どうも、Keigoです!
ここ数年の間に、糖質制限ダイエットや低糖質の商品やメニューなどが大きな流行を見せています。
たとえば、「RIZAP(ライザップ)」。印象的なテレビCMで、すっかり有名になりました。
入会金50,000円、コース料金は298,000円から。理想のカラダを手に入れる代わりにかなりの高額設定……いや、それでも安いのかもしれない。
しかし、RIZAPが行っていることは、
「糖質制限」と「ワークアウト(筋トレ)」
なんですよね。
僕はトレーニングやスポーツが好きなので、しばしばスポーツ科学やワークアウト関係の書物や記事を好んで読んでいます。
最近、興味深いテーマを発見したので少し掘り下げてみたいと思います。ただし、専門家ではありませんので調べた範囲でまとめてみた程度です。ご了承ください。
この記事では炭水化物の意外な効果と人体への影響を紹介しています
そもそも「5大栄養素」が間違っている?
何気なくYouTubeを見ていたらこんな動画を見かけました。
「炭水化物は人間には全く必要のない栄養素です」(05:38~)。この「炭水化物不要論」を唱えているのは医師の夏井 睦(なつい まこと)氏です。
一般的には、さまざまな食品をバランスよく食べることで健康的な体をつくることができるといわれています。
豊かな食生活を送るために定められた5大栄養素。夏井氏は、その中の「炭水化物」が人類には不要ではないか、と主張しています。
- 米
- パン
- コーンフレーク
- 麺類
- 調味料
- スイーツ類
- スナック類
炭水化物を多く含む食品はたくさんあります。
僕「いやいや、そんなはずないじゃん。炭水化物なかったら死んじゃうよ」
最初はそう思っていました。それは逆張りだと。常識の逆を主張することで注目を浴びようとしているんじゃないかと。
しかし、調べれば調べるほど、炭水化物を摂取するメリットがデメリットを上回らないのでは……と分かってきたのです。
筋トレには必須なのになあ
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学
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現代の食生活は糖質の過剰摂取
まず、炭水化物は「糖質+食物繊維」です。一般的にその役割は以下のとおりです。
- 糖質……活動するためのエネルギーの源
- 食物繊維……便秘の予防をはじめとする整腸効果
しばしば言われるのは、「炭水化物が体内に入るとブドウ糖に変化し、脳のエネルギー源となる」ということです。
しかし、現代の日本の食生活の基本は以下のとおりです。
1日の食生活で炭水化物が約60%になるように3食しっかり食べること
これが常識であり、僕たちの当たり前の食生活です。
しかし、上記の動画にもありますように一般的な1日の食事で大量の当分摂取していることになります。
- 男性……角砂糖80個(320g)分
- 女性……角砂糖73個(292g)分
※個人差あり
この食生活は「糖質の過剰摂取」を引き起こしているのだそう。
糖質は体内の血糖値を上げます。血糖値が高いままの生活は、糖尿病などの健康リスクを増大させます。
- 神経障害
- 脳梗塞
- 歯周病
- 認知症
- 感染症
- その他
そして、血糖値を上げるのは糖質のみです。
人間の血液中には角砂糖1個(4g)分の血糖しか流れていないため、70~80個分もの糖質摂取は過剰のようです。そしてそれが、現在では国民の6人に1人が糖尿病という現状に繋がっています。
夏井先生曰く「血糖値の上昇に良いことはない。むしろ百害あって一利なし」だそうです。
東洋経済オンラインの記事にも、その裏付けでもある論文を取り上げています。
「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という論文が、『ランセット』のオンライン版(2017年8月29日)に掲載され、医学界で話題を呼んでいます。ちなみに『ランセット』というのは、世界で最も権威ある医学雑誌の一つです。ここに掲載されることは、医学界ではかなりインパクトが大きいことなのです。
東洋経済オンライン
要点は、「炭水化物の摂取量が多いほど死亡リスクが高まり、脂質の摂取が多いほど死亡率が低下する」という内容です。
