 LUFSに合わせるとゲーム音や他の音が聞き取りづらかったり、BGMや効果音が大きすぎたりと逆にうるさく感じてしまう。うるさい、というのは僕の直感だけれど、直感は大事だ。

個人的な経験にはなるが、やはり声の大きさはShort termで-16から-18LUFSに合わせるのがベストだと思う。

無料で使えるラウドネスメーターは「Youlean Loudness Meter」がオススメ。OBSでも使える。

左上の「SHORT TERM(-19.1 LUFSって書いてあるところ)」が-16から-18LUFSをフラフラしていたら丁度良い音量感だ。

もちろん、僕個人の意見なので参考までに。異論は認める。

キャプチャーボードの設定

次に、キャプチャーボードの設定をする。OBSにゲーム機やカメラの映像を入力し、録画・配信で見やすくする。

ここではPS4の映像を取り込むことにする。

1. ゲーム、カメラの映像をOBSに読み込む

まず、ゲーム、カメラの映像を入力する設定をする。

「ソース」の左下の「+」を選択し、「映像キャプチャデバイス」を追加する。

このままでも問題なく映るが、次に紹介する「エフェクトフィルター」を2つ追加するとより綺麗に見える。

2. 「フィルター」でより綺麗な見た目にする

以下、PS4ソフト「FINAL FANTASY VII REMAKE」のゲーム画面をOBSで出力したもの。

デフォルト

エフェクトフィルター適応後

全体的にくっきりして暗い部分が少し明るくなった(1枚の静止画では分かりにくいかもしれないがYouTubeの動画として見るとけっこう違う)。

YouTubeの配信はスマホで見ている人が割合として多い。視聴者の見やすさが大切なので、この設定に落ち着いた。

以下、エフェクトフィルタの設定方法。

追加した「映像キャプチャデバイス」を選択し、「フィルタ」をクリック。下記2つのエフェクトフィルタを追加する。

  • シャープ……よりくっきり映る。解像度が高く見える
  • 色補正……色が鮮やかに見える。見やすくなる

まずは、「シャープ」の設定。

シャープネスを「0.20」に指定する。取り込む素材によって微調整は必要だけど最大でも0.2くらい。

次に、「色補正」の設定。キャプチャーした画面を見ながら、適当に調整。

  1. ガンマを「0.16」に指定する
  2. コントラストを「0.08」に指定する
  3. 輝度を「0.04」に指定する

これでキャプチャーボードの設定は終わり。

3. 入力側(ゲームなど)の音量は必ず下げる

最後に、入力側(ゲーム音、BGM、ブラウザ、OS画面なども)の音量を下げる。デフォルトだと入力側(ここではゲーム音)が大きすぎて声が聞こえない。配信初心者のゲーム音超絶デカすぎ問題はあるある

僕はいつも入力側の音をとりあえず-10.0dBにして1dB単位で調整してる。これは取り込むゲームや素材によって違うので微調整が必要。今回は-16.0dB。たとえばFF7Rは急にBGMの音がデカくなるから下げておかないと僕も視聴者もビビる。

個人的にはゲームの音がだいたい-20.0dB、最も大きいところで-10.0dB前後、突発的な最大音量が-5dBになる設定が一番心地良い。迷ったらゲーム音(自分の声以外)を脳死で下げるのがミソ。なお、ゲームの場合はそもそも音割れしないように作られているのでリミッターは不要。

ここまで設定すれば、声とゲーム音ともに聞き取りやすい状態になっているはず。マイクの音とキャプチャーボードの設定はそれぞれ微調整してほしい。

これも一度「録画開始」ボタンを押して動画を作成して、ファイルを確認してみよう。

高クオリティ化にオススメできる機材

OBS Studio以外に必要な機材は下記のとおり。自分の用途・予算に合わせて参考にしてほしい。

  1. マイク(XLR接続)
  2. オーディオインターフェース
  3. マイクケーブル
  4. マイクスタンド
  5. キャプチャーボード
  6. Webカメラ(ミラーレス・一眼レフカメラ等でもOK)

