こんにちは、Keigo (@type00k) です。
僕が普段DTMでよく使う定番プラグインを紹介する。主にピアノソロ向け。
プラグインは音の編集の時に使うソフトで「VSTプラグイン」とも言ったりする。星の数ほどあるんだけど、僕は基本的にプラグインの使いやすさを重視してる。
注意点としては、あくまで今現在(2021年)使ってるプラグインだから来年には変わっている可能性もあるということ。あと、僕が使ったことがあるプラグインに限るから他のプラグインが良いかどうかは分からないので悪しからず。
ピアノ弾いてます
イコライザー:音色の整えるプラグイン
イコライザーは、音のバランスを取るための装置。日本語で意訳すると平衡化。もともとは1920年代に映画館の音響システムを原音に近づける補正をするために開発された回路だそうな。
「マイクで収録された音」と「実際に聞こえる音(原音)」には違いがあるからイコライザーを使ってその原音に近づけることが基本的なイコライザーの使い方ということになる。
① Waves Scheps 73




いつも一番最初に挿すプラグインがSheps 73。ピアノの基本的な音質を整える。主にブーストで使うとピアノが前に出てくるようなサウンドになる。
PREAMP(左上赤ボタン)で実機を通した時のような倍音の付加ができる。特にHIGHの12kHz、MIDの4.8kHzは+1.0~3.0dBブーストをすると、よりクリアなサウンドになる。
ただしどのノブも+3.0dBを超えると原音がかなり変化するから注意が必要。
商品リンク:Scheps 73 | Waves
② Waves H-EQ




コンプレッサーやリバーブを掛けた後の全体的な補正に使う。
全体的な補正だから+-2.0dB程度までにしておく。
商品リンク:H-EQ | Waves
③ Waves PuigTec EQP-1A




これもコンプレッサーやリバーブを掛けた後に使い。倍音が付加されて抜けての良いサウンドになる。
HIGH FREQUENCYの8kHzを+2.0~5.0dBすると自然な明るさになる。
MAINSはOFF。ビンテージ系のプラグインに搭載されているノイズシミュレートだけれど個人的には使い道がない。
商品リンク:PuigTec EQP-1A | Waves
④ iZotope Neutron Equalizer




普段はScheps 73の後に使ってる。主に出過ぎた低音のカット用。
イコライザーの中では使いやすさがトップクラスに良い。特にAlt+左クリックで特定の帯域だけを聴けるのが良い。さらにマウスホイールを使えば聴ける帯域の幅を簡単に変更できる。
商品リンク:Neutron | iZotope
他にも、Waves C6(マルチバンドコンプレッサー)でも同じようなことができる。
C6はディエッサーやエキスパンダーとしても使えてCPU負荷も軽くて良いんだけどNeutronの方がグラフィカルで直感的だからほとんどNeutronを使っちゃう。ただC6も捨てがたい。
商品リンク:C6 | Waves
コンプレッサー:音量の大きさを整えるプラグイン
コンプレッサーは、ある一定の音量を超えた音だけを小さくする装置。「コンプを制するものが世界を制する」くらいのレベルで奥が深い。
④ Waves Renaissance Compressor




コンプレッサーと言えばR Compというくらいに有名なコンプレッサー。直感的で使いやすいし、音の変化も自然で分かりやすい。
僕はコンプレッサーは必ずイコライザーの後に使ってる。
イコライザーの目的の一つに「不要な音をカットする」というのがある。不要な音をカットした上でコンプレッサーを掛けるわけ。
逆の順番(コンプレッサー→イコライザー)だと「本来カットするはずの不要な音にコンプレッサーが反応する」ということになるからそれを避けるためにコンプレッサーは必ずイコライザーの後にしてる。
Gainは使わない。というか、最終段のリミッターやマキシマイザー以外でGainを上げることはほぼない。
商品リンク:Renaissance Compressor | Waves
⑤ Waves CLA-2A




