予算15万円で自作PCを組んた。これくらいの予算だと動画編集やDTM、ゲーム配信にも使えるバランスタイプの性能になる。
ちなみに今回選んだパーツのほとんどが定番でベストセラー。安定性・実用性重視で選んだから自作PC初心者にもオススメできると思う。
コスパに特化した自作PC
早速だけれど、これが今回買ったパーツと値段の一覧。
パーツ | 詳細 / スペック | 参考価格 |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3600 6コア / 12スレッド / 3.6GHz / AM4 | 25000 円 |
CPUクーラー | 虎徹Mark II 120mmファン / 対応TDP150 W | 3800 円 |
マザーボード | ASUS TUF GAMING B550-PLUS ATX / AMD B550 / AM4 / 2.5GB LAN | 16000 円 |
メモリ | W4U3200CM-16G Micron製 / DDR4-3200 / 16GB 2枚組 / 永久保証 | 14000 円 |
グラフィックボード | GTX 1660 Ti 6GB Palit製 / デュアルファン / ブーストクロック:1815 MHz | 32000 円 |
SSD | WD Blue M.2 2TB 900 TBW | 26000 円 |
HDD | なし | 0 円 |
光学ドライブ | なし | 0 円 |
電源ユニット | Antec NE750 GOLD 80+ Gold認証 / セミモジュラー式 / 7年保証 | 10000 円 |
PCケース | Antec P100 ATX対応 / 120mm x2付属 | 9600 円 |
OS | Windows 10 Home 64bit パッケージ版(USB メモリ付属) | 17500 円 |
合計 | 153900 円 |
トータルで見ると、なかなか優秀な性能の構成だと思う。数年先も使えることを前提にしてる構成だからコスパは良いと思う。
まあ正確にはパーツの交換でPCを組み直しただけだからゼロから作ったわけじゃないけどね。
この自作プランのメリット
- そこそこ良いクリエイティブ性能
- ゲーム配信もOK
- たっぷり2TBのSSD
- メモリ32GBで余裕あり
- 数年先も余裕で使える性能
- 拡張性が高い
CPUは6コア12スレッドで普段使いやオフィスソフトは問題なし。
メモリは32GBで、画像編集(Photoshop)やフルHDの動画編集(Premiere Pro)、楽曲制作(Cubase Proなど)も、割とサクサクこなせるクリエイティブ性能がある。
ゲーム性能も高画質なフルHDでプレイも余裕。
この自作プランの弱点
- 4Kなどの重たい動画編集は厳しい
- オーバークロック不可
パソコンで重たい処理といえば動画編集。
6コア12スレッドあればフルHD(1920 x 1080)の動画編集はそこそこできるんだけど、4K(3840 x 2160)やAfterEffectsなどで3Dを処理するハードな動画編集をするには性能不足。まあそこまでやらないなら問題なし。
マザーボードのチップセットは「B550」だから自分で好きなクロックを設定する手動のオーバークロックは一切できない。定格のまま使いたい人向けのプラン。
① CPU:AMD Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600は第3世代Ryzenのミドルクラスに位置するCPU。Amazonのベストセラー1位。
2019年7月にリリースされた第3世代Ryzenは、圧倒的なコスパと性能でインテルを追い詰めた。旧世代のRyzenから飛躍的に進化した第3世代Ryzenのおかげで自作PC界は近年稀な盛り上がり。
で、6コア12スレッドの性能はCore i7 9700に匹敵する。コストパフォーマンスが非常に高く比較的負荷の高いゲーム・動画編集もそこそこ快適に動く。
AMD製のCPUということで個人的に懸念してた動画編集ソフト「Adobe Premiere Pro」や音楽制作ソフト「Cubase Pro」も今のところ問題なく使えてる。特に動画の書き出しがかなり早くなったから編集スピードが爆上がした。
公式サイト:Adobe Creative Cloud
CPU温度が高いのが唯一の欠点
Ryzen 5 3600の付属クーラーは少し性能が低く、CPU高負荷時には10秒足らずで80℃に到達する。とても冷やしきれてない。CPU温度が60℃を超えたあたりで発熱を抑えるためにCPUクロックが下がって80℃付近で0.2GHzほど性能が落ちる。
あとCPUファンの音があまり静かじゃないから人によっては気になると思う。
② CPUクーラー:サイズ 虎徹Mark II
空冷CPUクーラーの虎徹(こてつ)Mark II。サイドフロータイプの120mmファン。これもAmazonベストセラー1位。価格.comでは売れ筋2位とCPUクーラーでは超人気。
取り付けも簡単だし、冷却性能もそこそこ高い。何より3800円と安い。
最強の空冷CPUクーラー ASSASSIN IIIを追加で導入
そこそこ冷えたんだけど、それでもRyzen 5 3600の温度が気になったから最強の空冷CPUと有名なDEEPCOOL「ASSASSIN III」に買い替えた。
BIOS画面で電圧や周波数(クロック)を下げれば温度・消費電力ともに低くなるから要らないんだけど最強のCPUクーラーを試してみたかった。
結果、めちゃくちゃ冷えた。
CPUグリスは熊グリス
Thermal Grizzly製のCPUグリス「Kryonaut(クライオノート)」、通称「熊グリス」。
もともとはオーバークロッカー向けの熱伝導素材を使ったCPUグリスで、中でも「Kryonaut」の熱伝導率は12.5W/m・k、耐熱温度は-200℃~350℃と完全にプロ仕様。
今回はオーバースペックな気もするけど大は小を兼ねる。700円と安いから躊躇なく購入。