以下、順番に解説。

1. マイク

たとえば、プロの音楽家がレコーディングで使うマイクには、回路的にノイズが除去できて高音質に録音できる「XLR端子」が装備されてる。安い物でも1万円くらいから買えるのでXLR端子を装備したマイクがオススメ。

補足:USB接続のマイクについて

USB接続のマイクは構造上ノイズが乗りやすいので高クオリティ化には不向き。

できないことはないが、高品質化までの時間が掛かりすぎるので、初めから良いマイクにした方が長期的には得だと思う。

ネットで買える有名なコスパの高いマイクを2本紹介。プロ仕様で信頼性も抜群で耐久性も高い。ただし、どちらにもメリット・デメリットがあるので注意が必要。

SHURE BETA 58A

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超有名なSHUREのボーカル用ダイナミックマイクBETA 58A。スタジオのド定番SM58の改良版。SM58よりも音のヌケが非常が良く(素人でも聞き取りやすく)、出力が高いのでクリアに聞こえるのが特徴。

超単一指向性(スーパーカーディオイド)だからマイクの直線上の音しか拾わない。エアコンや部屋の外の音、パソコンのキーボードの操作音など余計な雑音がほぼ入らない。だから僕もこれ。

あとダイナミックマイクは少し雑に扱っても壊れにくいのも魅力。

ただしダイナミックマイクの仕様上、マイクと口元を常に近づけておく必要がある。少しでも離れると音が小さくなっちゃう。げんこつ2個分が目安。

録音・配信時のコツは、できるだけマイクを置く位置と話す位置を固定してハッキリ話すこと

audio-technica AT4040

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超有名なマイクAT4040。いわゆるコンデンサーマイクというやつで、ボーカルから楽器の録音にも使える万能マイク。完成度が高すぎてプロのレコーディングにも使われるくせに新品3万円という破格の値段。音質がナチュラル(いわゆるフラットな音)で変な癖がなくて使いやすい。

コンデンサーマイクはダイナミックマイクよりも感度が高くて、繊細な息遣いや楽器の小さな音も拾う。小さいボソボソの声も綺麗に拾ってくれるから声が小さい人にも向いてるかも。

ただしコンデンサーマイクは仕様上、周囲の音をよく拾う。また、マイクに搭載されているコンデンサー(電気を蓄えたり放出したりする電子部品)が湿気に弱いから特に湿度管理に気をつける必要がある。マイクを雑に使っちゃうであろう性格の人には向いてないから注意。

メリットとしては、音をよく拾うので口元から少し離して使うことができる。カメラの画角に入れずに録音・撮影したい時とかに使える。

録音・配信時のコツは、エアコンなどの空調ノイズ、リップノイズ(唇のネチャネチャ音)に気をつけること。喉鳴りや小さいおならの音もすぐにバレる。

2. オーディオインターフェース

XLR端子を装備したマイクをパソコンと接続するには「オーディオインタフェース」という機材が必要だ。

オーディオインタフェースもピンきりですが個人的には以下の2つがオススメ。どちらも非常に有名でコスパが高いのが魅力。

YAMAHA AG03 MK2

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配信機材として超有名なYAMAHA AG03。これを買っておけば間違いない。見た目が直感的でフェーダーやツマミは素人にも扱いやすい。パソコンと付属のUSBケーブルで接続するだけ。

音量を抑えるコンプレッサや特定の音の高さを変化させるイコライザ、歌の配信に使えるリバーブなどのエフェクトをボタン一発でON、OFFできる。

音質についても良好で(ガチの音楽制作のためのレコーディング以外であれば)普通に使える。あと「Cubase AI」という音楽制作(作曲できる)ソフトが付いてくる。

3. マイクケーブル

マイクとオーディオインターフェースを繋ぐケーブル。忘れずに買おう。

MOGAMI 2534 マイクケーブル

MOGAMI
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定番のMOGAMI 2534が一番オススメ。とにかくケーブルで迷ったらこれ一択。プロのレコーディング現場でも使われてる。音質が良い・耐久性が高い(10年くらい余裕で使える)・安い・日本製。文句ない。