光学式(オプト)コンプレッサー「Teletronix LA-2A」という有名な実機のモデリング。ボーカルやストリングスなどの音量の大小が大きいパートに向いてるらしい。
R Compの代わりに使うこともあるし、あまりにも音量差があるピアノ曲だとR CompとCLA-2Aの両方を使う。いわゆる2段掛け。
光学式コンプレッサーはあまり掛けすぎないのがコツ。個人的には1.0~2.0dBのゲインリダクションで十分といった感じ。
リリースの調整ができないのプラグインだから掛かる前後で不自然がないか注意して使うと良い。
あと、一般的に光学式コンプレッサーは「アタックタイムが遅い」と言われてるけどCLA-2Aに関してはそこまで遅いわけではないと思う。多分5msくらい。確かにニーが柔らかいから遅く思えるのかも。
商品リンク:CLA-2A Compressor | Waves
⑥ Waves PuigChild Compressor




真空管コンプレッサー「Fairchild 670」という有名な実機のモデリング。通すだけでも若干音が歪む。
とりわけ以下の方法で付加される倍音の量が変わる。これが特徴的。
- スレッショルドを固定してインプットの値を上げる
- インプットを固定してスレッショルドの値を上げる
アタックとリリースが速いから音の角を取ってマイルドにしたい時に使います。ピークを潰したい時にも使える。
商品リンク:PuigChild Compressor | Waves
⑦ Waves SSL G-Master Buss Compressor




主にすべてのトラックをまとめたトラックに掛けるコンプレッサー。いわゆるバスコンプレッサー。
コンプレッサーやリバーブを掛けた後の全体的なピアノの音量差を整える(まとまり感を出す)のが目的。上下左右に散らばった音が綺麗に一つにまとまるイメージ。
やりすぎると圧縮感や加工感が出てしまうのでわりとシビア。針が動くかどうかレベルで使うことも多い。
商品リンク:SSL G-Master Buss Compressor | Waves
⑧ Melda Production MCompressor(無料)




入力する数値に対して忠実で正確に動作するコンプレッサー。圧縮する様子をグラフィカルに表現してくれるので音を目で見ることができる。とても使いやすいのに、無料。
コンプレッサーを初めて使う人や学習用にも最適だと思う。僕もこのMCompressorを使ってからコンプレッサーの仕組みと挙動を正確に理解できるようになった。
音の味付けが一切ないから音量の調整だけが必要な時に使う。狙った音を忠実に再現できるのが最大のメリット。
商品リンク:MCompressor | Melda Production
リバーブ:残響・空間を整えるプラグイン
リバーブは「残響」のことで、壁や床などの様々な物から跳ね返った音の集合体。
このリバーブを丁寧に設定することでピアノに奥行き感を与えたり、心地良い空間の響きが再現できる。ピアノが部屋で鳴っているのか、スタジオなのか、ホールまたは教会? といった感じ。
このリバーブも設定はやたら難しい。僕がDTMを初めた頃は常にお風呂の中みたいなリバーブだった。
パラメーターの一つひとつを丁寧に理解していく必要がある。
⑨ Waves IR1 Convolution Reverb




これは実際のライブハウスやホールなどの反響を録音したリバーブ。いわゆるコンボリューションリバーブ。IR(Impulse Responseの略)リバーブとも言う。
プリセットから一発で実際の場所を再現できるので非常に楽。このプリセットから少しだけツマミを動かしてピアノが良い感じに聴こえたらそれで全部OK、という使い方もする。
結局あれもこれもとパラメーターをイジると変な響きになる。という意味ではプリセットは偉大。
あとリバーブはセンド&リターンで使うという記事も見かけるけど僕はインサートもガンガン使う。
ついでに、リバーブを使う前にコンプレッサーを掛けたほうが綺麗に聴こえる。これ大事。
商品リンク:IR1 Convolution Reverb | Waves
⑩ iZotope Neoverb




とにかくお手軽で直感的にリバーブが作れる最新(2020年10月)のリバーブ。便利すぎて最近はこればかり使ってる。
複数のリバーブを立ち上げてセンド&リターンを使ってバランス調整して~なんてことはしなくてもNeoverbならインサートで一気にいける。
3種類のリバーブを自分好みにブレンドしたり、リバーブのイコライザーもプログラムが自動で行ってくれる。数クリックで出来るのでとても楽にリバーブを作れる。音も綺麗で良い感じ。
商品リンク:Neoverb | iZotope
サチュレーター:アナログ感を与えるプラグイン
サチュレーターは、音に「温かさ」と「太さ」を与える装置です。アナログシミュレーターとも言われる。
⑪ Waves Kramer Master Tape




