DTMにおけるMIDIキーボードとステージピアノを考える

2018年3月16日

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Keigo

どうも、ピアノ大好き、Keigoです!

特に理由もなく、ふらっと寄った新宿の楽器屋でずらりと並んだ電子ピアノに目が留まり、店員さんに促されるまま色々なピアノを試奏してきました。

試奏したキーボードについて思うことが少しありましたので書き留めておきます。

DTMでは必須の「MIDIキーボード」

作曲や編曲の際に、DAWに音符を打ち込むのに便利な、ツールの一つが「MIDIキーボード」です。

マウスでぽちぽち打ち込むこともありますが、滑らかにコードや旋律を打ち込むにはリアルタイム入力が必要なので、MIDIキーボードはもはや必須と言っても過言ではありません。

現在、色々なYAMAHAやKORG、Rolandなどからたくさんの種類が発売されていて、安い物だと3000円台からあります。

▼KORG「NANOKEY2 25鍵」。とても安い。

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主に以下のような違いで価格差が生まれます。

・鍵盤数
・フルサイズキー or ミニキー
・キータッチ
・ペダル端子の有無
・コントローラ機能
・付属ソフト

ピアノソロには88鍵がベスト?

ピアノの原型(ハープ・チェンバロ)は1700年代にフィレンツェのメディチ家に仕えた楽器製作家、バルトロメオ・クリストフォリにより発明されたと言われています。そしてベートーヴェンの晩年以降、ピアノは88鍵になりました。左側ほど低音で右側ほど高音という構造はずっと変わりません。

グランドピアノもアップライトピアノも通常は88鍵ですが、MIDIキーボードは、

・25鍵
・32鍵
・49鍵
・61鍵
・76鍵
・88鍵

など色々あります。当然、鍵盤の数が多くなるほど横幅が広くなります。

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Keigo

88鍵が並んだ横幅は約123cmです。

DTMの場合、作編曲する人や作業環境によって必要とする鍵盤の数は変わります。

右手でさらっと短いフレーズを打ち込むなら25鍵で足りますが、両手でピアノソロを弾くには61鍵だと足りない、といった具合です。

実は以前、M-AUDIOの「Keystation 61」を15000円くらいで購入しました。

▼M-AUDIO「Keystation 61」

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当時はスペースの制約上、61鍵でないと部屋に設置できませんでした。しかしその後、音域の広いピアノソロを打ち込むのにどうしても88鍵が必要だと実感しました。

ポップス程度であれば演奏で61鍵に収まることもあるのですが、やはり普通は微妙に鍵盤の数が足りません。一応、スイッチによる切り替えで音域の移動はできますが、これが非常に厄介です。

そもそも演奏途中に切り替える操作があると演奏に集中できませんし、スイッチで切り替えると中心のドの位置が分からなくなります(キーボード上のLEDの点灯具合で分かるようにはなっていますが……)。慣れれば問題ないのかもしれませんが……。

とまあ、あまり深く考えずに購入した初めてのMIDIキーボードは、残念ながらすぐに売却してしまいました。

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Keigo

ネットの評価はかなり良いです。

M-AUDIOの「Keystation 88」がコスパ抜群

そんなこんなで次に購入したのが「Keystation 88」。61鍵と同じシリーズの88鍵版です。

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「Keystation」シリーズの良いところは、とにかくシンプルなデザイン。これに付きます。

個人的にシンプルな物は大好きです。 直感的で単純明快。スペースの節約にもなりますし、構造が単純なので自分でメンテナンスもできます。

ついでに彼のレオナルドさんの言葉も紹介しておきます。

“Simplicity is the ultimate sophistication.”
シンプルさは究極の洗練である。

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)

88鍵盤、フルサイズキー、ペダル端子有り、重量7.7kg、そして価格。

この製品よりコストパフォーマンスの高い物は他にないのではないでしょうか。

ベロシティを上手く打ち込めない?

先程あげた、MIDIキーボードの価格差の要因の一つに「キータッチ」があります。

ざっくり言うと、キーがおもちゃのようにカチャカチャする作りか、本物のアコースティックピアノのような作りかどうかです。

アコースティックピアノの鍵盤は木製かつハンマー構造なので重量が増し、複雑な構造のためコストが上がります。

後に紹介する「ステージピアノ」と呼ばれる電子ピアノは、鍵盤に無垢の単板を使用していたり、グランドピアノ特有のタッチを表現したものもあります。

「Keystation」の場合はキーがプラスチックで、構造はバネを使った簡単な作りになっています。そうすることで本体の重量を軽くしたり、コストを抑えることができます。

初めのうちは88鍵あることで満足していたのですが、キータッチの問題でリアルタイムレコーディングをした際のベロシティ(鍵盤を押し込む速さ)が上手く入力できないことが次第に気になってきました。

時短と省スペース性を考えると「ステージピアノ」というアコースティックピアノのようなキータッチの電子ピアノが良いなあ、と思うようになりました。

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Keigo

ベロシティの手直しはかなり時間が掛かる!

