ヤマハ「AvantGrand N1X」というヤバイ商品が発売されてしまう件

2019年2月13日

Keigo

どうも、Keigoです。

2019年3月。YAMAHAから「N1X」というハイブリッドピアノが発売されます。

ハイブリッドピアノとは「アコースティック(生)ピアノと同じ鍵盤構造で音はデジタル」という超ハイテクなピアノです。一応、電子ピアノなので「アコースティックピアノが弾きたいけど音が大きすぎて近所迷惑になるから弾けない!」という、まさに全世界のピアニストの悩みを解決してしまうピアノでもあります。笑

電子ピアノは鍵盤の構造上どうしたってタッチに限界があるけれど、このハイブリッドピアノの鍵盤はアコースティックピアノと同じ「ハンマーアクション」なので弾き心地は最高です(のはず)。

ちなみに商品名の「Avant」はフランス語で「~より先に」という意味です。

今回は、2019年3月に発表されるYAMAHA「AvantGrand N1X」について書いていきます。

YAMAHA AvantGrand N1X

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YAMAHA

ヤマハの最先端ピアノ技術の結晶「AvantGrand」

ヤマハではこのハイブリッドピアノ「AvantGrand(アバングランド)」シリーズが2009年から発売されていて「N3X」「N2」「NU1X」の3種類が販売されています(2019年5月現在)。

AvantGrand N3X

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YAMAHA
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機種:AvantGrand N3X
価格:160万円
発売:2016年11月
重量:199kg
スピーカー:12個
グランドピアノに限りなく近づけた鍵盤のタッチ。ピアニストの想像力に応えるペダルフィーリング。立体的で奥行きのある音を再現するスピーカーシステム。これからのピアノはこうありたいという思いを、先進のテクノロジーと美しく昇華されたデザインに込めました。グランドピアノがもつ音の奥行き、響きを余すことなく再現します。

AvantGrand N2

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YAMAHA
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機種:AvantGrand N2
価格:105万円
発売:2009年7月
重量:142kg
スピーカー:9個
グランドピアノらしい曲線を意識してデザインされたN2。鍵盤にグランドピアノのアクション機構を搭載しながらも、スリムな奥行きを極めたモデル。

AvantGrand NU1X

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YAMAHA
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機種:AvantGrand NU1X
価格:40万円
発売:2017年10月
重量:111kg

スピーカー:6個
アコースティックのアップライトピアノと同様のアクション機構と木製鍵盤を、最新の音源や精巧なセンサー、音響技術と組み合わせることで、グランドピアノさながらの演奏感と、豊かな表現力を実現したモデルです。

主な違いは「ピアノ本体の外観」と「アンプ、スピーカー数」と「スピーカーの配置」です。音源はすべて同じです。

ヤマハ「Clavinova(クラビノーバ)」の最上位モデルでもスピーカー数は4個なので、AvantGrandはかなり音響に力を注いでいます。ちなみに、設計と製造はClavinovaチームとは別のようです。

また、「N3X」と「N2」はグランドピアノの鍵盤ですが「NU1X」はアップライトピアノの鍵盤です。カツ丼と親子丼くらい違います。

日本の住宅事情とピアノの相性問題

余談。

突然ですが「ピアノ x 日本の木造住宅」の相性はとんでもなく悪いです。笑

例えば重量。

アコースティック(生の)ピアノの重量は軽くても200kgを超えます。僕が所有しているYU5は260kg、一般的なグランドピアノに至っては300kgを超えます。

アップライトピアノで194kg(b113)~278kg(YUS5DKV)。体重80kgの成人男子約3人ぶんの重さです。

グランドピアノは261kg(GB1K)~415kg(C7X)と大きさによって幅があり、320kgのC3Xで成人男子約4人ぶんの重さです。

ピアノの搬入

建築基準法では、住宅の床の積載荷重量は1,800N/㎡(約180kg)と定められているので、たいていのグランドピアノでもそのまま設置することはできます。

ただ木造の場合、床下を補強せずに置くとかなり確率でたわみます。

▼ 「大改造!!劇的ビフォーアフター」の床下補強工事。木造2階の6畳間に300kgのグランドピアノを導入後、床下がたわんでいます(7:43~)。

次に音量。

ピアノの音量は最大で100dB(デシベル)を超えます。これは電車が通るガード下や車のクラクションとと同レベルの音量です。

人は40dB程度の音量であればあまり気にならないとされていますが、一般的な木造住宅の壁や扉、サッシの性能では10~20dB程度しか軽減できません。

さらに、日本の国土面積38万平方キロメートルはアメリカの25分の1、その割に人口は3分の1。

アメリカは本当に広いです。以前、僕がアメリカを車で横断(往復)したときは14日間で1万3000km以上走りました(白目)。

 
 