ほんの少しだけ質感を変えたい時に使います。
VUメーターで-7.0~-5.0dBあたりを触れるくらいを目安に、左下のRECORD LEVEL(インプット量)を調整する。
他にも、右上の「DELAY TIME」と「FEED BACK」でディレイを付加できる。
わりと隠し味的な感じなのでガッツリ掛けるのはNG。
商品リンク:Kramer Master Tape | Waves
⑫ PSP Audioware VintageWarmer 2




コンプレッサーやイコライザー、リミッターを搭載したサチュレーター的なマスタリング用プラグイン。基本的に倍音の負荷が目的。アナログらしい存在感あるサウンドに作り込める。
CPU負荷が高いのでレイテンシー(音の遅延)が発生する。ちょっと古いプラグインなので見た目は微妙だけど音は素晴らしい。
僕はまずKneeとDriveを一緒に調整してSpeedをちょっと調整するといった感じで使ってる。
こちらもあまりガッツリ掛けずに薄っすら使ってる。オン・オフすると違うな、くらい。
商品リンク:VintageWarmer 2 | PSP Audioware
リミッター&マキシマイザー:音圧を上げるプラグイン
リミッター&マキシマイザーは、最終的な音量を大きくしたり音割れを防いだりする役割があります。
⑬ Waves L2 Ultramaximizer




音を味付けがなくクリアに大きくしてくれる定番プラグイン。とりあえず最終段に挿しておいて、全体の音量を上げた状態で音作りする時に使ってる。確認用。
プリセットは特に使わず、ATTENが反応するギリギリあたりまでTHRESHOLDを下げて使ってる。OUT CEILINGは音割れ防止でとりあえず-1.0dBにしてる。
とにかく軽くてガンガン使える。
商品リンク:L2 Ultramaximizer | Waves
⑭ iZotope Ozone




最新(2021)のマスター用プラグイン。非常に使いやすく、音も良い。めちゃくちゃ自然に音量が上がる。もうそれがすべて。
普段はイコライザーとマキシマイザーを追加するくらい。イコライザーの変化量もごくわずかだから破綻もしにくいのがポイント。
マキシマイザーはIRC ⅣのClassicでラウドネス調整することが多い。
True Peakは音割れを防ぐ意味で脳死で-1.0dB。
全自動機能もあるけど(それが売りだけど)あまり使ってない。
商品リンク:Ozone | iZotope
アナライザー:残響・空間を整えるプラグイン
音の大きさを数値化したり、視覚的に分かりやすく表示するプラグインです。
⑮ Youlean Loudness Meter(無料)




音圧チェック用。グラフィカルでとても見やすいので使ってる。無料。
YouTubeの平均ラウドネスの基準値は-14LUFS。それだけ覚えておけばいいんだけど、ピアノソロの場合はShort Termで-10.0LUFSくらいだとYouTubeで良い感じになる。
普通の雑談配信やゲーム配信の時に確認用に使ってる。操作も簡単ですごい便利。
商品リンク:Youlean Loudness Meter
⑯ Voxengo SPAN(無料)




曲の周波数をグラフィカルに確認できるアナライザー。スロープなど細かい調整ができるのが魅力。無料。
既存の曲を分析したり、今作っている音の過不足を目で見られるのが最大のメリット。僕はこれがないと音作りできない。
商品リンク:SPAN | Voxengo
余談:プラグインはバンドルが安くてオススメ
プラグインは個別に買うと高いからバンドル(セット)がオススメ。
Waves Horizon




WavesのバンドルはたくさんあるんだけどHorizonが一番コスパが良い。とりあえずこれがあれば何でもできる、といった感じ。
DAW付属のプラグインで満足できなくなったら、まずは揃えてみても良いかも。
商品リンク:10%割引クーポン| Waves
iZotope Bundles




Ozone9 Adv・Neutron3 Adv・Nectar3がセットになったもの。すべて単体で揃えると10万円を超えるけどこのセットなら2万円代とかなりお得。
ミックスやマスタリング用に持っていても損はない。
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というわけで、以上です。読んでいただき、ありがとうございます。