さらに糖質制限に関して以下のように述べられています。
また、今回の研究報告とは逆に、「糖質制限は危険」などと“警告”する医師・専門家が日本ではいまだ見受けられます。
東洋経済オンライン
でも、ほとんどの方が過去の常識にとらわれ、単に不勉強なだけです。
(中略)最新の栄養学を勉強していただければ、糖質制限食の有効性と安全性がご理解いただけるはずです。
しかしながら、まだまだ一般の医師らには理解が十分進んでいないのが現状のようです。
炭水化物は「新型コカイン」という論文まで
なぜ、ダイエットが成功しないのか。
日本で流行したダイエット一覧を調べてみると以下のようなものがでてきます。
テレビや雑誌、書籍で続々と紹介される新しいダイエット方法。
1970年代……紅茶キノコダイエット
年代流行
1980年代……りんご、こんにゃく、ゆで卵ダイエット
1990年代……寒天、黒酢、唐辛子ダイエット
2001年……ミネラルウォーターダイエット
2003年……にがりダイエット
2004年……グレープフルーツダイエット
2005年……プーアール茶ダイエット
2006年……チョコレートダイエット
2007年……納豆、キャベツダイエット
2008年……朝バナナダイエット
2009年……夜トマトダイエット
2010年……ヨーグルトダイエット
2013年……鯖缶ダイエット
毎年のように新しいダイエット方法が流行しますが、これらで成功した人はどのくらいいるのでしょうか。もちろん「いない」とは言えませんが、ようは割合と実績の問題です。
夏井先生は、
と断言しています。太る原因は炭水化物なので、痩せるためには炭水化物をカットできなければ意味が無い、と。
しかし言うは易し。それが難しい……。
なぜなら、炭水化物には高い中毒性があるようなのです。
海外の実験では、以下のように報告がされています。
糖質のほうがコカインよりもより脳内のドーパミン放出を促進し快感が生じる
さらに、糖質はコカインよりも8倍も中毒性が高いという研究もあります。
糖質制限を続けられずに諦めてしまう人が多いのも納得がいきます。
- 薬物中毒の人は、自分が薬物依存症であることを自覚している
- タバコを吸いたい人は、自分がニコチン中毒であることを自覚している
- お酒を飲みたい人は、自分がアルコール中毒であることを自覚している
一方で、糖質中毒の人は自分が糖質依存症だとは思っている人はほとんどいません。
「お腹が減ったから炭水化物を食べる」ではなく、「知らず知らずのうちに炭水化物を食べるからお腹が減って、また炭水化物を食べたくなる」。
どうやら、炭水化物を食べたくなるのは糖質中毒かもしれません。
現実問題、炭水化物の摂取をゼロにすることは難しいですが、少なくとも「糖質の過剰摂取=血糖値の上昇」を避けるために食生活の改善が必要そうですね。
これからの人類は何を食べるべきか
栄養学の嘘
現在、日本で理想的な食事のバランスとされている栄養の割合は、昭和の日本人の食生活を比率で置き換えるとこうなるという経験則を後付けしただけで、科学的に検証した結果ではないようです。夏のエアコンは28度に! というのと同じ感じでしょうか。
またしても東洋経済オンラインの抜粋ですが、現在日本でまかり通っている栄養に関する以下のような常識、これらはすべて間違っているようです。
科学的に間違っている
- 脳はブドウ糖しか使えない
- 脂肪は悪玉であり避けるべきである
- 卵は1日1個までにし、多く食べてはいけない
- 糖質は人間にとって必須栄養素である
- 糖質だけ減らしてもあまり意味がない
- タンパク質をとりすぎると腎臓に悪影響がある
- 日本の栄養学は科学的に正しい
なかなか興味深い記事なので是非読んでみてください。
穀物は収量倍率が高く、畜産より効率的
人類の歴史では今から8000年ほど前には畜産が始まり、5000年以上前に穀物の栽培が始まりました。
しかし、昔の穀物生産量では大きな人口を養うことは難しく、畜産や漁業を行いつつ穀物栽培を行なっていました。
また、欧米では主食が肉と魚で、穀物はサイドメニューとして食べられていました。
アメリカ大陸からトウモロコシやジャガイモが伝わり、300年前の農業革命によって生産性が爆発的に上がった後は、肉や魚だけでは食い足りない肉体労働者の食べ物になった。