マイクとオーディオインターフェースにそれぞれ繋ぐ。XLR端子は挿さるようにしか挿さらないの安心。

購入の際の注意点としては、ケーブルの長さと色。オーディオインターフェースから口元までの距離を測るかつ取り回しを考えて少し長めがいい。長くても音質は劣化しない。

4. マイクスタンド

K&M 卓上マイクスタンド 23325B

K&M
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卓上タイプだから机の上に置く場合に便利。高さは217~347mmで調整可能。重さが2.46kgあるので安定感抜群で揺れにくいです。

ただし、目の前に置くことになるので人によっては卓上スタンド邪魔に感じるかも。

TAMA ブームマイクスタンド MS205

TAMA
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ドラムのTAMAで有名な星野楽器のブーム式マイクスタンド。安定性、耐久性に優れる。日本製。

卓上スタンドと違って横からマイクだけを目の前に設置できる。これならパソコンのキーボード操作も問題ない。また、ギターなどの楽器の録音にも使いやすい。

TAMAのマイクスタンドはドラム用メーカーということもあってマイクをがっちり固定できる。安いスタンドだとマイクの重さに耐えられずに下がってくるが、これが地味に厄介。

5. キャプチャーボード

キャプチャーボードは、PS5やSwitch、ミラーレスや一眼カメラの映像をパソコンに取り込むのに必要。

こちらもピンきりだけど安定感が抜群なElgato(エルガト)がオススメ。キャプチャーボードとしては超有名・定番。Windows・Mac両方使える。

Elgato Game Capture 4K Pro

Elgato
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デスクトップパソコンに組み込むタイプ。自作PCをやる人向け。僕はこれ。

PCIe x1接続にポン付けするだけなので超簡単。ケーブルレスなのが良い。

Elgato Game Capture

Elgato
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USBケーブルで接続するタイプ。こちらはデスクトップ・ノートパソコンの両方で使える。持ち運びができるのが最大のメリット。

特に難しい設定はない。ポン付け。

補足:キャプチャーデバイスはElgato一択

低価格のキャプチャーボードは発色が悪かったり、音や動画の遅延が酷かったり、接続不良が頻繁に発生したりするから……長期的に考えるとElgatoが一番オススメ。

6. Webカメラ

Logicool StreamCam C980

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フルHD、60FPSに対応したWebカメラの中ではC980GRが一番オススメ。USBケーブルでパソコンに接続するだけでOBSで使える。もちろん、ZOOMやDiscord、Skypeにも使える。

この手のWebカメラの中ではC980GRの画質は最高峰。発色も良いから録画・配信でも十分使える品質。三脚にも固定できる。

Webカメラ以外にも、ミラーレス・一眼レフカメラの映像もOBSに入力できる。カメラ側のHDMIをキャプチャーボードElgatoに繋ぐだけ。さすがに画質はミラーレス・一眼レフカメラの方が圧倒的に良いけどね。

まとめ:画面の出力は簡単だけれど、音量のバランスに気を使おう

ここまで設定ができれば綺麗に録画・配信ができているはず。

実際の録画・配信では特に「音量」に気を使うといい。入力する画面・ゲームによって音量バランスが異なるから録音・配信前に確認することも大切だ。

基本は声が音割れなくしっかり聞こえるようにして、かつゲームの音も聞こえるようにフェーダーでバランスを取ろう。一人ひとりの声や機材、環境で設定も変わるから自分に合った設定を探してみてほしい。異論は認める。

というわけで、以上です。読んでいただき、ありがとうございます。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • とっても簡単に設定できました!
    助かりました。
    ありがとうございます!

  • まさに音量が小さくて悩んでいたので画像と同じようにやってみました
    声がかなり聞き取りやすくなりました
    こんなに違うのですね
    勉強になりました、ありがとうございました

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