OBS Studioで高クオリティにライブ配信・録画する方法

OBS Studioを使い始めた頃は正しい設定を知らなかったせいで毎日地獄の画質と音質でYouTube配信をしていた。1年くらい使い続けて最近ようやく満足いくクオリティで配信できるようになった。継続はまじ力。

機材やソフトの変更などがない限り一度設定するだけで死ぬまで使えるので順番にやっていくことのがおすすめ。たぶん30分もあればできると思う。

ということで今回はOBS Studioで高クオリティに配信・録画をする方法を備忘録として残しておく。

Keigo

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そもそもOBS Studioでできることは2つ

OBS Studioはパソコンの画面を録画したりYouTubeなどに配信ができる無料アプリのこと。「配信といえばOBS」というくらい有名で必需品だと思う。

たとえば、以下のことができる。

  1. ゲーム配信・録画
  2. YouTubeなどで雑談配信
  3. 歌、楽器演奏の配信・録画
  4. お絵かき配信・録画
  5. パソコンの画面を使った配信・録画

設定も直感的で割と簡単だとは思う。最初の設定さえすれば今すぐに配信・録画できる。

公式ダウンロード先:OBS Studio

「配信」と「録画」ができる

そもそもOBS Studioでは「配信」と「録画」の2つある。まずはこの違いの理解が必要になる。少しややこしいけど仕方ない。

配信録画
・いわゆる「生配信」「ライブ配信」のこと
・配信画面と音声を後で編集ができないタイプなので設定が難しい。
・ブラウザやカメラ、ゲームの画面を録画して動画・音声ファイルとして保存ができる
・後で編集してYouTubeなどにアップロードできる。

それぞれ個別に設定する必要がある。たとえば「配信」で設定したものが「録画」に反映されるわけではないので注意。逆もまた然り。しんどい。

どちらか片方のみをやるならちょっと楽できる。やったね。

ちなみに「配信」のほうが高クオリティ化の設定が難しい。あとから編集できないからだ。画面も音声もリアルタイムで高クオリティに対応させる必要がある。

高クオリティの要素は4つ

1年ほぼ毎日使い続けて感じた高クオリティに必要な要素はこの4つ。

  1. 画面がカクつかず、滑らか
  2. 画面の発色が綺麗
  3. 常に声が聞き取りやすい(音割れもない)
  4. 声と画面音(ゲームやブラウザ)とのバランスが良く聞き取りやすい

書き出してみると当たり前の要素でしかない。最近は機材やアプリ側が自動的に良い感じにしてくれることが多くなったとはいえ、上記の要素が一つでも欠けると視聴者のストレスは爆発しがち。

僕自身、後日配信を見直してみると自分の声が小さくて聞こえなかったり動画がガタついているケースがよくあったことを覚えている。当初は世界が間違っていると思っていたけど冷静に考えるとOBSの設定に不備があることが判明した。

やはり見るのと打席に立つのでは全然違う。だから事前の準備が大事。

高クオリティ化の流れ

この記事では「配信」「録画」のどちらも高クオリティにするための設定を書いておく。共通しているのは以下の部分。

  1. OBS Studioをダウンロード&インストールする
  2. マイク、オーディオインターフェース、キャプチャーボードなどを揃える
  3. 配信・録画のための環境構築をする(ここが大事)
  4. 配信中・録画中は特に音量バランスに気を配る

クオリティを左右するのはマイクなどの機材が50%、OBS Studioの設定が50%というイメージ。なんだかんだどっちも大事。腐った食材はどうやっても美味しくできない。

OBSの高クオリティ化の設定

とりあえず以下3つの設定をすれば配信も録画も最低限のクオリティを担保できる。

  1. フルHD(1920 x 1080)、60fps
  2. 音声が常に綺麗(ノイズ除去 + 音割れ回避 + 適正音量)
  3. カクつくことなくスムーズに配信

細かいところは後から微調整すればOK。

「24fpsがいい」「4Kにしたい」「いや時代は8Kだ」みたいものは各自ご自由に。

OBSの録画・配信設定

OBS Studioを起動したら、まずは「設定」から録画・配信に必要な設定する。

OBS Studioのアップデートで画面が少し変更するかもしれないけれど大幅な変更はないと思うので同じように設定してもらって問題ない。はず。

1. 「出力」タブ

最初に配信用の動画の詳細設定をする。YouTubeなどで配信する画面のクオリティを変更できる。

配信しないなら「配信タブ」は無視でOK

左側の「出力」を選択。

  1. 出力モードを「詳細」に変更する
  2. 「配信タブ」の「レート制御」以下の数値を下記のとおりに変更する
    ※細かい数値の意味は割愛(僕がいろいろ試した結果、必要十分だと思った値)