ステージピアノは価格が跳ね上がる

ステージピアノは安いものでも5万円台、高いものは40万円を超えます。

サウンドハウスで購入できる新品のステージピアノの価格帯をざっくり調べてみました。

・CASIO……5万~8万円
・Studio Logic……6万~18万円
・Roland……6万~24万円
・KORG……4万~24万円
・KAWAI……13万~28万円
・YAMAHA……13万~45万円
・Nord……25万~48万円

▼「KORG D1」。 価格が(多分最も)安いステージピアノ。

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▼「Nord Piano 4」。 高級なステージピアノ。

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ステージピアノとなると、MIDIキーボードとは明らかに価格帯が違います。笑

僕が行った新宿の楽器店では様々なメーカーのキーボードがずらりと並んでいました。もちろんすべての商品ではありませんでしたが、一般的に市場に出回っている名の知れたキーボードが試奏できるようになっていました。

中でも以前から「studiologic」というのキーボードが気になっていました。イタリアに本社を置いている「FATAR」が手掛けるブランドで、以下のキーボードの鍵盤を開発しています。

・Clavia
・novation
・DOEPFER
・MOOG(MINI MOOG VOYAGER)
・ACCESS Virusシリーズ
・NI KOMPLETE KONTROL Sシリーズ
・Arturia(Keylab 88)
・Roland(V-accordion)
・KORG、Kurzweil
・ENSONIQ
・Alesis
・AKAI

日本ブランドのYAMAHA、Rolandといった大手では鍵盤の自社開発を進めているため現在の採用率は低いようですが、 80〜90年代にはよく採用されていたようです。

僕が行った楽器屋では、Studiologicの「Numa Compact」と「Numa Concert」がありました。スペック表を眺めていたら店員さんが声をかけてくださったので試奏させてもらいました。試奏の感想ですが、う~ん、デザインは素晴らしいのですが、どちらも僕が求めるものとは違いました。

まず、「Numa Compact」ですが、こちらは鍵盤がプラスチック製ですので「Keystation 88」と変わらずバネ式の鍵盤です。なのであまりヘビーな演奏には向かないと思いました。ただ、約7kgと軽量設計なので持ち運びには便利ですね。

ちなみに「Numa Compact」の後継機「Numa Compact2」が2017年6月24日に発売されているのですが、残念ながら僕が行った店には置いていませんでした。

▼Studiologic「Numa Compact2」。

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一方、「Numa Concert」は、音源がとても良く比較的繊細な表現ができました。

ただ、キータッチはそこまで感動しませんでした。うーんなるほど、という感じです。木製鍵盤が用いられている最上位機種ということで期待していたのですが、正直、微妙でした。

以前、どこかの記事で読みましたが、電子ピアノの鍵盤を作る技術は世界的にも日本のキーボードはかなり優れているようです。

もちろん、普段アコースティックピアノに弾き慣れているため、やはり本物のキータッチには遠く及ばないのは理解しています。構造的限界もあるのだろうと思います。

僕の昔のピアノ先生は「電子ピアノはあまり触りたくない」と言っていました。アコースティックとは明らかにキータッチが違うので弾き慣れると演奏に支障が出るとのこと。

もちろん、キータッチが本物と異なる=悪いキーボードではありませんが、アコースティックと形が似ているようで中身は異なる別の楽器なので、その点を押さえておくべきだと感じました。

YAMAHA「CP4 STAGE」がベスト?

発売当初からずっと気になっていたステージピアノがYAMAHAの「CP4 STAGE」です。

▼YAMAHA「CP4 STAGE」。

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これも店に置いてあったので試奏しました。大抵の楽器屋には置いてある印象です。

実は以前から何度も試奏しているのですが、個人的に「CP4 STAGE」にコスパで勝るキーボードがありません(2018年現在)。発売日は2013年10月18日と確かに少し古いのですが、設計の古さは全く感じません。とても気に入っています。

まず「Numa Concert」よりキータッチが少し良いです。

「CP4 STAGE」には「NW(ナチュラルウッド)鍵盤」というYAMAHAの自社開発鍵盤が使われています。

グランドピアノと同様に、ハンマーを採用し、バネを使わない鍵盤アクションです。

このハンマーの重みによって、弾いた時の手ごたえや指を離したときの自然な鍵盤の戻り、そして低音域では重く、高音域では軽く感じるピアノ本来の鍵盤タッチまで忠実に再現しています。NW-GH 鍵盤は、ピアノづくりを通して木材を熟知しているヤマハならではの木製鍵盤です。

グランドピアノと同様、その素材には楽器用として充分に乾燥させた木材から切り出したむく材を使用。しかも1本の木材にごくわずかしか存在しない極上の部位を選りすぐることで、積層タイプの木製鍵盤よりも反りにくく、ゆがみにくい鍵盤を実現しました。

【CP4 STAGE】NW-GH鍵盤について

その上位鍵盤は「NWX鍵盤」というさらに良い鍵盤がありますが、「NW鍵盤」でも十分弾くに耐えうる性能を持っています。

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2019.02.08 追記:

ちなみに「NWX鍵盤」は、NW鍵盤に「エスケープメント」機能を搭載しています。

グランドピアノでは、ごく弱い力で鍵盤を押しこんだ時に、鍵盤が下がる途中でわずかな手ごたえを感じます。これは、打鍵後にハンマーが弦の振動を止めずに速やかに離れる仕組み(エスケープメント機構)が搭載されているためです。

よりリアルなグランドピアノのタッチ感を再現するために、エスケープメントのわずかな手ごたえを、鍵盤機構に搭載しております。

【電子ピアノ】エスケープメントとはなんですか?