 
 
 
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日本では隣家との距離も物理的に近くなります。土地も極端に狭い。山が多い島国なので仕方ないですが。

ところで、地下室の普及率はどうだろう。アメリカやロシアは約80%、イギリスも約70%ほどのようです。

もともとは核シェルターとして普及したそうですが、防音においても地下は最強です。音が出し放題。

日本の地下室の普及率は驚きの0.02%。戦後、都市では焼け野原の復旧が求められました。世界唯一の原爆投下を経験したからこそ核シェルターが普及していても良さそうですが、お金と資源がなかったのでしょうかね……。

ちなみに僕が親戚が住む名古屋は水位が高くて一般住宅で地下室の建造は厳しいようです。埋め立ても多いので大きな地震が来たら津波と液状化で大打撃です。南無三。

現在の戸建てのほとんどが木造です。鉄筋コンクリート造であれば防音の面でかなりマシになりますが(構造的に自然災害にも強い)やはり価格と手間がネックですかね。もっと普及してリーズナブルになってくれたらいいな。笑

という感じで、日本の住宅事情でアコースティックピアノを買うのはなかなか勇気が必要です。

もちろん、木造住宅での防音室の設計で実績を上げている業者さんもあります。

「空間を余り狭くしない、住宅の防音や薄い遮音構造の木造ピアノ防音室(オルガン、チェロ、ヴァイオリン、ギター、サックス、フルート、キーボード、和楽器、オーディオ等を含む)を構築できるのが大きな特長です。
特に木造住宅では、下地の補強や結露対策および安全な工法・建材の使用により、人に優しい耐久性・遮音効果の高い構造を実現します。戸建住宅など建物に無理な負荷をかけず、適正な工法のもと部屋を狭くしない、費用対効果の高い仕様を工夫します」

引用:防音職人

ハイブリッドピアノ「N1X」のヤバさ

「N1X」は以前販売されていた「N1」の後継機です。主な違いは以下のとおりです。

■2つの新しいピアノ音源
■バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)
■ヘッドホン使用時の音源にバイノーラルサンプリングを搭載
■オーディオファイルの再生/録音機能を搭載
■GPレスポンスダンパーペダル搭載
■無料アプリ「スマートピアニスト」(iOSに対応)
■Bluetoothオーディオ接続 

次にAvantGrand N1Xのデザインとスペック。

機種:AvantGrand N1X
価格:65万円
発売:2019年3月
重量:117kg

スピーカー:6個
アバングランドの魅力をシンプルにまとめ上げたN1X。コンパクトサイズながらも、タッチ感はまさにグランドピアノ

▼以下、HPより引用

Keigo

アップライトピアノがスマートになったようなデザイン!

「N1X」のコンパクトさがヤバイ

「N1X」は従来の「N3X」「N2」と同様にグランドピアノと同じ鍵盤構造を持ちながら、実は日本の住宅で大半は置物と化しているであろうアップライトピアノよりもコンパクトな設計となっています。

幅:1,465mm
奥行き:618mm
高さ:1,001mm
質量: 117kg

日本の狭い住宅ではスペースの確保は死活問題。少しでも小さいほうが良いです。グランドピアノは床がたわむほど重い上に、形がいびつなので無駄にスペースを取ります。

「N3X」も十分コンパクトだけれど、奥行きが1メートルを超えるのでスペースを取る。

その点、「N1X」の省スペース設計は素晴らしい。このサイズであれば問題なく設置できます。とりわけ奥行きが短いのが素晴らしい。

こちらの動画が参考になります。

夜でもガンガン弾けるというヤバさ

「N1X」はアコースティックピアノ特有の弦が張られていません。電子ピアノと同様、音はスピーカーから出るため音量を小さく調整することができるし、なんならヘッドフォンやイヤホン使えば音の心配をしなくて済みます。

それでいて鍵盤がグランドピアノと同等という、突然夜中にグランドピアノを弾き倒したくなるピアノ愛好家には絶好のアイテムです。

例によって日本の住宅は木造が多く、基本的に構造物の質量が物を言う「防音」という点において、防音処理をしていない一般的な部屋は極めて脆弱です。また、鉄筋コンクリート造は木造に比べて基本的な防音性能は高く、特に低音を遮る能力が高いのですが、音の反射を抑えるために吸音材の導入は不可欠です。