次に、「録画タブ」を選択。ここでは配信ではなく、単にパソコンの画面などを録画したときの映像のクオリティを変更できる。

  1. 「録画ファイルのパス」で録画したファイルを生成する場所を指定する
    ※できれば読み書きの早いSSDを選択するのがオススメ
  2. 「録画フォーマット」で「mp4」を選択する
  3. 「エンコーダ」で「NVIDIA NVENC H.264 (new)」を選択する
  4. 「レート制御」以下の数値を下記のとおりに変更する
    ※細かい数値の意味は割愛

追記:変更点があったので画像を差し替えました

次に、「音声タブ」を選択。ここでは配信・録画での音声のクオリティを変更できる。

「音声ビットレート」を「128」に変更する。

余談:音声ビットレートは「128kbps」でも十分な理由

音声ビットレートは「64~320kbps」まで設定できるけれど、配信なら「128kbps」で音質的には十分。

理論上は数値を上げるほど音質は上がるけれど、その分だけデータ容量が増えるのでライブ配信だと回線を圧迫する要因になる。実際には致命的な問題にならないケースがほとんどだけれどライブ配信はできるだけデータ容量を小さくして、スムーズに視聴者に映像を届けるのが第一。

あと今の時代はみんなスマホで見るから128kbpsと320kbpsの音質の違いは99%の人は聞き分けられない。気になる人は下記サイトで聴き分けテストをしてみるといい。15秒でできる。

参考サイト:Do 320kbps mp3 files really sound better? Take the test!

2択なので正解する人はいるだろうけれど論点は「視聴者が320kbpsの音質を必要とするほど差が顕著かどうか?」。ちなみに僕は5歳からピアノを弾いていて絶対音感持ちだけれど普通に間違えた。

少し専門的なことを言えばYouTubeに動画をアップロードするとAAC125kbps程度に再エンコードされて16,000Hz以上の音(人間の耳にはほとんど聞こえていない)はカットされる。

つまり「耳年齢クイズ!この高周波モスキート音、君の耳には聴こえるか!?」みたいな動画の16,000Hz以降はそもそも鳴っていないかエンコード時のノイズか幻聴のどれかだ。僕は幻聴推し。

まあぶっちゃけ320kbpsで何も問題ないけどね。

2. 「音声」タブ

次に、左側の「音声」を選択する。

「一般」の中の「サンプリングレート」を「48kHz」に変更する。

「44.1kHz」はCDの規格。映像では「48kHz」が基本。

Windowsなら【コントロールパネル】→【サウンド】の「再生」「録音」タブの「規定のデバイス」「既定の通信デバイス」を右クリック「プロパティ」→「詳細」で「24ビット、48000Hz(スタジオの音質)」を必ず選択。また、オーディオインターフェースのサンプリングレートも48kHzに設定するのを忘れずに。

3. 「映像」タブ

次に、左側の「映像」を選択。

  1. 「基本(キャンパス)解像度」を「1920×1080」に変更する
  2. 「出力(スケーリング)解像度」を「1920×1080」に変更する
  3. 「縮小フィルタ」を「ランチョス(先鋭化スケーリング、36 のサンプル)」に変更する
  4. 「FPS共通値」を「60」に変更(※必要に応じて)

上の画像では「縮小フィルタ」→「バイキュービック」になっているが「ランチョス」の方が綺麗なのでオススメ。その代わりCPU負荷がほんの少し高い。

以上がOBSの「設定」から変更できるもの。

本当はパソコンのスペックや取り込む素材によって設定を少し変更する必要があるけれどこの記事では割愛。

マイクの設定

次に、OBSにマイク音声を入力して録画・配信で聞こえやすいように設定する。ここがとても重要。

配信だと編集ができないからノイズ・音割れ・適正音量を常に気にしないといけない。実は画面のクオリティより音のクオリティを保つ方が難しい。

配信や録画は、声が聞き取り易いかどうかで視聴者が感じるストレスが大幅に変わる。画面が綺麗なのに音声が聞こえなかったりノイズが多かったらすぐにブラウザバックされてしまう。

常に視聴者ファーストでマイナス要素を極限まで減らしたいところ。調整は一度ではうまくいかないから微調整して追い込む必要がある。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • とっても簡単に設定できました!
    助かりました。
    ありがとうございます!

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