「NWX鍵盤」はP-515、CP88、CLP-645に搭載されています。

CLP-600番代は「Clavinova(クラビノーバ)」という据え置き型の電子ピアノです。※ステージピアノではありません

▼ CLP-645(NWX鍵盤)

▼ CLP-685(グランドタッチ鍵盤)

「グランドタッチ鍵盤」というものもあります。

グランドタッチ鍵盤は、NWX鍵盤と同じく、白鍵にむく材を使用し、3つのセンサーを搭載した木製鍵盤です。ただし、構造はNWX鍵盤と大幅に変化しており、より反応性の高いタッチ感と、強弱の幅をつけた演奏が出来るようになりました。

鍵盤の手前から奥まで、自然でバランスのとれた弾き心地を得られるようになり、これまで以上に正確なリズム、スムーズなメロディーの表現が可能になりました。

【CLP-685/675】グランドタッチ鍵盤とはなんですか?

ヤマハの電子ピアノの鍵盤は、

GHS < GH < GH3 < NW < NWX < グランドタッチ

という順に良い鍵盤になっています。なので、鍵盤の良さを求めるとクラビノーバ CLP-685 が最も良い(2019年現在)ということになります。※CLP-675もグランドタッチ鍵盤ですが、それよりも良い鍵盤のようです。

当然、据え置き型なので移動ができないことに注意です。

▼ 本記事の主旨とは離れますが、据え置きで最強のピアノタッチを持つのはヤマハのハイブリッドピアノ、「AvantGrand(アバングランド)」シリーズでしょうね。グランドピアノと鍵盤構造が同じ電子ピアノです。

▼ 個人的に2019年3月発売の「N1X」がとても気になっています。もはや触ってないけど欲しいです。笑

Keigo

「N1X」は65万円、フラッグシップ「N3X」は160万円と、もはやアコースティックピアノが買える(白目)。

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「CP4 STAGE」の内蔵音源は、言及する必要がないほど優れています。

次に、古臭さを感じさせないシンプルなデザインです。(シンプル好きなのです)鍵盤の上の空きスペースがあるで、そこにパソコンのキーボードを置けるのです! これが地味に便利で現在僕も「Keystation 88」でそうしています。

打ち込みをすると自然とそうなる(と思う)のですが、なんと僕が好きな澤野弘之さんもそのような形をとっていました(澤野弘之 アーティスト・ブックより)。ちなみに、澤野さんはCP33(生産完了品)を使っているようです。

そしてホイールが鍵盤上部にあるため、横幅は「Keystation 88」よりも36mm小さいです。

気になる価格は18万円。価格差が「Keystation 88」の9倍です(白目)

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2019.02.08 追記:

2018年11月、ヤマハから最新のPシリーズ「P-515」が発売されました。

鍵盤が「NWX鍵盤」に新しくなったみたいなので、一度試奏しに行きたいと思います。

▼YAMAHA「P-515」。

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2019年3月、「CP4 STAGE」の後継機「CP88/73」が発売されました。

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主な改善点は3つです。

・鍵盤が「NWX鍵盤」へパワーアップ
・シンセサイザー機能の拡充
・18.6kg/13.1kgへの軽量化

https://jp.yamaha.com/products/music_production/stagekeyboards/cp88_73/index.html

Keigo

デザインが今風になった!笑

おわりに

icon-check まとめ

●DTMにおいて「MIDIキーボード」はほぼ必須
●使う人によって必要な鍵盤数が異なる
●ピアノソロのリアルタイムレコーディングには88鍵がほぼ必須
●アコースティックのキータッチを求めるなら「ステージピアノ」
●個人的にstudiologicのキータッチは微妙、ただし音は良い
●総合的に考えると今のところ「CP4 STAGE」が最高?

いかがだったでしょうか。

今回はDTMとステージピアノについて書いてみました。

現在、僕はヤマハのPシリーズ「P-105」をMIDIキーボードとして使っています。家に転がっていたので。

▼ 「P-125」。こちらのほうが最新(2018年現在)。

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少しへたってきたので、そろそろステージピアノに移行したいと思っていますが、P-515やCP88などの新製品が続々と発表されてきて、正直どれを買うか戸惑っています。笑

以上、簡単ですが参考になれば幸いです。

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▼ CP4 STAGE。デザインがシンプルなステージピアノ。

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▼ CLP-685。グランドタッチ鍵盤のフラッグシップ電子ピアノ。

▼ CP88

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