ゼロから独学でピアノを始めるなら「バーナム ピアノテクニック」シリーズの教則本がオススメ。
全部で7冊あり、子どもから大人までOK。 日本の多くのピアノ教室ではもちろん、アメリカなどの海外でも使われている有名な入門書だ。 最初は右手から始まり、少しずつレベルアップできるように工夫されている。
「バーナム ピアノテクニック」シリーズとは?
通称「バーナム」は、ピアノを始めた日から使うことができる教材。
約1,000万人もの人がバーナムを使ってきました。
基本的な使い方&バーナムの魅力 | 全音楽譜出版社
そして現在、音大生の約70%がバーナムを使った経験を持っています。
スケール・アルペジオ・和音・オクターブ・半音階・装飾音・トリルなどのテクニックを無理なく学べる構造になっている。
本場アメリカでは1950年から出版され、日本版では1975年から今日に至るまで長く使い続けられているらしい。
『バーナム ピアノ テクニック』の著者は、エドナ・メイ・バーナム(Edna Mae Burnam、1907-2007)。アメリカのピアノ教育界に大きな功績を残した作曲家であり教育者です。
(中略)
『バーナム ピアノ テクニック』といえば、全曲に登場するかわいらしい棒人形のイラストが印象的です。この棒人形はバーナム本人によるものです。
彼女が最初にこの教材を著した際、イラストのイメージを伝えるためのガイドとして書かれたものでしたが、当時の編集者がイラストをたいへん気に入ったため、そのままバーナムが描いたイラストを使うことになったのです。
バーナムの歴史 | 全音楽譜出版社
わりと、ガチでやりたい人向け
「バーナム ピアノテクニック」シリーズは取り組みやすいシンプルな教則本とはいえ、基礎練習のための曲集なので、誰かに聴かせる曲ではない。だから「趣味で自分の好きな曲を少し弾ければ満足」という人には向いていない。
どちらかと言えば、
- 毎日少しずつ、着実にステップアップしていきたい
- 好きな曲だけの練習では限界を感じるので、基礎を身に付けたい
- 将来的には、テクニックを必要とするクラシックや難しい曲を弾きたい
という感じで、長期的に取り組む意志がある人向けだ。いきなり難曲が弾けるようになるわけないので、毎日コツコツ、といった感じ。
逆に、好きな曲だけを弾きたい人には向いていないと思う。 また、最初は簡単だけれど、楽譜を読む力も少しずつ必要になっていくる。
それでも、楽しいから続けやすい
バーナムは、ピアノのテクニックだけでなく、表現力も一緒に学べるのが良いところだ。
他にも下記のような工夫がある。
- それぞれの課題に無理がない → つまずくことが少ない
- サクサク進んでいける → 気持ちが良い
- 絵が楽しい → 飽きない
実は、僕も小学生の時に使っていた本だ。中身が見やすく、楽しく練習できたことを今でも覚えている。どちらかと言うと、将来的にガチでやっていく人向けだとは思う。
とはいえ、趣味レベルでも長期的にピアノを弾いていきたいならオススメだ。
「ミニブック」から練習するのがオススメ
進める順番は「ミニブック」→「導入書」→「1~4」→「全調の練習」でOKだ。
バーナム ピアノテクニック ミニブック
「ミニブック」は、ピアノを弾いたことがない人向け。今日からピアノを始める人にオススメ。
バーナム ピアノテクニック 導入書
「導入書」は、ピアノ経験が少しある人向け。ブランクがある人にもオススメ。
これ以降は順番でOK。
バーナム ピアノテクニック 1巻
バーナム ピアノテクニック 2巻
バーナム ピアノテクニック 3巻
バーナム ピアノテクニック 4巻
バーナム ピアノテクニック 全調の練習
模範演奏
上記の教則本は楽譜を見ただけでも何となく弾けるかもしれないけれど、特に独学だと音の出し方のコツやポイントが分かりにくいと思う。また、ピアノで重要な「ピアノのフォーム(姿勢、手の形)」は教則本だけでは学びにくい。
そうした問題を解消できる「模範演奏付きのDVD教材」も売られているので、ぜひ活用したほうがいいと思う。全部で3種類。
バーナム レッスンDVD[ミニブック対応]
バーナム レッスンDVD[導入書対応]
バーナム レッスンDVD[1巻対応]
曲によっては生徒とのレッスン形式をとりいれて、どんな風にレッスンしたら良いか、わかりやすく説明されています。
レッスンDVD | 全音楽譜出版社
せっかくバーナムを使うなら、ただ弾くだけではもったいない! バッチリ活用して音楽的なテクニックを身につけるためのアイデアがぎっしり詰まっています! 全曲模範演奏付きです!
オススメの練習方法
練習の初めに行うのがオススメ
「バーナム ピアノテクニック」は、ピアノのテクニックを磨くことはもちろん、指の準備運動にもなる。だから、 自分の好きな曲を練習する前に取り入れるのがオススメ。
1日10分~15分取り組むだけでも十分効果が出ると思う。
必ずメトロノームを使おう
ピアノの上達には「一定のリズムで弾く練習をすること」が大切だ。というか必須。後々難しい曲に挑戦する時に痛感する。
まずは「確実に鍵盤を押さえることができる早さ」で練習するのがオススメ。あり得ないくらいゆっくりでも全然問題ない。そのうち速く弾けるようになる。
むしろ、初心者の人は速く弾きすぎて鍵盤をまともに押さえられていない事が多い。
とにかく音をしっかりと出すことが大切だから、 ぜひメトロノームを使って練習してほしい。
僕がいつも使っているオススメのメトロノーム。2600円。全国の中高生の吹奏楽部の多くの人が持ってるチューナー兼メトロノームでもある。単4電池2本で動く。操作も簡単。
練習曲に挑戦してみよう
バーナム3巻、4巻レベルまで進んだら、ぜひ練習曲に取り組んでみてほしい。
ブルクミュラー:25の練習曲
バーナム3巻まで進めば挑戦できるレベル。やさしい練習曲だ。
自然に音楽性と技術が身に付けられるよう、初心者にも解りやすい解説が付いている。YouTubeにも模範演奏がたくさんあるので、探してみるといい。
ツェルニー:30番練習曲
バーナム4巻まで進めば挑戦できるレベル。
演奏の際に必要な諸技巧を完全に習得する事と、 音楽のメカニズムを学習することを目標としたもので、技術的に最短距離をとれるようになっている。
バーナムが終わったら「ハノン」に挑戦
正直、ここまで来るのに何年か掛かるかもしれないけれど、一応紹介しておく。
「ハノン」は、ピアニストなら誰でも知っている指のトレーニングができる定番の本だ。プロも(使う人は)使う。
趣味でやるにはオーバースペックな気もする。だから本気でやりたい人向け。
わりと機械的なフレーズばかりなので面白い曲集ではないけれど、ピアノを上達させるために必要なテクニックが凝縮されている。 個人的に39番や41番はとても重要だと感じているから、できれば毎日弾きたい感じ。
コメント