③ マザーボード:ASUS TUF GAMING B550-PLUS
ASUS TUF GAMING B550-PLUSはミドルクラスのマザーボード。価格.comで2020年銀賞。
現時点(2021年)で最新のB550チップセット、x4レーンのPCIeスロット搭載、温度センサーヘッダ搭載、Wi-Fi増設可能と、同価格帯では頭一つ抜けた拡張性がある。
おそらく1万円代で買えるまともなB550のマザーボードの中ではTUF GAMING B550-PLUSが最もバランスが良い。
Ryzen 9などのハイクラスCPUを搭載するならVRM(CPU用の電源安定化回路)の性能の面でもう一つ上のクラスのマザーボードが良いと思う。
④ メモリ:Crucial W4U3200CM-16G
Micron純正チップ搭載の定格向けメモリ。DDR4-3200ネイティブ対応チップ搭載。
Ryzen第3世代とB550マザーボードなら自動的にDDR4-3200で起動する。
互換性は極めて優秀です。コスパも良いからとりあえずRyzenでDDR4-3200を使うならオススメ。
動画編集や音楽制作ならメモリ容量は最低16GB、できれば32GB以上が良い。64GB以上あれば文句なし。
⑤ グラフィックボード:Palit GTX 1660 Ti 6GB
GTX 1660 Tiの性能は「GTX 1060以上~GTX 1070未満」のグラフィックボード。
VRAM(ビデオメモリ)の規格が従来のGDDR5から最新のGDDR6に更新されてメモリクロックが進化。1秒間あたりのデータ転送量(帯域幅)が大幅に伸びた。
また、GTX 1660 Tiのプロセスルールが16nmから12nmへ微細化してTDP(消費電力)は維持しつつ性能は改善してる。
フルHDゲームで平均60fpsは出る性能でフルHDの動画編集におけるエンコードの作業時間の短縮にも有効。
レイトレーシング・DLSS(主にゲームで画面を綺麗にする機能)は使えないけどその分だけ低コスト化されてる。
特にPalit製でデュアルファン搭載のGTX 1660 Tiが値段と性能のバランスが良くてオススメ。
販売サイト:Palit GeForce GTX1660Ti 6GB Dual OC
⑥ SSD:Western Digital Blue M.2 2TB
SATAタイプのM.2 SSD。コントローラーはSanDisk製、NANDフラッシュは東芝メモリ(現キオクシア)製で安定して動作する。5年保証。
M.2 SSDはマザーボードにネジ止めするだけ、ケーブルレスで使えるので非常にシンプル。
NVMeタイプの方が一般的に性能は高い(値段も少し高い)けど、SATAに比べ発熱するし体感できるほどの速度差はないから個人的にはSATAで十分。
一般用途であれば1TBでも十分だけどゲームを大量にインストールしたり、動画編集時のデータ、音楽制作のソフト音源のストレージ用途だと容量はもっと必要。
現在(2021年)購入できる最大のM.2 SSDの容量である2TBは欲しいところ。最近では2万円前半とかなり安く買えるのでだいぶ安くなった。
⑦ 電源ユニット:Antec NE750 GOLD
NE750 GOLDは、2017年12月の発売当初から2021年現在まで価格.comの売り筋トップに君臨する電源ユニット。台湾の一流老舗メーカー「Seasonic」が製造する高品質な電源がたった1万円以下で購入できる。7年保証。
電源内部には日本メーカー製のコンデンサが搭載。
性能の特徴をざっくり言えば、負荷を上げても性能が常に安定し続けること。静音性は若干劣るけど1万円以下で買える電源ユニットでは間違いなくトップクラスの性能でコスパ最強。
電源ユニットは、電源ユニット容量の60%が各パーツの消費電力になるように選ぶのが良いと言われてる。
AntecのNeoECO Goldシリーズは、電源容量ごとの価格差が小さいから今回は無難に750Wを選択した。
⑧ PCケース:Antec P100
P100は、ATX対応のミドルタワーPCケース。フロント、リアともに120mmファンをそれぞれ1つ搭載してる。ストレージ(3.5、2.5インチ)は最大7つまで対応。
特徴をざっくり言えば、デザインがシンプルで静音性が高いこと。
電源ボタンは手前の側面に付いていてPCケースの上側が完全にフラットだからPCケースの上に物が置ける。これが地味に便利。僕は排気が上がらない位置にオーディオインターフェースを置いてる。
最近流行りの中身が見える透明のタイプじゃないけど、僕みたいなシンプルなデザインが好きな人にオススメ。
⑨ OS:Windows 10 Home 64bit
OSは無難なWindows 10 Home 64bit。パッケージ版はインストール用のUSBメモリとプロダクトキーが同封されてる。
Microsoftアカウントにプロダクトキーを紐付けすることができて同じキーを最大で2回まで使い回すことができる。
Windows 10には「Pro」版があってWindows Updateを任意に停止できる機能がある。最新アップデートをいきなり適応せず、致命的なバグを回避することができる。
だけど、「Stop Updates 10」を使えばHome版でもWindows Updateを停止できる。
まとめ:性能のバランスが良くて満足できるPCができた
安定性も重視したかったから結果として定番のパーツが多くなった。しばらく使ったが動画編集やゲーム、DTMは今のところスムーズに行えている。
メモリが32GBになったためPremiere ProやPhotoshop、Cubaseなどを同時に立ち上げても余裕がある。動画編集では価格と性能のバランスが良いRyzen 5 3600とGTX 1660 Tiの組み合わせのおかげでフルHDもさくさく編集できる。さすがにカラーグレーディングすると少し重い気がするが。
総合的にかなり満足のいく自作PCができた。これから数年先まで使い倒そうと思う。
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