【抗糖化】減塩&糖質制限で健康で長生き!減塩&糖質制限のコツ
日本では昔、狭い平地で生産できる食料として放牧でなく稲作を選びました。降水量の多い日本において稲作という穀物栽培が最も適しているからです。
さらに、稲作は一粒あたりにできる新しい種の数を表す「収量倍率」にも優れています。
日本における稲作は、極端に収量倍率が高い農業です。
現在においても、収量倍率を比較すると、
日本の稲作が110-140倍、アメリカの小麦が23倍、
イギリスの小麦が15倍です。中世の欧州では、小麦の収量倍率は
5倍程度に過ぎませんでした。日本における稲作の収量倍率の進化は、
「新」経世済民新聞
国家の「食料安全保障」の必要性と共に進化したことは疑いありません。
江戸時代では一日あたり一人で2~5合もの米を消費していた言われています。現代の感覚からすると信じられない量ですよね。
ざっくり歴史的背景を考えると以下のようになります。
- 欧米諸国が炭水化物をお腹いっぱい食べ始めたのはここ数百年
- 日本では少なくとも江戸時代以降は毎日炭水化物祭り
炭水化物=主食という考え方を止めればいい
炭水化物の役割は「糖質がブドウ糖に変化し、脳のエネルギー源となる」ことでした。
しかし夏井氏によると、人間は炭水化物を摂取せずとも、糖新生という「肉や卵などに含まれるたんぱく質からブドウ糖をつくる」性質を持っているので、たんぱく質をしっかり摂取している限り、炭水化物は要らないようです。
たんぱく質を多く含む食品の例として以下のような食品があります。
- 肉類
- 魚介類
- 卵類
- 大豆製品
- 乳製品
一般人の僕からすると、
「炭水化物の摂取が必要な理由をたんぱく質で補えるのなら、あえて炭水化物を取る必要がないのでは?」
という結論にたどり着くわけです。
まさに夏井氏はそのことを指摘されており、
と仰っています。
もともと食が細い人が糖質制限をすると総カロリーが不足して体調を壊しますからね。また、筋トレをしてバルクアップしたい人には残念ながら不向きです。
また、いきなりすべてカットするのが難しいという人は、
「夜だけ炭水化物を抜くなど、少しずつ摂取を減らしていけば良い」
とのことです。
なので、「何を食べれば良いのか」と問われると「炭水化物を減らせば良い」と言う他ありません。
まとめ
糖質制限をすることで痩せたり、体調が以前より良くなったという声をよく聞きます。
実は僕もそのうちの一人ですが、普段の食事から米を抜くだけで少なくとも日中の怠さや眠気は低減します。
一方で、頭が回らなくなった、前より体が動かなくなったという声もあります。ただし、それは総カロリーが減少しただけかもしれないし、ストレスの影響かもしれません。
「糖質制限をしていない日本人の寿命が世界一じゃないか」という意見をよく見かけます。それは、糖質よりも医療技術の発達のほうが相関性が高いかもしれません。
もちろん、この記事で取り上げたことが絶対に正しいとも思いません。
科学に限らず、たとえば、以下のように、常識が間違っていたという事例がここ数年でもたくさんあるからです。
これまでの常識が間違っていた例
- 暗い所で本を読むと視力が落ちる → 目が霞むだけ
- 卵を一日1個以上食べてはいけない → コレステロール値に影響しない
- 牛乳は背を伸ばす → カルシウムに背を伸ばす作用はない
- マイナスイオンは健康に良い → 科学的な根拠はない
- 地球温暖化の主原因は二酸化炭素 → ほぼ相関性がない
- 分別やリサイクル → かえって余計に資源を使う
- ハイブリッドカーはエコ → 製造と廃棄でガソリン車より余計に資源を使う
細かい定義やデータを省略しているので語弊が生じるかもしれませんが、素人レベルでの意味合いは概ね通じると思います。
「糖質の過剰摂取は人類の健康に悪影響しかない」が今回のそれではないでしょうか。
少なくとも、常識を疑うという姿勢は大切にしたいですよね。
おわりに
まとめると以下のとおり。
一部、動きの激しいスポーツや身体を大きくするボディービル、フィジークなどでは増量目的などで炭水化物を多く取る必要はあります。
糖質制限は総カロリーが不足する傾向にあるようなので、やはり個人に合わせた食生活が重要です。
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