アコースティックピアノをガンガン弾きたいのであれば、ヤマハの防音室「アビテックス」の導入や防音工事をするなど、基本的に何かしら対策は必須だと思います。参考までに、6畳間の洋室を夜でもアコースティックピアノが弾ける「浮き床構造」にすると200〜300万円ほどします。

音量を調節できるのは電子ピアノ最大のメリットですね。もちろん鍵盤を弾いたときの振動はするので以下のような制振材(フェルトや高密度ゴムなど)は必須です。

制振材の上にカーペットを敷くと、さらに振動を抑えますしインテリア的にも良い感じになるのでおすすめです。

「N1X」の価格がヤバい

「N1X」の発売価格は65万円です。ヤバイです。高い。知ってはいたけども。少なくとも安くはない。笑

「電子ピアノが欲しい」と思い立って気軽に買える現実的な値段ではありません。え、そうだよね?

が、考え方を変えて「グランドピアノと同じの鍵盤構造」を65万円で買えると捉えるとどうだろう?

N1Xの鍵盤はグランドピアノのそれとほぼ同じ。部屋で少し練習するくらいなら必要十分!

NU1Xは40万円で買えるけれど、鍵盤はアップライト構造なので……やはりグランドピアノの鍵盤とは違う(弦に対するハンマーの角度が異なる)。

ヤマハのグランドピアノが新品で100万円を超えることを考えると、あら不思議。65万円が安く思える。

▼ YAMAHA C3X(グランドピアノの定番モデル)

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アップライトピアノが入る一番安いアビテックスでも100万円を超えるし、部屋の防音工事は安くても200万円はする。

65万円のハイブリッドピアノと1万円の制振マットさえ手に入れば、昼夜問わず思う存分ピアノを満喫できるとなれば意外と安いと思わない?

Keigo

んー、高い!笑
でも将来的に新品30万円くらいで普及し始めたらいいな、とは思う。ピアノの置き場所や騒音の悩みがほぼ解決するから、日本全体のピアノのレベルが向上するんじゃないかなあ。防音室を作るよりよっぽど経済的だしね!笑
今のところ「N1X」は間違いなく最強のグランドピアノ練習機だと思う!

調律のメンテナンスがフリーというヤバさ

普通、アコースティックピアノをまともに弾こうと思ったら最低でも年に1、2回の調律が必要です。

しかし、弦を張っていない「N1X」は調律が不要。これはかなりグッドポイント。調律は安くても1万円前後しますからね。

とは言っても内部の機構は調整が必要かもしれない。埃も溜まるだろうし、鍵盤が木製なので湿気を吸って膨らんだりもするかもしれない。というわけで内部に関してはメンテナンスは必要だと思います。

外装はアコースティックと同じ塗装だと思います。その点の手入れは変わりません。

ちなみに、ピアノの「黒い」塗装は日本発祥です。日本伝統技能「漆塗り」の名残です。漆は除湿に使えます。日本は平均湿度が60~70%と高いので。

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ところで、安価な電子ピアノは鍵盤内部にバネが使われていることが多く(種類による)、しばらく使っているとバネが劣化します。

引用:「キーボードと電子ピアノは似て非なる物」きまぐれ ぷろぐらま語録

このバネが劣化すると弾き心地が著しく悪くなります。とりわけ安価な電子ピアノの鍵盤は「とても小さい音」と「とても大きい音」を再現しにくいです。

対して、「N1X」などのAvantGrandシリーズは、グランドピアノと同じハンマーアクション構造のためバネのような鍵盤の劣化がありません。てこの原理が使われているのが分かります。

鍵盤を弾くとハンマーが動いてピアノの弦に接触します。そのときに指に伝わる微妙な振動(重み)は、従来の電子ピアノでは構造上再現できません。

Keigo

僕がAvantGrandを推す最大の理由がハンマーアクション!

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回はヤマハのハイブリッドピアノ「N1X」について書いてみました。

記事を書いている時点では発売されておらず、試奏もしていないのでスペック表でしかわかりませんが、きっと売れる商品だと思います。

初年度は限定1000台のみの販売だそうです。

そのうちの1台をいつか手に入れられたら良いなあ、という妄想をしながら今夜も眠りにつきたいと思います。

それでは!

▼YAMAHA AvantGrand N1X

YAMAHA AvantGrand N1X

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▼ ピアノの歴史

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